2008.03.12 : 平成20年2月予算特別委員会

質問者:吉田委員

 初めての予算特別委員会での質問であります。議員になりまして憧れの場所でもありました。一生懸命元気にやりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 先輩議員から教えていただきましたが、予算特別委員会というのは1問、2問を取り上げて、そのことについて深く追求していくのが格好いいスタイルだというふうにアドバイスをいただいたのではありますが、私なりに一生懸命勉強して、大きな質問を4つ用意してまいりましたが、自分の診断では大体15センチから30センチほど掘ったかなと、そういう質問ばかりでございますけれども、先に頭を丸めて反省してまいりましたので、御容赦いただきたいというふうに思っております。
 今回、私は4問の質問がありますけれども、大きなテーマといたしましては、「みんなで力を合わせて」ということをバックグラウンドといいますか、背景に置いた質問をさせていただきます。
 今議会でも大きく取り上げられております道路特定財源の問題ですとか、大きくは財源、そして私たちの大切な税をどのように使っていくかということが問われていると思います。私は自民党議員でもありますし、今回の道路特定財源につきましては、当然堅持するという立場を明らかにして、街頭でも頑張っておりますけれども、やはり根本のところというのは、皆様からお預かりして、社会をつくっていく税というものをどういうふうに使っていくかということを、きちんと今の機会にとらえて頑張って考えていかなくてはいけないんではないかと、そういうふうに思っております。そういう考えのもとで、今あるものを大切に使う、そしてむだなく意味のあるものをつくっていくということが基本の、もったいない、そういう考え方に基づいたいろいろな施策が行われるべきだというふうに私なりに考えておるところであります。
 問1でありますけれども、大きく公共建造物についてというくくりの中で質問させていただきます。
 今議会の開催前、2月26日でありますけれども、教育警務委員会で行政視察として、富山市のほうで新しく完成しました中央小学校──仮称でありますが、それから芝園小学校、中学校、これらの新しい学校につきまして視察に行ってまいったところであります。私自身も今回の視察でいろんなことを感じてまいりましたけれども、まず最初には、やはりこのようなまちなかにおいて学校の統廃合というものを行うに当たって、地域の皆様方が子供たちの教育のために、環境のためにやはり必要だからという思いの中で、自分たちの育った学校というものがなくなっていくという現実がつきまとうわけでありますから、そういうような負の反面がある中でも、やっぱりみんなで協力していこうという気持ちの中で統廃合が実現してきたこと、これは関係各位の方々に敬意を表したいと思うところであります。その中には当然、富山市長、富山市の職員の方々の御努力もあったものというふうに拝察いたします。
 きのうのニュースでも、清水町小学校のほうでは、これからの新しい小学校への通学ルートということで、関係の地元の方々が子供たちと協力して、安全・安心な通学、そして学校生活のために頑張っているというニュースもありました。みんなで頑張っていこうというのはすばらしいことではないかなというふうに考えておるところであります。
 今回の私の質問は、そういう努力があって、すばらしい一つの成果があらわれているところでありますけれども、私が今回視察した中で、率直に申し上げまして感じましたことは、でき上がった建物があまりにも華美といいますか、恵まれ過ぎているんじゃないかなと、これが私の率直な感想でありました。子供たちにいろんなものを与えて、そしてその中で育てていくという考え方には、私はどこかずれたものを感じます。物が足りない、そしていろいろなことの不便を感じる中で、物を大切にして、そして大事にしながら勉強をして育っていくという、これが基本の考え方ではないかというふうに思うところであります。今回の新しい学校につきましては、私は個人的には危惧されるところもあると思いますので、そういう部分も含めまして、ぜひ今後の活用については皆様に御努力いただきたいというふうに思うところであります。
 そして私が、華美だな、ちょっと大きくなり過ぎたなと思う原因の一つに、今回の2つの建造物でありますけれども、公共の建造物としてPFIという手法を導入したということが紹介されました。このPFIという手法は、例えば富山県のほうでは警察学校とか、そういうところでも採用した手法でありますが、全国的に採用する流れといいますか、定着してきておるところでありますけれども、いい面と悪い面とが採用した後で分析できる、そういう状況になってきているんじゃないかというふうに考えるところであります。
 PFIにつきましても、細かくいいますとBTOとかBOTとかVFMとか、横文字だらけで、ぱっと聞いてもわからない言葉で評価されてしまうところもあるんですが、例えばつくった側が、最終的に管理も含めて役割を果たしたところで所有権が移転していくというのがBOTといいまして、それからつくった段階で所有権を渡して、その後の管理についてはまた別の形でやっていく、そういうような方法もあるわけであります。VFMというのはバリュー・フォア・マネーということで、それだけ投資する価値があるかという評価をするわけでありますけれども、財政面が厳しい中において、有効性を出していくということばかりにとらわれて、公共建築物が持つべき本来の役割というところにおいて、もしかしたら、PFIという手法は根本的に弱い面を持っているのではないかということも私は感じておるところであります。
 今私がずらずらと申し述べましたけれども、PFIの導入について、現時点での県としての判断、そのあたりを藤木知事政策室長にお聞きいたします。

回答者:藤木知事政策室長

 まずPFIのメリットについて申し上げますと、PFIは民間事業者のノウハウを活用するということで、質が高くかつ低コストの公共サービスが調達できると。それから2番目に、必要な資金調達については民間事業者が行うということで、財政支出が平準化されるといったような効果があって、効率的な財政運営に資するという利点があります。また、こうしたサービスを民間に任せるということで、新しい民間の事業機会ということにもつながっていくというようなメリットがあるということでございます。
 一方で、デメリットといいますか、課題ということでございますが、まず事業者側に関しましては、事業計画書の作成や資金調達、それも長期にわたるものが必要ということでございますので、大変高度な専門知識が必要でございまして、おのずからノウハウのある大手企業などに限定されてしまいがちになるということ。それから2番目に、手続にどうしても時間がかかってしまう。そのため、早急な整備が必要な事業には向かないといった点があります。それから3番目に、発注する役所などにおきまして、やはり財務とか法務とか、こういった専門的な要素をきちんと詰めなければならない。あるいは建物にしても事務のサービスにしても、どういった要求水準を求めるのかといったことについてある程度詰めておかねばならないという事務コストの問題もあって、ある程度の規模の事業でないと費用対効果がうまく出てこないといったような問題があるというふうに認識しております。
 県におきましても、これまでも、こうしたメリットあるいは課題という点を比較考慮して、事業実施の可否を検討してきたところでございますが、PFIの導入に当たっては、そもそも事業の性格上民間の知恵とか工夫を生かす余地がある事業なのかどうか、また財政面からどういう有効性があるのか、対象の適合性といったようなことについて判断をした上で、より少ない投資で、より質の高いサービスを提供するという観点から判断していきたいというふうに考えております。

