2009.12.14 : 平成21年12月予算特別委員会
質問者:吉田委員
こんにちは。
9月の定例会から578名減りまして109万5,038人となりました県民の皆様、改めましてこんにちは。にこにこと言っておりますが、いい数字ではないというふうに思います。今回の質問も人、そして家族について質問させていただく吉田であります。
予算特別委員会は通算11回目となりまして、100%出席を続けさせていただいております。会派の皆様のおかげでありますが、ごほうびか、2列目のほうに席が移りました。また一層気合いを入れて頑張ってまいりたいと思います。
けさ、出がけに、今回の質問の準備で「まだ勉強し足りないところがあったな」というふうにぼそっと言いますと、うちの妻は「お父さんは、いつも同じことを言っている」と、こういうふうにあっさりと言われまして、非常にかちんと来まして、「きょうは当然、傍聴に来るんだろうな」と言いましたら、「まだ生まれて1カ月もたたない子供を連れて傍聴に来いと言うんですか」と言うから、「県議会でのお父さんの勇姿を見ることこそが子供の最大の教育だ」と、たんかを切って出てまいったのでありますので、より緊張して質問することになりました。
1問目は、子育てと男女共同参画社会について質問させていただきます。
男女共同参画という言葉。当然、国の法律もあります。基本法があるんです。平成11年の6月に制定されている法律でありますが、この男女共同参画という言葉も世の中になじんできている言葉の一つだとは思いますけれども、家族という基本のことを考えましたときには、やはりもう一度しっかりとこの法律の意味、そしてこれをもとにした地域におけるさまざまな施策、これらについても見つめ直す必要を強く感じるわけであります。
県のほうでも、この男女共同参画につきましては、男女共同参画の推進の状況及び男女共同参画推進施策の実施の状況についての報告書ということで、「平成21年版富山県の男女共同参画」という資料も配付しておるところであります。
まず初めに、これらの男女共同参画につきまして、法律及び県条例の中の理念、基本方針について、泉生活環境文化部長にお聞きいたします。
回答者:泉生活環境文化部長
男女共同参画社会基本法及び富山県男女共同参画推進条例におきましては、その基本理念といたしまして、個人としての尊厳を重んじ、男女の差別をなくし、男性も女性も一人の人間として能力を発揮できる機会を確保する必要があるとうたっております。 そのほか、男女の固定的な役割分担意識にあまりこだわることなく、さまざまな活動ができるように、社会における制度や慣行についての配慮や、あるいは政策の立案、決定への男女の対等な参画、さらには、家庭生活における活動と仕事や地域活動など他の活動との両立などを掲げまして、国、地方公共団体、国民、県民それぞれの責務を明らかにしているところでございます。 この基本法及び条例におきましては、機会の平等を目指していると言われておりまして、男女の違いを認めないで、あるいは、さまざまな人間には違いというものがあるわけですけれども、その差異というものを一切無視して一律平等に扱うという、いわゆる結果の平等というような言い方もしておりますけれども、そういったものまで求めるものではないというのが、国及び県のこれまでの考え方でございます。 ただ一方では、女性といいますのは、先ほど委員のほうからもお話がございましたけれども、男性に比べてより多くの家事責任あるいは育児責任というものを担っているという実態がございます。そういうことで、形式的に差別がなくて門戸が開かれているというだけの意味で機会を確保するということだけでは、社会参画がなかなか難しい面もございます。そのため、いろいろな面で社会環境を整えまして、あらゆる分野の活動に実質的に参画する機会を確保していくことが必要だと言われているところでございます。 いろいろ申し上げましたけれども、したがいまして、言葉をかえて申しますと、男女共同参画社会とは、男性も女性も一人一人が個性や能力を発揮しながら、誇りと希望を持って生き生きと暮らせる社会の実現を目指すものだということが言えるかと考えているところでございます。質問者:吉田委員
今ほど部長のほうから、この男女共同参画というものについての基本的な県の考え方について教えていただいたわけでありますけれども、やはり現実に、子育てと男女共同参画社会というところに焦点を絞った場合に、子育てにも子供の成長に従ってさまざまなステージがありますし、親がどれだけ子育てに時間をかけなくてはいけないかということについては、やはり子供の成長に合わせた部分というのが必要になると思うわけであります。
機会、特に働くという部分については、社会に出ていく機会は当然、男女ともに用意しなくてはいけないと思います。けれども、先ほど部長にもおっしゃっていただきましたが、やはり男と女の違い、男親と女親の役割の違い、特に授乳でありますとか、そういう生理的な部分についてはどうしても母親、女性に頼らなければいけないという部分も明らかにあるわけです。こういうようなことを考えたときに、今、一方で、この男女共同参画社会の進展に伴い、一つのキーワードが出てきているわけであります。それは、ワーク・ライフ・バランスという、それぞれ一人一人が働くことと、それから自分の人生あるいは家族との人生をどのようにバランスをとって、その人の生活なり、人生、家族、家庭を成り立たせていくのかということについての考え方が、今提唱されているところでもあります。
国においても、仕事と生活の調和推進室を平成20年に立ち上げておるわけであります。男女共同参画局の中でやっておるわけでありますけれども、やはり何といっても、富山県は男女ともに共働きで家計を成り立たせている。そしてその中で、子育てにも頑張っている家族が多くあるという現状なわけであります。
仕事と子育ての両立の支援のために、県がさまざまな努力をしていることは私も承知しております。両方を両立させるために何が必要かという基本的なところについて、今ほど申し上げましたが、共働き率ですとか女性の就業率、あるいは家計において男性、女性、どちらが主たる収入を得ているのか。そして、副の収入を得ている者は、どれくらいの割合で一家に収入をもたらしているのか。あるいは、女性の平均勤続年数など、これらのことを数字で少し示していただきたいというふうに思うわけであります。柳野商工労働部長にお聞きいたします。
回答者:柳野商工労働部長
お答えいたします。
本県は、共働き率は全国第3位。女性の有業率は全国第1位。勤労者世帯の配偶者の収入割合は全国第9位。女性の平均勤続年数が全国第2位となっているなど、全国的に見ましても女性の職場進出が非常に進んでいるものと考えております。
