2008.06.18 : 平成20年6月定例会 一般質問

質問者:4番(吉田豊史君)

 傍聴席に予想外に多くの方々がいらっしゃっておりまして、大変緊張いたしております。始めさせていただきます。
 皆様、こんにちは。
 昨年のちょうどこの日、この時間が、私の県議会初質問のときでありました。汗びっしょりになって、緊張の中での11分30秒の挑戦でありました。ろくすっぽ原稿もつくってこなかった勘違いの私ではありますが、議員の先輩方からの忍耐強い御指導、知事初め当局の皆様の温かい見守りの中、何とか一年を過ごすことができました。この場をおかりして、私を応援くださるすべての皆様に感謝申し上げ、また元気に2年目の挑戦をいたします。
 1問目は、立山、剱についてであります。
 先月、5月27日に、私の所属する教育警務常任委員会で、立山、剱岳エリアを中心に、富山県警察山岳警備隊と警察航空隊による山岳遭難救助訓練の視察に行ってまいりました。職務の内容柄、若手の隊員が多いと感じましたが、人のために自分の命を賭して働こうとするその心。一方で、私が受けた隊員の皆様の印象はいかつい山男というものではなく、明るくかつ謙虚に、隊の一体感を感じさせる規律ある姿でありました。県内出身者はもとより、全国各地からはせ参じて、この富山の山の安全のために、大げさではなく、人生をかけてくださっているそういう隊員の皆様に、改めて感謝いたします。
 この警備隊の存在は、富山県の持つ人的ソフト面のすばらしい財産であり、「山に富む」という富山の名にふさわしい、まさに郷土富山の魅力でもあります。
 私たち越中人には、立山に登ることで一人前の男子と認められるしきたりが昔はありました。近年では、立山周辺はアルペンルートの開発で、雄山、雪の大谷など手軽にすばらしい山岳光景を楽しめる場所にもなっています。
 一方、新田次郎の「点の記」で有名になった銅の錫杖、そして登ってはいけない山、剱岳の存在は、アルピニストにとっても魅力の尽きない厳しい山として名をはせています。硬軟あわせ持つすばらしい山岳フィールド、それが立山、剱なのであります。
 先ほど申し上げた新田次郎の小説をもとに「劔岳 点の記」という映画制作が進んでおり、近いうちに公開されると聞いております。ちなみにこの映画には、我らが知事も友情出演なさっているとのことであります。キャラ立ち度──キャラの立ち方では、また輝きぐあいでは、うちの知事は宮崎の何とかばるさんより数段上をいっていると私は常々思っておりましたので、剱のみならず、知事の勇姿も今から楽しみであります。
 以下質問いたします。
 越中人の成人儀式として伝統のある立山登山について、富山県の特色ある教育という観点からの位置づけを明確にすべきと考えるがどうか。県下小中学校での実施状況や計画とあわせて問う。また、より多くの県民に立山を親しんでもらえるような働きかけを行うべきと思うがどうか、石井知事にお尋ねします。
 問い、県外からの観光地としてだけでなく、広く県民が立山登山に親しめるよう、各種年齢層にあわせた登山道やビジターセンターの整備等も進めるべきと考えるがどうか、林生活環境文化部長にお聞きします。
 問い、富山県山岳警備隊及び航空隊が担う山岳警備の役割とその活動のPRを兼ねた県民への情報提供の状況、並びに活動に関する体験学習などの実施可能性について、吉田警察本部長にお聞きいたします。
 最後は、映画「劔岳 点の記」の撮影を契機に、剱岳について、富山のシンボルとしての認知度アップや登山客受け入れのための環境整備促進など、剱岳に関する総合的な方策に取り組んでいくべきと考えるがどうか、石井知事にお尋ねします。
 2問目は、水、土、緑であります。
 私は、自然界の自然な循環、つまり小中学校の地理で習った当たり前のことでありますが、雨が降って、川ができて、山から土、砂が、そしてその他の栄養が流れてきて、平野に積もって土地を豊かにしつつ、海に注ぐという、そういう水を媒体とする一連の流れのことでありますが、これを少しでも、まさに言葉のとおり自然な状態に戻すことが、これからの私たちの未来にとって本当に大切な考え方だと思っております。これらのことにつきまして、タイムリーな話題を用いて、以下質問いたします。