質問者:吉田委員

 そこで、小学校を見たときに、中のほうも見せていただいたんですけれども、もう一つ感じましたことは、今県のほうで県産材の有効活用ということを、ここずっと強く言ってきていると思うんですが、今回私が見たところでは、上手に使っている場所が少なかったのではないかなというふうに思っております。県が積極的に進めていく事業の中で、公共建造物というのは一般の人にとっては一番アピールしやすいところでありましょうし、積極的に進めていただきたいというふうに考えるのでありますが、県産材の利用について、現時点での利用実績、それから今後市町村なども含め、それから県庁内の部署においても、いろんなイベントにおいてPR活動なり、営業活動なり、そういうものが必要だと思うんですけれども、このあたりにつきまして寺林農林水産部長にお聞きします。

回答者:寺林農林水産部長

 過去10年間の主な県産材の利用状況を見ますと、県有施設では富山中央署山室交番、木材試験場木質製品開発試験棟、有峰ハウス、中央植物園多目的小ホールなど7施設であり、現在整備中の富山県女性相談センターについては、構造材だけではなく、内装材、外装材にも県産材が使用されることとなっております。
 また、市町村施設では魚津市上中島多目的交流施設魚津もくもくホール、それから富山市むろの里ふれあい館など8市町16施設であり、地域の交流拠点施設や健康増進施設などとして広く整備されております。
 さらに、県産材の利用促進を図るため、県庁内の関係課と国の機関で構成する富山県木材利用推進連絡会議を開催しまして、県及び国が実施する事業、それから調達備品などにおける県産材利用を進めること、また水と緑の森づくり税を活用しまして、公共施設や公共交通機関へ県産材ベンチを設置すること、あるいは公共施設などの内装木質化への支援を図ることなどに取り組んでおります。県産材の普及PRに努めているところでございます。
 今後とも、公共建造物の県産材を使った整備につきまして、循環型社会の構築や森づくりにつながることでもあり、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。

質問者:吉田委員

 それでは、公共建築物の次のところでありますけれども、富山大橋を取り上げてみたいと思います。
 今議会におきまして、予算の面でもありますけれども、下部工事のほうは大体めどが立っておって、そして上部工についての予算案が出ておりました。私自身、一部完成している橋脚ですとか、そういうものを見ましたところ、やっぱり隣の富山大橋が小さく感じるくらいに、構造物としてはかなり大きなものが計画されているのではないかなと感じるものであります。大きなものができるときは、それだけ大きないろいろなメリットや、そういうものが考えられているというのが正しいやり方であって、そして今問題になっている道路特定財源でありますけれども、それはやっぱりこれだけの必要性があるからつくるんだということをきちんと訴えていくことも大事じゃないかなというふうに思っております。
 富山大橋という今格好の題材がありますので、この橋をなぜ今新しくかけかえなくてはいけないのかということを、公共交通の支援ということ、特に富山市はコンパクトシティーということを打ち上げておりまして、そしてそのことについて県としても力強く支援していくと、そういうことを言っておるところでもありますので、このあたりも含めまして、この新しい橋の機能、それからどのような規模の橋になるか、このあたりについてもう一度、この場で確認したいというふうに思います。埴生土木部長にお聞きいたします。

回答者:埴生土木部長

 お答えいたします。
 富山大橋は、中心市街地にアクセスする県道富山高岡線の神通川を横断する橋でございまして、日交通量が約3万台に及ぶということでございまして、現在2車線道路のために日常的な交通渋滞が発生しているというふうなことがございます。また、昭和11年の供用以来、約70年が経過いたしまして大変老朽化が著しいということもございまして、平成18年にかけかえ工事に着手して、現在、鋭意進めているところでございます。
 新しい富山大橋につきましては、今ほど申しました、交通渋滞を緩和するということで車道を4車線化すると。それから安全で快適な歩行者空間を確保するということで、歩道幅員を現在の2メートルから4.5メートルに広げるということ。それから公共交通の利便性の向上を図るということで、現在路面電車が単線でございますが、これを複線化するということにしておりまして、橋の長さにつきましては現橋と同様の466メートルでございますが、幅員につきましては現橋の約2倍の30.5メートルとなる設計としているところでございます。

質問者:吉田委員

 今ほど土木部長からお答えいただきましたけれども、特に目を引くというか、橋の幅が2倍になるというのは、橋単体をとりましても使い道も多くできてくるでありましょうし、それからこの橋につきましては、私が聞いたところでは、昔連隊橋と言われておったそうで、また、神通川というものが富山市のまちづくりにおいて本当に大きな役割を果たしてきている。それから神通川の歴史をたどりましたら、舟橋という橋についてもすばらしい歴史なり、全国に誇るべきものがあると思うんです。
 こういうような歴史とか、それから富山のまちづくりに貢献してきたこの富山大橋というものをぜひ有効活用していただきたい。この橋というのはまちのシンボルになり得ると思うんです。このような考え方を計画の中に反映していただいていると思うんですけれども、このあたりについてもう少し御説明いただきたいと思います。