しかし、出産や子育てを機に離職した割合は、約4割となっております。全国の約7割と比較すると低いものの、出産を機に退職する女性が依然として多い状況にございます。
こうした状況は、仕事と子育ての両立に悩まれた結果ではないかと考えていますが、子供は親とのふれあいの時間を持ちながら成長することが大切であり、親が子供とのふれあいの時間を十分確保できる働き方が可能な職場環境づくりが必要であると考えております。
このため、乳児期には育児休業が取得しやすい、幼児期には短時間勤務が選択できる、子供が病気のときには看護休暇が選択できるなど、子育ての段階に応じた多様な働き方が可能となる職場環境を実現することが必要であると考えております。また、事業所内保育所の設置の促進も、安心して子供を預け働ける職場環境に資するものと考えているところであります。
県としましては、仕事と子育て両立支援推進員による企業訪問を通じまして、育児休業制度や短時間勤務制度などが利用しやすい職場環境の実現に取り組んでまいりたいと考えております。
以上でございます。
質問者:吉田委員
県として、仕事と家庭、そして子育ての両立について、さまざまな努力をしておられることがよくわかるのであります。
それで、基本的にさまざまな努力がある中ですけれども、私はもう一つ、この部分について一歩突き進んだ施策を打ち出していただきたいというふうに思っているところでもあります。
例えば、私が今手元に持っております資料は、先ほど申し上げました仕事と生活の調和を推進している男女共同参画会議の仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)に関する専門調査会というのが平成21年の7月に資料を出しておるんでありますけれども、その中で「男女共同参画をめぐる新しい動き」という章があります。ここで、女性の仕事の場所は、やはり今までと同じような職場の環境の中で子育てとの両立を進めていくことに当然努力も払わなくちゃいけない。けれど、本質的な、根本的な限界というものもあるんじゃないかと、このことも見るわけであります。
そうすると、ここで提案されていることの一つには、例えば女性が起業する。大げさな言葉になっていますけれども、御自身の経験を生かして、特に農山村でありますとか、そういうところでの経験を生かして、自分たちが家庭に戻りながらもしっかりとした働く場所を身近に持つことができるというようなことも一つの提案としてされているわけであります。
私は、これも一つの方法だと思います。もう一つ考えられるのが、今、富山県というのは、ものづくりの県だというふうに常に言われているわけであります。そうすると、物をつくるというのは、さまざまな商品を出すに当たって、当然、応援が必要であります。主たる製品をつくるに当たっても、例えば、わかりやすいのが、それを包装する物であったり、そのような副資材をどうやってつくっているのか。簡単に言いますと、昔は内職というものがあったわけです。内職という言葉に対するイメージは人それぞれだとは思いますけれども、家庭において、子供の面倒を見ながら幾らかの収入を上げていくというような部分を、富山県においても、もう少ししっかりと見つめ直して、そして、すべてのことだと思いますけれども、さまざまな産業が、大きなことを言いますと、グローバル化によって、地域で一つの物を全部つくっていくという社会には、私たちは今住んでいないわけであります。けれど、物を生産していくに当たっても、内製化していく、地域で一つの物をつくり上げていくという考え方というのは、国際競争力でありますとか、これからの社会において物の価値、商品の価値を上げることを考えたときに、いかに地域でみずから多くの物をつくって最終的な商品まで持っていくか、こういうことが私は大切でないかと思うわけです。
そうすると、内職という言葉であらわしましたけれども、この富山県においても幾らでも、今外注しているさまざまな物を家庭内に持ってきてつくるということも可能性があるのではないかと思うわけであります。
今申し上げました、家庭においての収入確保、そして一方で、内職のメリットは、やはり子供を身近なところに置きながらも収入を得ることができるということでありますけれども、内職的なもの、そういう仕事を増やすように、私は県が率先して努力してはどうかと、こういうふうに思うわけであります。柳野部長の御見解をお聞きします。
回答者:柳野商工労働部長
お答えいたします。
委員御指摘の家庭でもできる仕事、いわゆる在宅勤務などの働き方の多様化を進めることは、仕事と子育ての両立のためにも大変重要であると思っております。
在宅勤務を可能とする働き方の代表例としまして、現在、テレワークというものが推奨されてきておりますが、県ではこのテレワークの活用を推進するため、これまで企業経営者向けテレワーク活用研修講座の開催、テレワークのPRパンフの作成配布などに取り組んできたところであります。今年度は、県内企業が新たに取り組むテレワークの成果等を県内企業経営者などに紹介するセミナーを開催することとしております。
県といたしましては、こうしたテレワークの成功例を、仕事と子育てが両立できる働き方の一つとして県内企業に広く周知してまいりたいと考えております。
以上でございます。
質問者:吉田委員
県として、仕事と家庭、そして子育ての両立について、さまざまな努力をしておられることがよくわかるのであります。
それで、基本的にさまざまな努力がある中ですけれども、私はもう一つ、この部分について一歩突き進んだ施策を打ち出していただきたいというふうに思っているところでもあります。
例えば、私が今手元に持っております資料は、先ほど申し上げました仕事と生活の調和を推進している男女共同参画会議の仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)に関する専門調査会というのが平成21年の7月に資料を出しておるんでありますけれども、その中で「男女共同参画をめぐる新しい動き」という章があります。ここで、女性の仕事の場所は、やはり今までと同じような職場の環境の中で子育てとの両立を進めていくことに当然努力も払わなくちゃいけない。けれど、本質的な、根本的な限界というものもあるんじゃないかと、このことも見るわけであります。
そうすると、ここで提案されていることの一つには、例えば女性が起業する。大げさな言葉になっていますけれども、御自身の経験を生かして、特に農山村でありますとか、そういうところでの経験を生かして、自分たちが家庭に戻りながらもしっかりとした働く場所を身近に持つことができるというようなことも一つの提案としてされているわけであります。