 まずは「水」であります。
 ことしの6月3日に、環境省が平成の名水百選を発表いたしました。富山県からは4カ所、具体的には富山市の「いたち川の水辺と清水」、高岡市の「弓の清水」、滑川市の「行田の沢清水」、南砺市の「不動滝の霊水」が選ばれており、前回と合わせた名水認定箇所は県内8カ所となっており、熊本県と並び全国1位であり、名水県の面目躍如であります。
 そして、今回の新名水百選の選定基準には注目するべき点があります。それは水質や水量はもとより、周辺環境の状況、つまり周囲の生態系や保全のための配慮、親水性・水への近づきやすさ、伝統を含んだ水利用の状況、そして保全活動が評価の対象となっております。より地域に愛される水という要素が大切となっているわけです。
 子供のころから私がよく遊びました「いたち川の水辺と清水」は、まさにそういう要素を兼ね備えたすばらしい水エリアであり、選定にふさわしいと個人的には感じますが、これをどう生かしていくのか。まちづくり、地域づくりのキーアイテムとしてどう位置づけるのか。川のことになりますと、上流部からのごみの問題一つをとっても、地域の連携、あくまでも地域住民を主役としたいわけでありまして、行政の的確な施策上の応援など、総合的な把握と対策が求められると考えるのであります。
 特にこのいたち川に限っていえば、富山の県都富山市の中心部を流れる都市河川でありながら、魚類だけを見ても、アユが遡上し、地域の方々がサケの稚魚放流を行い、また私事のPRでありますが、サクラマスの稚魚放流もいたしておりまして、サケやサクラマスが上るかもしれないという、そういうすごい力を持った川であり、川べりの桜並木、駅北の環水公園、富岩運河へのつながりなどを考えましても、富山県の顔である富山市中心部の、まさに生命線と言えると思います。
 以下、このことについて質問いたします。
 平成の名水百選に選ばれた「いたち川の水辺と清水」について、親水性のある水辺の空間づくりや環水公園を含めたまちなか観光の素材といった観点を踏まえ、今後の整備計画について井波土木部長にお聞きします。
 また、今後の環境保全のあり方、富山市とどのように連携していくか、このことについて林生活環境文化部長にお聞きいたします。  水、土、緑の次は「土」であります。
 私は山、川、海のアウトドアフィールドへいつも飛び出したい人間であります。県内の海もよく潜るのでありますが、素潜りでやすを使っての魚突きなどをいたしております。ちなみに議員となりましてからは一切貝類はとっておりませんので、御安心いただきたいと思います。
 そして、感じますことですけど、近年ますます海岸線が厳しい状況になってきているということであります。具体的には、浜辺の侵食が激しいということ。もともと富山県は、水の動きに沿って、土砂等の一連の流れが激しくダイナミックに起こっている地勢であり、これは富山の魅力でもあると思います。しかし、であるからこそ上流、つまり山のほうで砂防ダムなどというばんそうこうを張って、この水の流れやいろいろなものの流れをとめますと、海で堆積するよりも侵食が勝っていくのは当たり前のことというか、当然のことだと思います。かなり厳しい現状が目の前にあるわけであります。
 先日、入善の芦崎地区へ高波被害の現場の視察に伺いました際、高波の直撃した地点は、20年、30年前はそこに100メートル以上の砂浜があったんだと現地の方はおっしゃっておりました。漁港を整備し、さまざまな利便性を求めたことの結果としての代償がこういう形になってきている、大きな被害を招いた感もあります。今後の復旧作業においても、長期的な視野に立った、砂、土の流れも考えた施策の必要性を強く感じます。
 私は、今回の質問に当たって、県内の海岸線というものにも、国直轄海岸、その中でも農水省管轄であったり国交省管轄であったり、あるいは県管理の海岸と、管理が細分化されていることを勉強させていただきました。不満を言いたいという気持ちでつくった質問ではありましたが、この限られた条件の中で、何とかこの富山の砂浜を回復したいというふうに考えておられる、そういう県の担当者の努力にも私はエールを送りたい気持ちになりました。