回答者:埴生土木部長

 富山大橋は県民、市民の大変愛着の強い橋でございまして、その計画に当たりましては、橋梁や景観の専門家から成ります富山大橋計画検討委員会──これは平成10年度から11年度にかけて行いましたが、そういったものを設けまして、そしてまたそこに市とか地元の代表の方にも参加をいただきまして、幅広い観点から検討を行ってまいりました。この検討をもとに、「これまでの歴史の重みを踏まえ、これからも地域のシンボルでありつづける橋づくり」の基本理念のもとで、まずは立山連峰への眺望を阻害しないということ、それからこれからも県民、市民に愛されるということ、親しまれ、人がたまれる場所になるというふうなことを基本方針として計画を進めているところでございます。
 具体的には、道路照明や路面電車の架線が一体となったセンターポール方式をとりまして、橋上の阻害物を少なくするということ。それから県民に親しまれている現橋の面影を残した橋げたのデザインにするということ。それから立山連峰や神通川の川面を眺めることができるバルコニーやポケットパークなども配置するというふうなことにしておりまして、今後も県民、市民に愛され、親しまれ、またまちのシンボルになりますように、細部にもいろんな配慮をして工事を進めてまいりたいと考えております。

質問者:吉田委員

 富山大橋につきましては、市民にとりましても県民にとりましても、水というものと親水性ということを考えたときにも、橋があって、川が私たちの生活から切り離されるのではなくて、川との親しみとか、そういう面においてもいろいろ考え得ることがあると思います。そういう面での環境整備とかというものも含めて、橋の大切さということを考えながら、また進めていただきたいというふうに考えます。
 公共建造物の次でありますけれども、今回の議会の中で、消防学校・防災拠点施設につきまして、候補地が決定したというニュースがありました。先輩議員もたくさん質問されておるところではありますけれども、私自身も地域の消防団員の一人として、やはりそのような設備ができ上がってくるということは本当に期待できるものでありますし、それから地域に住んでおりますと、消防団の活動だけではなくて、県が一生懸命取り組んでいる地域の自主防災組織が少しずつ形になりつつあるということを感じます。この自主防災組織については、やはり地域の理解ある方々が一生懸命今のできる環境の中で取り組んでいらっしゃるということを強く感じるのでありますけれども、こういうものは大切なんだよということを疑似体験してもらうというのは、私は非常に大切な考え方ではないかと思うんです。例えば地震を体感するというのは、車を使って小学校とかでやったりしているのがありますけれども、先般、消防議連で福井のほうの防災施設を見学に行きましたときに、そちらのほうでは疑似体験をする、それから地域での過去の被害状況ですとか、そういうものを忘れずに、そして自分たちの身についたものとするという、そのための設備というものが設置されているのは、これはいいものだなと私は感じてまいりました。
 今回、消防学校・防災拠点施設を新設するということでありますけれども、これに当たりましていろいろな検討がなされて、そして私の考えでありますが、これからいろいろな物をつくっていくときに、構造物をつくること自体が非常に厳しい時代になっていくんじゃないかなと思っています。つくるからには単一の目的ではなくて、一石二鳥だけじゃなく、一つ石を投げたときに、いろんな方面でこれは役立っているんだよということが、やはり多機能な設備を整えていく上で周りからの応援にもなるというふうに思います。
 そういう観点で、この消防学校をどのように今後進めていく考えなのか。私は特に新しい施設に学習体験機能とか見学機能とか、そういうものが付加されればいいというふうに考えておりますが、このあたりについてどのようにお考えか、藤木知事政策室長にお聞きします。

回答者:藤木知事政策室長

 研修・学習機能といたしましては、昨年1月の検討会の報告におきまして、地域の防災力を強化し、大規模災害時の被害軽減を図るためには、小中学生を含めた一般県民が防災意識の高揚と自己啓発に取り組めるような教育・学習機能の提供について考慮する必要があるという報告をいただいているところでございます。
 県としましては、現在、消防学校と防災拠点施設を一体的に整備する基本計画の策定に取り組んでおりますが、この中で、防災拠点施設については臨時へリポートでございますとか備蓄倉庫など、こういったものの内容や規模を検討するとともに、自主防災組織など防災関係者の研修、訓練や、県民向けの啓発、学習のための事業の内容と、そのための機能をできるだけ消防学校施設の活用を図りながら、また他県の先行施設なども参考にして具体的に検討しているところであります。
 県民の防災意識・技術の向上を図るという観点から、消防学校施設の機能や活用について検討するとともに、防災拠点施設について県民や子供たちが災害の体験学習ができる機能、備蓄、輸送拠点、応援部隊の受け入れ機能などの多面的な機能があるわけでございますが、こういったものについて施設の基本計画の中にしっかり盛り込むよう検討を進めてまいりたいと思っております。

質問者:吉田委員

 ありがとうございます。
 1問目に当たりまして、今、現時点での公共建造物の再確認と今後のあり方というものを少し私なりに提案させていただいたという気持ちでありますが、特にこれからつくっていくものにつきましては、やはり設計とかデザインとか機能とか建設手法とか、特に環境では地球温暖化ということが言われている中において、一つの事業をやるときに、いろいろな面からアセスメントを行う姿勢というのは本当に大切なことではないかというふうに思います。
 今回の新しい学校ができるに当たりましても、先ほど寺林部長に御答弁いただきましたが、例えば県産材を何とか上手に使っていく方法がないのか、あるいはそのデザイン全体を考えたときに、これがデザインとして一つの観光拠点になったりとか、そういう時代であります。デザインが好きな人は、そのデザインを見るためだけにわざわざ富山に訪れるという時代でありますので、ぜひ、一つのことをやるときに、いろいろな面から効果が期待できるのではないかということを、プロジェクトチーム的な考え方で県庁内でも進めていただきたいと私は考えておるところであります。
 こういう建設手法とか環境配慮とかというような、実際につくるに当たっての考え方、これを埴生土木部長にいま一度お聞きいたします。