私は、これも一つの方法だと思います。もう一つ考えられるのが、今、富山県というのは、ものづくりの県だというふうに常に言われているわけであります。そうすると、物をつくるというのは、さまざまな商品を出すに当たって、当然、応援が必要であります。主たる製品をつくるに当たっても、例えば、わかりやすいのが、それを包装する物であったり、そのような副資材をどうやってつくっているのか。簡単に言いますと、昔は内職というものがあったわけです。内職という言葉に対するイメージは人それぞれだとは思いますけれども、家庭において、子供の面倒を見ながら幾らかの収入を上げていくというような部分を、富山県においても、もう少ししっかりと見つめ直して、そして、すべてのことだと思いますけれども、さまざまな産業が、大きなことを言いますと、グローバル化によって、地域で一つの物を全部つくっていくという社会には、私たちは今住んでいないわけであります。けれど、物を生産していくに当たっても、内製化していく、地域で一つの物をつくり上げていくという考え方というのは、国際競争力でありますとか、これからの社会において物の価値、商品の価値を上げることを考えたときに、いかに地域でみずから多くの物をつくって最終的な商品まで持っていくか、こういうことが私は大切でないかと思うわけです。
そうすると、内職という言葉であらわしましたけれども、この富山県においても幾らでも、今外注しているさまざまな物を家庭内に持ってきてつくるということも可能性があるのではないかと思うわけであります。
今申し上げました、家庭においての収入確保、そして一方で、内職のメリットは、やはり子供を身近なところに置きながらも収入を得ることができるということでありますけれども、内職的なもの、そういう仕事を増やすように、私は県が率先して努力してはどうかと、こういうふうに思うわけであります。柳野部長の御見解をお聞きします。
回答者:柳野商工労働部長
お答えいたします。
委員御指摘の家庭でもできる仕事、いわゆる在宅勤務などの働き方の多様化を進めることは、仕事と子育ての両立のためにも大変重要であると思っております。
在宅勤務を可能とする働き方の代表例としまして、現在、テレワークというものが推奨されてきておりますが、県ではこのテレワークの活用を推進するため、これまで企業経営者向けテレワーク活用研修講座の開催、テレワークのPRパンフの作成配布などに取り組んできたところであります。今年度は、県内企業が新たに取り組むテレワークの成果等を県内企業経営者などに紹介するセミナーを開催することとしております。
県といたしましては、こうしたテレワークの成功例を、仕事と子育てが両立できる働き方の一つとして県内企業に広く周知してまいりたいと考えております。
以上でございます。
質問者:吉田委員
今ほど柳野部長から、特にインテリジェンスの高い部分においての、いわゆるSOHOでありますとか、そういう仕事のことを御答弁いただきました。
私は、もう少し手仕事的なというか、特別な知識や経験がなくてもできる仕事というのも、大切なこれからの分野でないかなと思っておるわけであります。部長、いかがでしょうか。
回答者:柳野商工労働部長
委員御指摘のことにつきましては、私も同様に思っております。
最近あまり内職という言葉は聞かれないようになってきておりますけれども、例えば、衣料の製作といった部分におきましても、ほかの県でもいろいろ考えておりますので、そういったことも含めて検討していきたいと思っております。
以上でございます。
質問者:吉田委員
今ほど、前向きな答弁をいただいたと思います。
北陸三県の中で、福井も、実は先ほど数字をあらわしていただきました共稼ぎ率ですとか女性就業率ですとか、結構似たような数字のところがあるんですけれども、福井の場合、実は富山県よりもさまざまな子育てに対しての数値はいいものが多いんです。それは、福井がもともと家内工業でありますとか、そういう小さい業種を多く持っているということで、全体的には富山県と比べると工業県としての数値は全然出てこない部分は大きいんです。富山県全体の工業生産高が多いというのは、当然それだけ動いているということでいい話でありますけれども、今私が申し上げたようなさまざまな部分の下請というようなことについても、ぜひ御検討いただきたいと思うところであります。よろしくお願いします。
それで、この問題の最後といいますか、一番根本のところに入るんですけれども、先般報道もありました、「結婚しても必ずしも子どもをもつ必要はない」と考える人が、全国で42%強もいるということ。これは、内閣府がまとめた男女共同参画社会に関する世論調査で数字として出てまいりました。最近特に、世論調査についても意図的な数字が出ているんじゃないかという部分もありますので、私もこれを素直にそのままとっていいかどうかという気持ちもあるんですけれども。
もう一つの数字としましては、「結婚は個人の自由であるから、結婚してもしなくてもどちらでもよい」と考える人が前回から5%弱増えて70%と、本当にこれはこのままでいいのかなと。よいわけはないんですけれども、こういう数字が出てくるというのが、現状であります。
こういう根本的な結婚、そして子育てという家族の一番基本にかかわる部分の数字が、心配というよりは危うい。これが今の若い人たちが持っている実感だとするならば、ここは本当に何とかもう必死に、みんなで手を打っていかなくてはいけないという部分ではないかと思うんです。
私自身は、やはり一つは、例えば家族を持って、そして子供を育てていく、家庭をつくるということが本質的に喜びである、このことを体験している者がきちっと、私たちの若い仲間の中でも言っていかなくていけないと強く感じます。
けれども一方では、最初に戻りますけれども、働かないとまず家庭が成り立たないんだという現実もあるわけです。また大きな話をしますけれども、やっぱり物の値段がどんどん安くなっていく、けれども賃金が上がらないという、今デフレスパイラルという言葉になっています。これは、明らかに本来は、家族の中で主に片方がしっかりと働けば家族を養っていけるというのが一番理想的な姿だとは思います。けれども、両方が働かなくては子育てにも支障を来す。そして、その先には教育も待っているわけです。これらのものに本当にお金がかかるというのも現実であります。これらのことに、どういうふうにして、どこから手をつけていくかというのは一番難しいし、大変な問題だというふうには私自身も認識はしております。
その中でも富山県は先般、子育て支援・少子化対策条例ということで、県を挙げてこれらの問題に正面から取り組んでいこうという姿勢を示されたわけであります。両方が働くことで、一番大切な子供、子育てにしわ寄せが来るのは、幾らかはしようがないのが現状だと思います。けれども、そのしわ寄せが来過ぎるということが、一番大きな問題でもあります。
今ほど申し上げました県の条例に基づいて、どのように取り組んでいくのか、知事に見解を問います。よろしくお願いします。
回答者:石井知事
今ほどお話がありましたように、内閣府の男女共同参画についての世論調査では、「結婚しても必ずしも子どもをもつ必要はないか」というのに、賛成という方が42.8%ということでありました。
ただ一方では、人口問題研究所の結婚と出産に関する全国調査、これは独身者に対する調査で、2005年ですけれども、「結婚したら、子どもを持つべきだ」に賛成だという方が、男性78.9%、女性68.9%でありまして、必ずしも子供を持つことに若い方がみんな否定的だということではないと思っております。
本県では共働きをされる方が多くて、男女ともにみずからの能力を大いに発揮していただいて、生き生きと働いてもらう、これは大変重要なことで、私がかねてから申しております元気とやまの重要な目標の一つだと思っておりますけれども、子供を持って働く方々には、やっぱり家庭においては、保護者として子育てもしっかり果たしてもらいたいと思っております。
知事就任以来、これまでも子育てミーティングとかタウンミーティングで、事務方に数えてもらいましたら合計で33回、6,600人以上の方が参加されているそうですが、いろんな御意見を聞いて、特に働きながら子育てをする保護者からの要望の把握にも努めてまいりましたが、残業ですとか、あるいは子供の病気などの際の子供の預かり、また、育児休業は制度としてはあるんだけどなかなか取得しにくい職場環境、こういったところを何とか改善してほしいという御要望が多かったわけであります。
そのために、これまでも延長保育とか病児・病後児保育、放課後児童クラブの拡充に取り組んでおります。例えば病児・病後児保育なんかは平成16年には県内7カ所しかありませんでしたが、現在では44カ所になっていますし、延長保育も152カ所が、今208カ所となっております。また、事業所内保育所の設置促進とか、両立支援推進員の訪問によります就業環境の整備にも取り組んでおります。
この6月に、おかげをもちまして子育て支援・少子化対策条例も成立したわけでありますが、これに基づいて、従業員51人以上の中小規模の企業にも一般事業主行動計画の策定を義務づける。これも、中小企業の皆さんとたびたび御相談もしてこういう形になったわけでございます。
現在、この条例に基づく基本計画を進めるために、県民会議もつくって御検討いただいて、この間中間報告をもらいました。そこで、放課後児童クラブの開所時間の延長など、切れ目のない子育て支援をしてほしいと。また、短時間勤務の推進や、特に本県は中小企業が多いわけですけれども、中小企業の場合、だから難しいという面もある反面、従業員の方と経営者の距離が近いものですから、経営者の方の理解があれば、子供の看護のための休暇とか、あるいは小学校に通うまでは短時間勤務を認めるとか、柔軟な対応もしやすいということがありますので、そんなようなことから進めていこうということでございます。もちろん、さらに出会いの機会をもっとつくろうとかといったようなことも大切かと思っております。
子育て支援・教育ミーティングというものも、今後予定しておりますし、若い人たちからもいろんな率直な意見を聞かせてもらって、また、もちろん県議会、市町村の御意見も承りながら、若い方が安心して働ける、そして子供を持てる、そういう元気な富山県になるように、今後とも頑張っていきたいと思います。
質問者:吉田委員
ここまで質問してまいりまして、富山県においても、知事がおっしゃったように、さまざまな子育てに対する応援を必死にやっておられるわけであります。
今、男女共同参画と子育てということで話をいたしましたが、もう一つ、子育ての基本は、やっぱり親が自分たちでできることをみずから目いっぱいすることだと思っているのであります。
今ほどの知事の言葉の中に、県内の子育て中の親御さんたちから、タウンミーティングでいろいろな話をお聞きしたと、こういうのがありました。私は、もう一つ知事から言葉をいただきたいのは、その人たちの気持ちの中に、自分たちでやれることは一生懸命やるんだという姿勢が、現時点であるんでしょうか。
回答者:石井知事
その点はおっしゃるとおりで、子育ての第一義的な責任は保護者にあるんだということを、特に富山県の場合は条例にもしっかり書いております。
私は、いろんなタウンミーティング、子育てミーティング等の場でも、ぜひ子育て支援をやってほしいといういろんな御意見がある際に、まさにそのとおりで、さっき申し上げたようなこともやるんですけれども、同時に、もちろん皆さんは努力はされていると思うんだけれども、子供を産んで育てるというのは、やっぱりその両親、保護者の責任ということがまず第一番だと。これはぜひわきまえて頑張っていただきたいと、こういうことも申し上げている次第であります。
今後とも、そこは変に履き違えがないように努力をしていきたいと思います。
質問者:吉田委員
子育てについてでありますけれども、親が基本だということの一つに、別に子育て中の人たちだけじゃないんですけれども、今の社会は、いろいろな物に恵まれた社会になったおかげで、私たちは、さまざまな物欲と言えばいいか、欲しい物が多いんだと思います。だけれど、その中で子供を産み、育て、そして家族と幸せな時間を過ごせるというこの喜びに勝るものはないんじゃないかなというふうにも思うところであります。
そういう意味で、子育て中の家族も、例えば2台目、3台目の車が欲しい、それから、クーラーも1部屋ずつ全部つけたいと言っていたら切りがない話であります。でも、そういうことを我慢してでも、やっぱりまず自分たちできるところにエネルギーを注いでいこうという姿勢が私は一番大事なことじゃないかなと、今子育て中の一人としてそう思うわけであります。
次の質問に入ります。
次は、歯の健康についてであります。
歯の話なんですが、髪の毛から入ります。頭髪のケアをするメーカーの「髪は長い友達」というキャッチフレーズがあったのを御存じの方は多いと思います。この会場を見渡しますと、なかなか長い友達になれなかった、あるいはなれない方もお見受けするところでありますけれども、髪の毛の場合は全然それで問題ないんですが、歯につきましても、本当は長い友達で、歯こそ一番失ってはいけない友達だ、このところから話に入りたいと思います。