回答者:埴生土木部長

 公共建造物は、一般的に規模が大きく、長期間、多数の人が使うことなどから、その建設に当たりましては施設の機能性、安全性はもとより、地域の自然、歴史、文化の反映、環境との調和などに配慮し、人々に親しまれ、地域の誇りとなるように努めなければならないというふうに考えております。
 これまでも、例えば富立大橋では立山連峰や常願寺川の景観に配慮し、橋の色やデザインなどを決めたこと、それから富山市石金地内の街路事業では電線類の地中化や街路灯の設置など、安全で良好な歩行空間を形成したこと、富岩運河環水公園では運河の旧舟だまりを再生し、都市の貴重な水辺空間として活用したことなど、さまざまな施設において取り組んできておるところであります。さらに、昨年10月に着工した富山西署につきましても、周辺住宅地の景観に配慮し、シンプルで機能的なデザインとなるよう、建築や植栽等の設計を行い、整備を進めているところでございます。
 それから県産材につきましては、これまで有峰ハウスの新築工事、この3月に着工する女性相談センターなどに活用するとともに、アルミ製品とか鋳物のパネルなど、地場産品を橋梁の防護柵などに積極的に使用しているところでございます。
 景観づくりの体制というふうなことでは、景観条例をつくりました後、土木部内でもチームをつくりまして、新たに着工する土木施設等重要なものについては、そこで内部的に十分協議検討しているということでございます。
 いずれにいたしましても、委員御指摘のとおり、これからの公共事業の実施に当たりましては、地域の特性に十分配慮しまして、周辺環境との調和、自然環境への配慮というふうなことなど、さまざまな視点から取り組んでまいりたいと考えております。

質問者:吉田委員

 ありがとうございます。
 力強い御答弁だと思うんですが、今土木部の部内でとおっしゃいましたけれども、これから特に観光とか、そういうものにもつながっていくことでもありますので、ぜひいろいろなところからの意見を幅広く取り入れていただきたいというふうに考えるところであります。何におきましても、県の施設というものは一つの宣伝塔だと思うんです。そういう位置づけをぜひしっかりと出していただきたいというふうに考えます。
 それでは、大きな2問目のほうに移らせていただきます。ホームページについてということで質問いたします。
 午前中、先輩の山本議員のほうからも観光に関するところでホームページの御質問がありました。私自身、自民党の若手の議員の中ではきってのアナログ派でありまして、ホームページについて質問していいのかなという気持ちでありますが、私が質問する意味というのは、そういう素人ですとか、それからデジタル的なものについて得意でない人も、やはりいや応なしに今の時代はホームページとかに頼らないと情報がとれない、そこにしか情報がないとか、そういう時代になってきているのを強く感じます。
 そういう意味で、ホームページにおいてもホームページ環境、あるいはそういうデジタル的な情報の提供の場において、県として一番追求していただきたいのは、わかりやすさということ、これを一番基本においていただきたいというふうに考えるところであります。
 今回の質問に当たりまして、私も県のホームページといいますか、県が中心となって行っているホームページ管理、それからいろいろな各部署でつくっているホームページというものを自分なりにいろいろ見たんでありますけれども、このときに思いましたのは、ホームページの使い方として、1つは自分が何かを知りたい、このことについて深く知りたいと思ったとき、目的がはっきりしていて、そのことをいかに早く、そしていろいろな角度からの情報にたどり着くかという考え方。もう1つは、先ほど山本議員もおっしゃいましたけれども、あまり用はないんだけれども、何かないかなという買い物気分でホームページに来るお客さんというか、そういう人たちも、一方でかなりおるわけであります。そういう二面性を両方の面から考えて、ホームページの構築、デジタル情報の開示というものは必要でないかなというふうに私は考えております。
 そういう2つの考え方で見たときに、私はどちらの面でも、今の県のホームページというのは、特にまずスタートする段階のトップページにおいてわかりやすさが足りないんじゃないか、もう少し努力の必要があるんじゃないかなというふうに個人的には感じました。そのあたりにつきまして藤木知事政策室長に、現時点での把握、それから今後の改良についてお聞きいたしたいと思います。お願いいたします。

回答者:藤木知事政策室長

 お答え申し上げます。
 県のホームページにつきましては平成7年に開設いたしまして、平成17年4月にリニューアルしたものでございます。そのリニューアルの際には、利用者が目的の情報に素早くたどり着け、また障害者や高齢者などだれでも利用できるよう情報の標準化やデザインの統一などを行って、トップページについてもバナーなどを少なくして見やすくする、また、簡潔な見出し文でホームページの中の詳しい情報に誘導できるような画面構成にするというような工夫を凝らしたところでございます。
 また、内容面に関しましても、本県の統計情報をわかりやすく紹介したとやま統計ワールド、それから週1回メールマガジン形式で県内の新しい情報をお伝えするトヤマ・ジャスト・ナウなど、コンテンツの充実を図ってまいりました。また、本年の4月からは新たに、県政の動きや県政番組を動画で配信するとやまムービーチャンネルを開設するといったような工夫も重ねてきているところでございます。さまざまな工夫はしてきているところでございますが、おっしゃるように、なかなか足りない部分もあるということでございます。
 県のホームページに関しまして、一義的には県政情報をわかりやすく的確に提供するということが大きな使命でございますが、委員御指摘のとおり、特に目的意識なく立ち寄られたというような方にも興味を持っていただくということも重要なことだろうというふうに思っております。
 20年度に観光ホームページのリニューアルということも予定しております。こちらのほうでの、例えばイベント情報へのリンクの張り方など、いろいろな工夫の仕方があろうかと思います。また、トップページの表示内容、表示方法なども工夫しまして、より魅力的で使いやすいホームページとなるよう、今後とも努力を続けていきたいと思っております。

質問者:吉田委員

 県のホームページにつきましては、私自身も今回実際に見た中におきまして、コンテンツと部長がおっしゃいましたけれども、確かに各部署において行われている、例えば水の王国とやまですとか、それから県政のジャスト・ナウのページですとか、それから部署、部署でつくっておられるホームページ、それからもう1つ紹介したいのは、季節柄これからチューリップが咲きますけれども、チューリップについても本当にすばらしいコンテンツを持ったホームページとかというものをつくっておられるんです。私はそのことについて高く評価したいし、ありがたいなということを申し上げたい。
 ただ問題は、そういういろいろ努力なさっているホームページ、コンテンツのところになかなかたどり着かないと。特にそれが必要ない人は全く知ることがなく終わってしまうという、このあたりのつなぎの部分が今一番弱いんじゃないかなという意味で質問させていただきました。ぜひこのあたりについて、また改善いただきたいというふうに考えるところであります。
 それからホームページを見ていますと──ホームページだけじゃないんですけれども、基本的に、今の時代において何かを企画すると必ずキャッチフレーズとか、それからロゴマークとかデザインとか、そういうようなものをつくってPRしていこうという時代でありますけれども、県においてもいろいろ何かやっていくときに、この3点セットをつくってこられたと思います。近いところでは子育て応援団のときのピンクの応援団のロゴマークですね。ああいうものですとか、「くらしたい国、富山」ですとか、それから今回見てびっくりしましたけども、水の王国とやまのほうにはH2Oというかわいらしいキャラクターというのもあったりしまして、いろいろそういうものがあるんですね。
 そのロゴマークとかマスコットキャラクターとか、そういうものにとても興味を持って取っかかりになる人たちも県民にはいらっしゃると思います。私もそういうのが好きな人間の一人でもありますけれども。何のことかわからずに消えていくとか、このロゴマークってどんな意味なのかということがわからない場合が多いと思うんですが、せめてホームページの中ぐらいでは、こういういろいろなロゴマーク、キャッチフレーズ、そして事業の大きな枠とか、そういうのがパッとわかるようなページというのもあってもいいんじゃないか。また、ホームページというのは、そういうものをPRするのには使いやすい素材ではないかなというふうに考えます。このあたりについてどのようにお考えか、引き続き知事政策室長にお聞きいたします。

回答者:藤木知事政策室長

 ただいま委員から御紹介いただきましたように、それぞれの事業でロゴマーク、シンボルマーク、あるいはマスコットキャラクターということで活用しているところでございます。県の広報誌とか封筒、あるいは名刺に使うなど、それぞれの事業のPRということで使っているわけでございます。ホームページの中でも、これらのマークはそれぞれの事業のページでは解説しているわけでありますが、委員御指摘のように、マークを見てすぐパッとその意味が出てくるというような状況になっていないわけでございます。
 御提案も踏まえまして、今後、県が使っておりますロゴマークとかシンボルマークが一覧できて、そのページから各事業のページにつながっていくというようなページを間に設けるといったような工夫をして、マーク等のPRが一層図られるような工夫を検討していきたいというふうに考えております。

質問者:吉田委員

 ありがとうございます。
 それでは、引き続きホームページのことでありますが、観光ホームページをリニューアルされるということをお聞きいたしております。観光というと、基本的には県外の人が対象というふうな感覚ではありますけれども、富山県が持っている観光資産というものを考えましたときに、実際に、富山県にいてチューリップフェアにみんな行っているのか、それからホタルイカの時期にそれを見たことがあるのか、蜃気楼なんていうのは本当に見たことがある人というのは限られると思うんですね。そういうことからいうと、観光立県、観光立県といいますが、本当に観光が力強い県になるためには、まず県民が、自分たちの持っている財産というものをきちんと体験する、そしてそのことを自信を持って訴えていくというのが正しい進め方だと思っているところであります。
 そういう意味におきまして、県内のイベント情報、例えば富山県というのは四季折々、本当に祭りが多いですし、それから知事も一生懸命進めておられますけれども、芸術文化の部分においても新しい試みというのはいろいろ行われているわけであります。まずは県民にぜひそういうものを知っていただくチャンス、そして体験していただくということをホームページを使いながら訴えていければいいのではないかなというふうに思っておりますけれども、これにつきましてどのようにお考えか、斉藤商工労働部長にお聞きいたします。

回答者:斉藤商工労働部長

 全く委員御指摘のとおりだと思っております。今回の観光ホームページのリニューアルに当たりましては、県外への情報発信、PRの強化という面だけでなくて、県民の皆様に対しましても、本県の観光資源や祭り、イベントの情報を提供し、その魅力を再認識してもらうということ、それによりまして、県内における交流人口の拡大を図るという観点からも、提供いたします情報内容を検討してまいりたいと考えております。
 検討委員会におきまして、そうした観点からも幅広い皆様の御意見、御提言を十分お聞きしながら、内容検討、制作作業を進め、県民の皆様にとっても魅力的かつ使い勝手のよいホームページとなるように努力してまいりたいと思っております。

質問者:吉田委員

 ホームページの最後に質問いたしますのは、少し具体的になるんでありますが、県の美術関係のところでありますけれども、近代美術館、それからいつも言っております水墨美術館、その大きな2つを筆頭に富山県内にはいろいろな、美術館めぐりが1日、2日でできるくらいの施設もありますし、それから内容も充実したものを、企画にしても行っていると思うんです。そこに県民の皆さんが参加している状況が少ないとか、そういうのは本当に寂しいなと思います。
 いろんな情報をもっともっと発信して、そして見ていただいて、そこからまたいいものにしていこうという盛り上がりの部分、こういうようなことをしていくために、2つの美術館を申し上げましたけれども、例えば富山市においてはミュージアムバスというものも、富山市中心でありますけれども動いております。そういうようなものについていろいろPRしていくとか、ホームページの中でも、2つの美術館同士がお互い共同していろんなものを進めているんだよというようなものが感じられるように、ぜひホームページの運営の面でも、それから美術館の実際の運営の面でも進めていただきたいなというふうに感じます。このあたりについてぜひ改善をお願いしたいんですけれども、林生活環境文化部長にお聞きいたします。

回答者:林生活環境文化部長

 近代美術館とか水墨美術館のホームページは、例えば開催中の展覧会でありますとか、各種講座の案内、近代美術館のリニューアルなど、各美術館の最新情報をわかりやすく提供する、そういったことを中心に掲載しているところであります。
 一方、県内の美術館などの情報につきましては、富山県博物館協会のホームページにおきまして、ジャンル別でありますとか、県内4地区のマップ別に検索できるようにするなど、多様な情報提供に努めているところであります。
 委員御指摘のように、近代美術館、水墨美術館のホームページ上におきまして他の県内美術館との連携を図る、こういったことは非常に大切であると思っております。そのため、両美術館のトップページから、先ほど申し上げました県博物館協会のホームページの県内美術館の情報により簡単にアクセスできるようにするということとか、御指摘のありました富山市内の美術館等を巡回するミュージアムバスの利用方法等につきましてもよりわかりやすく掲載するなど、両美術館のホームページを早急に改善していきたいというふうに思っております。