いつも身近にあって、食べるということに関して一番お世話になっている歯でありますけれども、歯については、私たちはあまりにも知らないことが多いんじゃないかなというふうに思うんです。
例えば私たちが今、基本的に大人として歯を何本持っているかということを即座に答えられる方がどれだけおられるか。基本的には、8掛ける4の32本が大人の持っているべき歯の数ということになるんです。子供の場合は乳歯で、5掛ける4で20本という形が基本の数字なんであります。
それで、今ほど申し上げた32本ということが最終的にはあるんですけれども、その中でも、4本持たないままで一生を終わられる方も結構いるというのも現実なんです。これは、別に医学的にはいいことでも悪いことでもないんです。その4本というのが、通称親知らずと言われている歯でありまして、最後に生えてくる、一番奥の奥のところに出てくる4本の歯のことを親知らずというわけであります。
蛇足ながら申し上げますと、私はずっとこの親知らずという歯につきまして、自分自身が今まだ生えていないタイプの人間でありまして、七四、二十八本しか歯を持っておりません。
この親知らずという言葉の意味を皆さんは御存じでしょうか。正確には、この親知らずというのは、子供がずっと育ちまして、そして親が子供のことを常に面倒を見る必要がなくなったころに生えてくる歯だということで、親が知らないうちに生えてくるというのがこの言葉の通説らしいんです。けれども私は、自分が生えていなかったこともあるものですから、親がしもうていったころに生えてくるので、親知らずという歯かなというふうに誤解しておりまして、そういう方がおられたら恥をかかないように気をつけていただければというふうに思うところであります。
歯の質問に入ります。
富山県健康増進計画「元気とやまの健康づくり」という冊子がありますけれども、ここにもよく出ているのでありますが、歯というのは、私たちの人生のそれぞれのライフステージにあって健康を管理する非常に大切な要素の一つであります。この歯について、県として県民への啓発運動、特に今「8020運動」という言葉も出てきているのでありますけれども、これも含めまして、歯の健康プランの実施状況について飯田厚生部長にお聞きします。
回答者:飯田厚生部長
お答えをいたします。
生涯にわたりまして丈夫な歯と歯茎を保ち、自分の歯で食べられるということにつきましては、やはり心身ともに健やかで豊かな人生を送るということにとりまして必要な健康の基本となるというふうに考えております。
国におきましては、80歳になっても自分の歯を20本以上保とうという8020運動ということを提唱されておりますが、これは実は平成4年から提唱されておりまして、この運動に呼応いたしまして、本県では、県民の生涯を通じた歯と歯茎の健康づくりを推進するという観点から、県民歯の健康プランを作成いたしまして、情報機会の提供でございますとか、虫歯予防対策の強化等々、総合的な歯科保健対策に取り組んでいるところでございます。
特に啓発活動について少し具体的に申し上げますと、県民歯の健康プランに基づきまして、歯の健康を維持している家庭を「三世代お口さわやか大賞」として、そしてまた80歳で自分の歯を20本以上持つ方を「いい歯カムカムすこやか大賞」ということで表彰いたしております。
それから、県の歯科医師会のほうで実施しております歯の衛生週間、いい歯の日のイベントの開催等を県のほうで支援をさせていただいているなど、歯と歯茎の健康意識の醸成を図ってきているところでございます。
今後とも、市町村それから関係団体等と連携をしながら、歯と歯茎の健康に関します正しい知識の普及啓発に努めてまいりたいというふうに思っております。
質問者:吉田委員
この歯の質問についてなんですけれども、1問目で子育てということをお聞きしました。私は、この歯についても、子育ての中で一つとても大切なポイントじゃないかなというふうに思って質問している部分もあります。それは、子育てについて、先ほど知事からも言葉をいただきましたが、まずできることをやろうよと。そしてその中の親が子供に対して与えてやれる大切なものの一つが、実は健康な歯を子供に与えるということじゃないかなというふうに思うんです。
健康な歯を子供が持つことができるかどうかということは、100%親が子供に何をどう食べさせて、そしてどういうふうにしてきちんと歯の管理をさせるか。これが最終的に、その人の人生にわたってしっかりとした歯を持って食べることについて十分な喜びがあるかどうか、ここにつながっていくわけであります。部長がおっしゃいました8020運動も、ここに着けるかどうかということは、はっきりと小さい段階で決まっているという、ここの重要性について私は訴えたいというふうに思うわけであります。
例えば、生まれた子供は歯を持っていませんけれども、母親の胎内にある段階で実は乳歯の芽もあるし、そして乳歯の奥にある永久歯の芽も、おなかの中にいる子供は既に持っているというのが今の医学的見解なわけであります。そうすると、妊婦に対して最初からどのように健康な歯をつくるための管理をしていくかという情報も渡していくべきでしょうし、それから子供が生まれてからも、親としてどのように子供の歯の管理をしていくかということを、情報として、知識としてやはり渡さなくてはいけないんじゃないかなと思うわけであります。これらの取り組みについて、厚生部長にお聞きします。
回答者:飯田厚生部長
お答えをいたします。
妊娠早期から、歯と歯茎の健康に関心を持っていただいて、適切な生活習慣を身につけますことは、やはり健やかな妊娠の継続、そしてまた胎児の歯の形成、それから出産後の親から子供さんへの虫歯菌の感染予防など、母親にとっても、子供にとっても、生涯にわたり丈夫な歯と歯茎を保つために重要なことであると考えております。このため県におきましては、妊婦に対する普及啓発といたしまして、妊娠中の歯科健診の必要性でありますとか、適切な歯の磨き方などの情報を盛り込んだリーフレットを配布しておりますほか、現在新たに作成を進めております、これは仮称でございますけれども、マタニティ・サポート・ダイアリーというものの準備をやっておりまして、このダイアリーにも歯と歯茎の健康づくりに関する情報を盛り込んでまいりたいというふうに思っております。
また、妊娠中の歯科健診の受診でありますとか、保健指導の利用を促進いたしますむし歯予防パーフェクト作戦事業を実施するなど、妊娠期からの歯と歯茎の健康づくりの推進に努めているところでございます。
今後ともこうした取り組みを通じまして、関係団体、それから市町村とも連携して、生まれてくるお子さんの歯の健康のためにも、妊婦の方に対して積極的に普及啓発を行っていきたいというふうに思っております。