質問者:吉田委員

 ありがとうございます。
 ホームページの質問につきましては順次改善していくという各部長さんからの力強いお返事をいただきまして、本当にありがたいなと思っております。
 それでは、問3でありますけれども、LOHASについてということで、初めて議員にさせていただいてから、私の質問の時には常にLOHASの要素を含めた質問をと自分の中で思っておりまして、LOHAS──ライフスタイルズ・オブ・ヘルス・アンド・サスティナビリティーということで、私たちの持続可能な、健康で、そして意義のある生活を実現していくためにという考え方は、チーム・マイナス6%という形であらわしている、今問題になっております環境問題──環境問題というと、ついつい自分たち人間以外の周りのことというふうに考えそうでありますが、基本は、私たちも環境の中に生きている一員でありまして、そこがおかしくなると自分たちもおかしくなっていくという、このことをついつい忘れがちで、その問題についても切迫感というのが欠けているなというふうに思います。
 地球温暖化という言葉で表現されておりますのは、調べたところ、英語ではクライメートチェンジといいまして、気象変動、地球規模での大きな気象が変わってきていると。それは生物すべてにかかわることであって、温暖化というと、何かあったかくなっていいんじゃないかと勘違いする人もいるんですけれども、私は日本語訳とすれば、温暖化というよりは過暖化なり、危険な温暖化とか、そういうようなもう少し危機感をあおる言葉であればよかったのになというふうに思っております。
 どちらにしても、この地球温暖化の問題というものについて大切なことは、地球規模で物事が起こっているんでありますけれども、その対応策というのは、なぜか私たちの生活に密着した、そして私たち一人一人が変えていくことでしか解決できないという、これが本当にこの問題の難しいところであり、またやりがいのあるところではないかなというふうに思います。
 今回、私がLOHASの質問で取り上げますのは、この4月より富山県内のスーパーにおいてレジ袋の無料配布をやめるという一つのアクションが県主導で行われました。私は県が果たした役割というのはすばらしいなと思っております。何といっても、何もしないよりは一歩一歩何かしていこうという、これがLOHASの考え方においても、私たちのこれからの社会においても大切なことであって、例えばレジ袋だけじゃなくてマイはし運動をいうのをやっていらっしゃる方もおられます。「マイはしにして何がいいんだ、全く意味がないよ」、そういうふうに言われるんですけれども、でも、そうじゃないんですね。一つのことを実行していくと、それだけじゃなくて、いろんなことについて自分は意識していくというふうになると思います。
 私は、こんな生意気なことを言っておりますが、きょうはたまたま県庁のノーマイカーデーでありましたので、自転車でまいりました。一番県庁に近い議員であるのでということでありますが、月2日と言われたから月2日やっていますよというだけじゃなくて、そういうものを自分で少しずつ増やしていくというのが大切だなというふうに──こうしゃべっておりますのは自分にプレッシャーをかけて、また……(発言する者あり)「メタボ対策もある」という言葉をいただきましたけれども、車に乗らないで毎日を過ごしてみるというのは、本当にいろんな発見があります。春めいておりますし、いろいろなことに感謝する時間もとれるというふうに思いますので、ぜひ皆様も進めていただきたいと思うところであります。
 レジ袋に戻りますけれども、レジ袋の無料配布取りやめについての取り組みはいろいろ苦労なさったと思います。そして消費者側、それを使っている販売者側、どちらも努力なさってこういう基本的な合意になったと思うんですが、このあたりについて知事の御苦労、また経緯をお話しいただきたいなと思います。

回答者:石井知事

 かねてから委員はLOHASに大変御熱心で、ありがたいと思います。自転車で県議会にも御登庁されているということで、私も昨年からなるべく歩いて県庁に来ようと努力をいたしております。
 今のレジ袋の無料配布の問題ですけれども、地球温暖化問題は待ったなしということなものですから、昨年の6月に、事業者や消費者団体の皆さんに入ってもらって協議会もつくって、ことし4月から、いよいよレジ袋無料配布の取りやめということになっているわけであります。
 この無料配布を取りやめますと、市町村単位あるいは個別の企業とかでやった例はあるんですけれども、先行事例ではマイバッグの持参率が80%を超えるようになったと言われていますので、大きな効果があるんじゃないか。また、今お話がありましたように、マイバッグを持って行くといったようなことを定着させることで、県民の皆さんが、やっぱりできるだけ環境にやさしい生活スタイルにしていこうというふうな意識の変革といいますか、きっかけづくりになるんじゃないかということを期待しているわけでございます。
 こうした富山県の取り組みは、県単位の取り組みは全国初ということでありまして、おかげで随分大きな反響がありました。山梨県とか沖縄県でも、ぜひ富山県に続いてやろうやという動きになっていると伺っております。
 県としては、やっぱりせっかくスーパー側も大きな決断をされた、また、消費者団体にもその背中を押していただいたというようなことで合意ができましたので、やっぱり私どもがやることは、無料配布の取りやめが円滑に、混乱なく実施されるということであろう、こういうふうに思いまして、県内4カ所でシンポジウムも既に開催してまいりましたし、またチラシを130万枚刷りまして全戸配布をする、あるいは4月1日のキックオフのときにはまた店頭で配る、あるいはテレビ、ラジオ、新聞等を活用した広報にもっと力を入れるというようなことでやっております。
 また、環境とやま県民会議というのがございますが、こちらと連携をいたしまして、ノーレジ袋県民大運動ということでやっていこうと思いまして、4月1日はキックオフ宣言ですけれども、消費者団体と行政で店頭で啓発活動をやる。
 また、環境とやま県民会議は117の構成団体がありますので、この4月の一月を率先してマイバッグを使用するノーレジ袋率先行動というのをやろうと。
 また、できればこれを少し楽しみながらやりたいということで、児童生徒の皆さんから大人の方まで参加できるような部門別のマイバッグ・デザインコンテストというのをやろうじゃないかというようなことで、環境保全の運動というのをまなじりを決して一生懸命やるというのも大事なんですが、少し楽しみの要素も入れながら努力してまいりたいと思います。ぜひ委員におかれましても御支援を賜りたいと思います。

質問者:吉田委員

 ありがとうございます。
 知事のほうからマイバッグという言葉が出ましたけれども、レジ袋にかえてマイバッグにしていくと。そのときに、マイバッグはどんなものがいいのかなと、ここも本当は考えていけばいいと思うんです。レジ袋の削減効果のところで御紹介のあったチラシを見ていますと、せっかく大きな量の石油エネルギーの節約ができるぞと言っているのに、片方でレジ袋のかわりのマイバッグが完全に石油製品じゃないのかとか、何回もつんだろうか、そういうものも一方で見受けられるんですね。これだと本末転倒で、せっかくの心意気に水を差すものになりかねないと思うんです。ですから、こういう第一歩目を高く評価しつつも、これからいろんなところで本来の目的は何なのかというところを、知事がおっしゃった楽しみながらというのは私も大賛成でありますので、そういう姿勢の中で自然に身についていく、そういうところに持っていければなと、私も努力したいなというふうに思います。
 レジ袋の無料配布をやめるというこのアクションでありますけれども、これはとやまエコライフ・アクト10宣言の中にもうたわれているところであります。「無駄なレジ袋は断ろう」、レジ袋いらんちゃというものでありますけれども、とやまエコライフ・アクト10宣言がおととしの夏にスタートしておると思うんですけれども、これにつながっているんだよと、レジ袋だけじゃなくて、エコライフというものをアピールするためのいい機会にもなると思います。
 このエコライフ・アクト10宣言というのは、実際、今現時点でどうなっているのか。ことしの冬において何か試みがあったのか。そのあたりも気になるところでありますので、宣言についての現時点での効果、評価について林生活環境文化部長にお聞きいたします。

回答者:林生活環境文化部長

 県では、18年度から県民に地球温暖化対策への取り組みの必要性を理解してもらい、身の周りの環境に優しい10項目の行動の実践を呼びかけます、とやまエコライフ・アクト10宣言キャンペーンを展開しているところであります。この取り組みにおきましては、これまでに目標を大きく上回りまして、2月末現在で7万4,000人余りの方々に宣言をいただいておりまして、人口比から見ましても、全国の平均を恐らく大きく上回っているんじゃないかというふうに思っております。そういったことから、県民の温暖化に対します意識とか関心が、こういったようなキャンペーンを通じまして着実に高まってきているんではないかというふうに考えております。
 この10項目の行動の中に、今ほど委員から御紹介がありましたとおり、「無駄なレジ袋は断ろう」といったことも盛り込まれております。また、レジ袋の削減は、環境にやさしい生活スタイルのシンボルということで、知事からも話がありましたように、多方面の反響を呼んでいるというようなこともあります。
 県といたしましては、4月からのレジ袋無料配布の取りやめというのは、アクト10宣言をアピールする大変よい機会であるというふうに、委員御指摘のとおりとらえております。
 そういったことで、マイバッグの持参とともに、アクト10宣言の取り組みにつきましても、より一層県民に理解と協力を呼びかけていきたいというふうに考えております。
 そのために、具体的には、レジ袋の無料配布の取りやめを実施いたします116の店舗に依頼いたしまして、宣言の用紙を配布するということ、それから4月からのノーレジ袋率先行動とあわせまして、環境とやま県民会議を構成いたします117の団体に宣言者の募集を呼びかけるといったようなことで、さらにこの輪を広げていきたいというふうに考えております。

質問者:吉田委員

 今回のレジ袋無料配布の取りやめという対応につきましては、基本的には、まず消費者側に意識づけをお願いするという1つ目のアクションであると思うんですけれども、ライフスタイルズ・オブ・ヘルス・アンド・サスティナビリティー、これはみんなにかかわることでありますので、ものをつくる人、販売する人、そして消費する人、これが一連の流れでありまして、その後にリサイクルということでありますが、やはり物をつくる段階、販売する段階において、考え方に対して何らかの貢献ができるんではないかというふうに思っております。第一段階が始まる前から、こんなことを言うのはあれでありますけれども、物をつくる側、販売する側においてどのような考え方でこの運動を推し進められるのかというところについても、現時点でのお考えを、引き続き林部長にお聞きいたしたいと思います。

回答者:林生活環境文化部長

 循環型・脱温暖化社会を構築するためには、消費者、販売者、製造者それぞれの立場から、また相互に連携して、地球の温暖化対策でありますとか廃棄物の減量化、それからリサイクルに取り組む必要があるというのは、御指摘のとおりだと思います。
 そのうち、販売者のほうについて少し御紹介をいたしますと、容器包装リサイクル法では、販売者に過剰包装の抑制など容器包装の使用の合理化、それから容器包装の使用量に応じたリサイクル費用の負担というものが義務づけられております。こうした法律上の義務づけ以外の取り組みというものを各販売者の方々に進めていただくことが大事だろうというふうに思っておりまして、県では、平成14年度からスーパーマーケット等の小売業者の方々を対象に、エコショップの認定制度というものを設けているところであります。この制度は、リサイクル製品や詰めかえ商品等の販売、それから店舗での省エネルギーの取り組みでありますとか、エコ商品購入の実践、こういったようなことに積極的に取り組む店舗をエコショップということで認定いたしまして、県のホームページでありますとかパンフレットによりますPRを通じて、これらの店舗を支援するということでありまして、2月現在で県下51店舗が認定されております。
 しかし、こうした取り組みというものはまだまだこれからということでございますので、県といたしましては、販売者の行動をさらに広げていく必要があろうかというふうに思っております。
 そういったことで、先ほど来お話のありましたレジ袋の無料配布の取りやめ、こういったことを販売者の皆さん方の行動を広げていくよい機会であると、そのように考えておりまして、今ほど申し上げましたエコショップの認定制度をさらにPRしまして拡大に努める。そして、販売者の皆さん方のサイドでも環境に配慮した行動が進みますように、そういったことの普及定着に取り組んでまいりたいというふうに考えております。