質問者:吉田委員
県民歯の健康プラン、そしてその後、平成20年の4月に出ております県民歯の健康プランに基づく取り組みの現状と今後の方向についてという資料もいただいておるんですけれども、これの4ページを見ますと、さまざまな目標を出しているのでありますが、目標を既に達成したもの、目標達成が可能と思われるもの、このままでは目標達成が難しいと思われるもの、こういうふうにきちんと仕分けをして、そしてそれぞれについて対応していこうという県としての動きが見えておるわけであります。
特にその健康プランの中でも、やはり私は、子供に対して強化していくべきじゃないかというふうに思います。まず、ちょっと簡単な話になりますけれども、子供たちに対して虫歯予防対策を強化していく方法とすれば、歯がなくて困っている人の話を聞いたりとかということも一つの方法ではないかなというふうにも思います。
子供の虫歯予防対策について、取り組みの効果がどうなっているのか、部長にお聞きします。
回答者:飯田厚生部長
お答えをいたします。
先ほどからも申し上げているとおり、生涯にわたりまして丈夫な歯と歯茎を保つためには、やはり虫歯が特に生じやすい子供の時期の予防対策というのが重要ではないかというふうに思っています。
このため、歯の健康プランにおきまして、乳児から中学生までの子供の期間を重点ライフステージというふうに位置づけまして、教育・指導の強化、それから歯科健診の充実、予防措置の導入などの虫歯予防対策をいろいろと展開をさせていただいているところでございます。具体的に申しますと、市町村が実施いたします保育所、幼稚園、それから小中学校におきます歯科衛生士による歯科保健指導、それから妊婦歯科健診、乳歯むし歯予防事業への支援を行いますとともに、兄弟姉妹、それから親子等を対象としましたいい歯のコンクール等の普及啓発事業を実施しているところでございます。こうした取り組みの結果、本県におきます3歳児の虫歯──これは虫歯のない子供の割合というふうに考えていただきたいと思いますが、虫歯のない子供の割合は平成11年ですと57.8%であったものが、平成20年には73.1%となっておりますし、また、12歳児の1人当たりの虫歯の本数でございますけれども、平成11年は2.75本であったものが、平成20年には1.39本ということで、改善をいたしてきておるのかなというふうに思っております。
今後とも、委員の御提案のような講演会の開催といったようなものも含めまして、より効果的な普及啓発方法を検討しながら、引き続きこういった子供の虫歯予防対策に取り組んでまいりたいというふうに思っております。
質問者:吉田委員
小さいころの歯への対応といいますか、虫歯にならないための方策の1つに、フッ化物を塗布するということが一般に知られておるわけであります。これにつきましては、平成17年12月に田尻先輩がお聞きになっておられますので、そのことも勉強させていただきながらの質問になります。
私は、先ほど申し上げました3番目の子ができたものですから、先日、市役所のほうに名前を届けに行ってまいりました。(発言する者あり)名前ですか。名前は、ふうわといいます。届けましたときに、子育て応援券の支給がありますので申請してくださいという非常にうれしい話をいただいてまいりました。
私は、この子育て応援券がさまざまな展開をしていて、そして予防接種等にも使えるようになったということで、本当にすばらしいなと思っているんですけれども、今ほど申し上げましたように、歯というものがその子の人生に大きな影響を与える、そして、親として私たちがしてやるべきことの一つじゃないかなというふうにも思うわけであります。
そういう意味で、選択肢の一つとして、フッ化物の塗布についてこの子育て応援券を使えるようにしてはどうか、こういうふうに思うわけであります。部長の見解をお聞きします。
回答者:飯田厚生部長
お答えをいたします。
虫歯につきましては、歯の汚れ、飲食物の糖分、それから歯質の3つの要素が重なって発生するということで、虫歯予防には正しい歯磨き、糖分の適正な摂取、それからフッ化物の塗布等による歯の質の強化、この3つの予防法をあわせて行うというのが大切であるとされているところでございます。
県におきましては、このフッ化物塗布等の普及啓発を行っているところでございますが、今ほど御提案されましたフッ化物塗布を子育て応援券の対象サービスに追加してはどうかということでございますけれども、応援券につきましては、基本的な考え方ですが、子育て家庭の精神的、身体的、経済的負担の軽減を図るということとともに、地域におきます各種の保育サービス等の利用を促進しようといった目的で現在実施をいたしておりまして、こういう意味からしますと、応援券事業の本来の趣旨というものも少し踏まえさせていただいて、今後、利用者の方、それから関係団体、特に歯科医師会のほう、それから市町村等の実際の窓口の方々の意見もお聞きしながら検討していく必要があるのかなというふうに思っております。
質問者:吉田委員
部長、これは前向きな答弁だととらえていいんでしょうか。
といいますのは、話を戻しますけれども、今、経済的負担という言葉が出ました。フッ化物塗布につきましても、実はさまざまな応援があります。定期健診の中で、1歳6カ月ですとか、タイミングを見まして応援はあるんですけれども、やはり歯にきちんとしたフッ化物塗布を行うとなったときに、かなりの経費がかかっているのも事実でありますので、そういう意味で、応援券が使えると選択肢として幅が広がると。インフルエンザは確かに大変助かりますけれども、時期的なものや親としての判断という部分もありますし、最初1回だけでもそういうような形で背中を押してあげると、やっぱり行ったところで歯の重要性ということに気づく親も多いんじゃないかなと。そういうこともぜひ検討していただきたいというふうに思うところであります。
続きまして、教育現場においてであります。
歯の健康教育について、全体的なこともありますけれども、特にフッ化物洗口、今ほど出ましたフッ素関係のものを使ってきちんと歯を強化していこうという、このあたりについて具体的にどのように実施されていて、頻度、実施率などについて東野教育長にお聞きします。
回答者:東野教育長
委員お尋ねのフッ化物洗口でございますが、虫歯予防の一つといたしましては、家庭での歯磨き、糖分の適正な摂取とあわせて取り組むことが大変効果的であるとされております。