質問者:吉田委員

 ありがとうございます。
 いろいろな活動、宣伝をしていくとき、せっかく富山県としていろんなアイデアを進めていくときに、県の職員の方、県議会の議員はもちろんでありますけれども、そういう人たちが先頭に立って物事を進めていくというのは大事じゃないかなと思っております。
 私は、最後のところで販売者サイド、生産者サイドという言葉を出しましたけれども、私も小さい豆腐屋をやっておりまして、物を売るときには、包装の問題ですとか、それから生産したもののロスの問題ですとか、こういうものというのは、自分が売り上げを上げていかなくちゃいけないことと相反する部分というのが大きくなっているのが今の現代社会じゃないかなと思います。実際に必要なものを必要なだけ最小限に、そして後始末のことを考えてというのが、これからのあるべき考え方なんですが、今の大量生産、大量消費の社会では後始末のところが本当に抜けてしまっている。物をつくって、物を売るところまでやるけれども、後は知らんちゃと、こういう考えではやっぱり先がないんですね。私は今37でありますけれども、普通に生きていればまだ30年ぐらいあると思います。だけれども、今ここにいらっしゃる先輩方、そして物事をつくって企画している人たちというのは、少なくとも私よりも先にしもていかれるんです。辛らつなことを申し上げますが。そうなると、これから持続可能な社会というのを考えたときに、100年後を考えることも大事だけれども、やっぱりもうちょっと近いところのことを考えて、そして今までいろんなことをしてきた分、やっぱりきれいに片づけていっていただきたいなと。物事をつくるのは簡単ですが、片づけるというのは本当に大変な作業なんです。
 道路特定財源の話に戻しますが、つくる、つくるばっかり言っておりますけれども、つくる、維持するという言葉に切りかわっておりますが、要らないものを片づけて、もう一回再整理して、そしてそれから次に進む、そのためにも本当に莫大な費用やそのことのノウハウ、技術を持っている人たちが必要なわけです。循環するためには、今バツンと物事を切っていいわけではないけれども、先を考えて、そして一回整理するということに、予算的な部分についてももっともっと国、県、市なり、日本という国がきちんとそのあたりを考えて進めていかなくちゃいけないという、その転換の時期じゃないかなというふうに考えます。レジ袋から大きな話に持っていってしまいましたが、そういう考え方の転換というものもぜひ私自身も考えて進めていきたいなと思っておるところであります。
 今回「みんなで力を合わせて」というのを大きなテーマにと最初に申し上げましたが、やはり少し我慢するとか、そういうことは本当に大事なことで、そしてみんなでやらないと結果が生まれてこない、そういう厄介な問題ばっかりであります。ぜひ頑張っていきたいなというふうに思うものであります。
 最後になりましたけれども、カターレ富山のことでありますが、今議会でも多くの方が取り上げていらっしゃいますので、きのうの新聞を見ましたら、7,000人ものサポーターが今誕生しつつあるということであります。私は富山県人の気質としてといいますか、何か最初のところにぱっと盛り上がるのは得意だけれども、その後なかなか心配な状況が結構続くんですね。そういう意味で、石井知事はサッカーをやっていらっしゃったこともありますし、開幕戦のことは私はあまり心配しとらんのですけれども、この後持続的に、チームが苦しくなったときとか、そういうときにも県民の一人として応援し続けていただきたいなと。それはもちろんサンダーバーズやグラウジーズなど、富山県にとっての大事な財産でありますので、みんなで引き続きの長い応援というものをお願いしたいなと思うのであります。
 開幕戦を4日後に控えましたけれども、サポーターを代表して、一言決意をいただきたいと思います。知事、お願いいたします。

回答者:石井知事

 今委員がおっしゃいましたように、カターレを初めとして、地域に密着したプロチームが大いに活躍してくれるというのは、やっぱり県民の皆さんのふるさとを思う心、また地域の活性化──経済の活性化も大事ですけれども、心の活性化、精神の活性化という意味で非常にいいんじゃないかと思っております。
 このカターレ富山が持続可能なチームになって、J2に上がり、いずれJ1に行っていただきたいと思っているんですが、もちろん、それにはいい成績を出す、強いチームづくりも大事ですけれども、同時に、今お話しのとおりファンの応援とか、企業の支援とかという経営基盤、また何より県民の皆さんが、調子のいいときだけじゃなくて、調子の悪いときも含めて一生懸命応援してやろうと、こういうファンがたくさんつくというのが大事であろうと思います。幸い、このカターレの運営会社のほうでもファンをもっと増やそうということで、今お話に出ましたように既に7,000人という数字も出ているようですし、またサッカースクールの設置などでなるべく地元に密着しようという努力もされると伺っております。
 私は、せっかく県内の経済界や幅広い県民の皆さんが応援してできたチームでありますから、ぜひ応援したいということで、会社の要請もありましたので、まず職員を運営会社に1名派遣しております。
 また、新年度は、今予算でお願いしているわけですけれども、総合運動公園陸上競技場の改修を早速させていただく。また、この応援のために、プロチームがホームゲームで企画をする応援バスなんかについて助成金を出そうと。またせっかくですから、このプロチーム──これは別にサッカーに限りません、野球もバスケットもそうですけれども、そういうプロチームを活用した県の観光ですとか子育て支援とか、いろんな県の施策のPRもやる。また、県政番組などの広報媒体を使ったPRもやるというようなことで、また県内スポーツ団体との連携といったようなことでできるだけ応援をしていきたいと思います。
 16日の開幕戦に、委員各位もそうかもしれませんが、私もできれば観戦に行きたいなと思っておりますが、最初だけじゃなくて息長く、県議会の各位とともに応援していきたいと思っております。