学校におきましては、保護者、学校歯科医、教職員の理解を得て取り組んでいるところでございます。富山県におけるむし歯予防のためのガイドラインというのがございますけれども、これに基づきまして、学校歯科医の指示のもとに、養護教諭が市販の洗口用の薬品を水で薄めた0.1%の溶液でございますけれども、5ccから10ccを児童生徒が口に含み、約1分間ぶくぶくしてはき出す。毎週一、二回程度口に含み洗口しているというのが現実でございます。
この結果、本県の小中学校における取り組みでございますけれども、最初の歯のプランができました平成8年3月に43校で13.6%でありましたものが、20年3月時点では103校、36.1%となっております。そういう状況でございます。
質問者:吉田委員
続きまして、6歳臼歯、この言葉を御存じでしょうか。
6歳臼歯というのは、6歳ごろになると生えてくるからということもありますし、歯の順番といたしまして、真ん中から数えて6番目に生えてくる。つまり乳歯の時にはなくて、永久歯になって初めて出てくる歯のことを6歳臼歯というわけであります。この歯が、歯の王様と言われるくらいに大切な歯だそうです。永久歯の中で一番かむ力が強いということ、それから上下の歯のかみ合わせを考えたときに基本になる歯だということで、本当に大切にしなくてはいけない歯であります。
ただ一方で、この歯というのは、乳歯が生え終わって、そしていつの間にか出てくるという歯でもあります。そして、その6歳臼歯が生え始めてから完全に生え終わるまでに1年から1年半ぐらいかかるという、非常に時間がかかって伸びてくる歯ということであります。そうすると、一番奥にあって歯磨きが難しく、その6歳臼歯が虫歯を持たずにということが非常に難しい部分もあるわけです。そういう意味から6歳臼歯を保護していこうという考え方になるのであります。この6歳臼歯の保護強化について、どのように取り組んでおられるのか、飯田厚生部長にお聞きします。
回答者:飯田厚生部長
お答えをいたします。
委員が御説明のとおり、6歳臼歯につきましては、永久歯の歯並び、それからかみ合わせの基本となる重要な歯ということでございまして、私の聞いたところでは、生え始めてから生え終わるまで6カ月から1年ぐらいかかるということで、どうも気づかないうちに虫歯になっていることが多い、そういった歯だというふうに聞いております。
このため、県におきましては、県民歯の健康プランに基づきまして、歯の健康の自己チェックシート、それからフッ化物洗口を推進するための啓発資料、それから洗口の手順を示しますパネルシートといったものを、すべての小学校と保育所、幼稚園に配布いたしまして、学校等で6歳臼歯の健康教育ができる環境を整備いたしているところでございます。
また、市町村のほうで実施をされます保育所、幼稚園、それから小学校での歯磨き指導、それからフッ化物洗口等に助成も行っているところでございます。
こうした取り組みによりまして、県内の6歳児の1人当たりの永久歯の虫歯の数ですけれども、平成12年の0.14本から平成20年には0.07本というところまで減少してきております。
県としましては、県民歯の健康プランの目標値が6歳児の1人当たりの永久歯虫歯ゼロというふうにしておりますので、このゼロに限りなく近づくよう、今後とも取り組んでまいりたいというふうに思っております。
質問者:吉田委員
ずっと歯のことについてお聞きしてまいりましたが、基本的に歯は食べるための一番大切な道具であるということにつながると思います。今、食育というものが大切にされているわけであります。食育を進めるに当たっても歯が基本と、このように考えると、さまざまな食育に皆さんの気持ちを向けるに当たっても、歯というものが実は非常によい取っかかりになると、こういうふうに思うわけであります。
また、子供の歯だけではなく、親も一緒に自分の歯の重要性についても気づくチャンスである、こういうふうに思うわけであります。ここを含めまして、子育て中の親に対して、食育という考え方でどう取り組んでいくのか、飯田厚生部長にお聞きします。
回答者:飯田厚生部長
お答えいたします。
子供の健全な発育にとりましては、朝食を欠かさないなどの基本的な食習慣の定着、それからバランスのとれた食事をとることが不可欠であると思いますが、そのほかにも家族そろって楽しい食事をとるとか、家庭を中心とした食育を地域社会で支援していくということが重要ではないかというふうに思っております。
このため県におきましては、子供、両親、祖父母の三世代を対象にいたしまして、食を通じてふれあい、望ましい食生活について学ぶ三世代ふれあいクッキングセミナーの開催でございますとか、厚生センターとか市町村との連携によります栄養指導の実施などによりまして、子育て中の親を対象として、正しい食生活習慣の確立とか食育の普及に取り組んでいるところでございます。
また、初めてお子さんを持つときが、親のほうにとりましても食生活を見直すよい機会であるという考えから、先ほども少し触れましたが、今年度新たに作成を進めております妊婦向けのマタニティ・サポート・ダイアリーということで、これは仮称でございますが、この中で食生活の重要性についても記載をさせていただいて、普及をしたいというふうに思っております。
県としましては、食生活改善推進連絡協議会、それから栄養士会等とも連携をいたしまして、子育て中の親を対象としました取り組みなどを引き続き積極的に推進してまいりたいというふうに思っております。
質問者:吉田委員
次は、信号と交通安全ということで、すべて斉藤警察本部長にお聞きいたします。
まず信号、特に自転車についての信号の認識ということをお聞きしたいわけであります。
交差点に立っておりますと、歩行者がいて、自転車があって、車があってという形になるんですけれども、自転車の方々が歩行者信号を見ているのか、それとも車の信号を見ているのか、これが運転している側でも非常にわかりづらいことがあって、そしてそのために毎度危険な状況が生まれていると、こういうふうにも考えるわけであります。
信号というものを、歩行者、自転車、そして車という三者すべてがきちっと共通理解を持たないと危険な状況が生じるのではないかと、こういうふうに思うわけであります。特に自転車の利用の指導を進めていらっしゃると思うんですが、近年の自転車事故の発生の状況をまず本部長にお聞きします。
回答者:斉藤警察本部長
自転車が当事者となる交通事故の状況でありますけれども、本年11月末現在で732件発生しています。死者が7人、負傷者が731人ということで、昨年同期に比べて105件、約14%減少しています。
その内訳としましては、対自動車の事故が725件、同じく自転車同士が4件、同じく対人が2件、自転車単独の事故が1件ということで、発生場所で見ますと、交差点それから交差点付近での発生が約75%あります。そのうち、信号機のある交差点等が約3割で、事故全体で見ますと約23%が信号機のある交差点での事故というようになっています。
質問者:吉田委員
信号の共通認識ということについてでありますが、最近大きな交差点が増えておりまして、信号は常に赤信号でありまして、そして青い矢印のみで交通をコントロールするという信号機が何カ所か増えております。
そういうふうに常に赤信号で、矢印でコントロールしなくてはいけない理由は何なのか、必要性は何なのか、そして、具体的どのような効果をねらっているのか、このことについて本部長にお聞きします。
回答者:斉藤警察本部長
今お話のありました赤色の灯火と矢印の信号表示の組み合わせで信号整理を行う信号機は、歩車分離式信号と言われるものの一つで、信号交差点での歩行者等の安全を確保するために設置しているものです。
これは、歩行者や自転車が信号交差点で道路を横断するときに、同じ方向に進む自動車が右折できないようにして、両者が相互に交差することのないように分離して、右折車と歩行者等との接触による事故の防止を図っているもので、県内には現在10交差点に設置しています。
設置による事故防止の効果については、この10交差点のうちデータが残っております16年以降に設置した8交差点での車と歩行者、または自転車との事故の件数を設置前後で比較しますと、設置前の1年間はこれらの交差点で5件の事故が発生していたのに対し、設置後は1件と大きく減少している状況にございます。
質問者:吉田委員
今、その矢印信号のことをおっしゃっていただきましたが、その中でも赤信号で右折矢印が出るものと、青信号なのに同じく右折矢印が出るという信号を、私は両方とも見たことがあります。これらについての違いは何でしょうか。
回答者:斉藤警察本部長
赤信号で右折の矢印を表示している場合というのは、直進や左折はできず、右折車両のみが進行できるということを示しています。これに対して、青信号で右折の矢印を表示するという信号機の運用は、本県では行ってはおりませんけれども、青信号というのは禁止規制がない限り直進及び右左折ができるということですから、右折の矢印があろうとなかろうと、信号表示の意味としては普通の青信号と同じということになります。
このような信号運用が一部の県で行われている趣旨について、本県の警察で承知しているものではありませんけれども、時差式信号機を設置している交差点でより多くの車を流すための措置とも聞いています。
この時差式信号機というのは、対面する信号機の一方の青信号の表示時間を長くして、対面する車が赤信号で停止した後に一定時間直進車と右折車を進行させるというもので、交通量の多いところで対向車をとめて右折車が横断できるという点で、右折矢印信号と同じ効果を持つことになります。
ただこの場合は、赤信号矢印と違って、対面する信号が赤になったかどうか必ずしもわからないということで、右折する車の発進が遅れるといったことがあります。このために、対面する信号が赤になると、その時点で矢印の表示を出してやって対向車は赤信号になっていますよということを運転手に教えて、右折する車が安全、円滑に流れるように配慮しているんだろうと思います。
しかしながら、申し上げましたように、信号機の意味自体は普通の青色表示と何ら異なるものではありませんで、設置している県もごく一部にとどまっておりまして、その数も少ないということで、現在設置しておられる県についても、順次普通の青信号に見直しをされる方針と伺っております。
質問者:吉田委員
今ほど、さまざまな信号についての情報をいただきました。
何よりも大切なことは、最初に申し上げましたが、やはり信号について共通の理解を持つということじゃないかと、こういうふうに思うわけであります。その大切さは、利用している者、特に車でありますけれども、それのみならず、子供たちなどの歩行者にもしっかりとこれらを理解してもらうということが事故につながらないという大切な考え方じゃないかと思います。ここについて、今後の取り組みを斉藤警察本部長にお聞きします。
回答者:斉藤警察本部長
交通ルールの中でも、信号を守るということは最も基本的で、また重要なものであり、警察としても街頭での指導取り締まりや更新時講習等の交通安全教育の場など、交通警察活動のあらゆる場を通じて、運転者はもとより、歩行者等に対する指導啓発に努めているところです。
ドライバーに対しては、6月定例会のこの委員会の場で、黄色信号でとまると後ろの運転手が怒る。黄色信号の意味を運転手が誤解しているんじゃないかという御指摘をいただきました。私も、この御指摘を受けて、改めて県下の実態を見まして、運転者の意識調査の必要性も感じましたことから、先般、更新時講習の機会に御協力をいただきまして、黄色信号の意味について三択方式でアンケートによる調査を実施いたしました。
そうしますと、4分の1の方が、黄色というのは赤色ではなく、青色と同じ進むことができるという意味だと誤解されていると。しかも、そのうちの7割の方が、赤になる前に交差点を通過できればよいと考えておられるという結果でした。つまり、黄色は言うまでもなく、赤色と同じとまれという意味ですが、とまるのと逆に、アクセルを吹かして通過すればよいと誤解されている方が、これは現に免許を持っておられる方の中にかなりの割合でおられるという結果であります。
この結果を受けて、私どもも指導啓発の必要性を再認識し、現在、更新時講習等の機会を利用して、改めて信号機の意味についての周知徹底に努めますとともに、違反する者に対しては、指導取り締まりにより信号遵守を徹底させてまいりたいと考えております。
また、歩行者や自転車利用者等に対しましても、関係機関、団体と連携をして、児童等に対しては発達段階に応じた体験型の交通安全教育、通学路における街頭指導、メール発信といった機会を通じて、交通信号を守ることの大切さについてわかりやすく教えておりますほか、高齢者に対しましても、交通安全いきいき教室などの各種講習の場や、自転車競技大会などを通じて、信号遵守についての理解を深めていただくための教育や啓発活動等を推進するなど、指導啓発に努めているところであり、県警察としては、今後とも事故の発生状況等を見据えつつ、県民に信号を守っていただくための広報啓発活動をしっかりと努めてまいりたいと考えております。
質問者:吉田委員
交通、特に車の運転につきましては、私たちが大阪に行くと運転が荒いなと思っていたのが、最近は富山のほうが荒くて、大阪から来た人が富山の運転は怖いと、そういう状況になっていると思います。交通について、私たちはもう一度信号ルールの重要性を見直すことが大切じゃないかというふうに思います。
どうもありがとうございました。