 河川の分野でさえ、都道府県内を流れる河川は都道府県の管理にという方向が出ております。つながっている海岸をぶった切って管理するほどのばかさかげん、本当に腹が立ちます。自分たちの地域は、そこに郷土愛がある自分たちで世話をしたほうが、いろいろなものがいい結果になると決まっていますけれども、財源の問題というのは、本当にこういうところにも影響する大きな問題であると感じました。
 以下質問いたします。
 海岸線の砂地の保全について、砂防やダム排砂以外の方法によって行われることも必要と考えるが、総合的な取り組み状況はどうか、井波土木部長にお聞きいたします。
 最後は「緑」についてであります。
 富山県民に「富山県のイメージカラーは何色ですか」というアンケートをいたしますと、圧倒的に「緑」であります。確かに、この議会の議長席の後ろに掲げている富山県の旗の色も緑であります。納得でありますが、富山県は、富山県森づくり条例や水と緑の森づくり税など、さまざまな力強い緑に関する諸施策を実行してきており、緑の面で大変心強いのでありますが、もう一つ力を入れてほしい部分があります。それは都市部の緑化についてであります。
 緑の富山県が、都市景観の中の緑という観点では、他の県に比してさほど特徴がない。あるいは私見ですが、劣っているぐらいではないかと感じています。特に時間の蓄積、都市の年輪というものを感じさせる大きな木が非常に少ない。富山は空襲に遭って全部焼けたといいますが、もう60年もたっているんです。かなり寂しい状況であります。木は育つのに時間がかかります。今から力を入れていきたい、そういう思いで質問いたします。
 都市景観緑化について、花と緑の新世紀プランでは項目ごとに緑化の目標値を定めているが、道路や学校、工場などの緑化推進状況はどうか、柴田農林水産部長にお聞きいたします。
 また、県内の市街地において、これからの富山県を特徴づけるにふさわしい自然と調和した緑の都市景観づくりを目指すべきと考えます。郊外において顕著な新規の宅地開発などに際しては特に、より緑化に配慮すべきと考えるが、このあたりについてどのようにお考えか、井波土木部長にお聞きいたします。
 緑についてもう1つです。パークゴルフについての質問であります。
 私はいつも県議会の質問のときには──といっても3回でありますけれども、LOHASのことを取り上げております。このパークゴルフの質問は、LOHASのHの部分、ライフスタイルズ・オブ・ヘルス・アンド・サスティナビリティのヘルス、健康のところでイメージしております。LOHAS自体、私には緑のイメージであります。特にこのパークゴルフにつきましては、年配の方々にブームと言えるほどの人気のスポーツであります。外で、緑で、健康で、よいことずくめのスポーツではないでしょうか。
 質問します。
 近年パークゴルフの人気が高まっているが、県内の施設利用状況、参加人口についての県の認識をお聞きします。都市部の遊休地の有効利用の観点からも、例えば簡易のパークゴルフ場の新設などを図るべきと考えるがどうか、東野教育長にお聞きいたします。
 大きな問3、消防活動についてであります。
 この季節、県下各地の小中学校のグラウンドなどで、早朝から気合いの入った声が響いております。各地域の消防団が、操法大会に向けて真剣な練習を行っております。
 操法とは、消防設備、器具の操作方法の意味であり、実際の火事場において、目前に迫る火を見てパニック状態のときに、頭で考えていては行動できないのが現実でありますので、そのために、消火のための一連の動きを体に覚えさせよう、そういうことが目的であると私自身は理解して、一生懸命やっております。
 本職の消防署員の訓練、動きのすばらしさはもちろんのことでありますが、彼らとともに、奉仕の精神で、地域の消防活動の大きな役割を担っているのが消防団員、そして消防団であります。  ボランティアとしての地域活動は、体育関係、福祉関係、教育関係など、それぞれにすばらしいのであります。しかし私は、この消防団の特徴として、若い者から年配の者まで幅広い年齢層で団が組織されていること。そしてこのことは、体育会系の先輩、後輩関係、あるいは規律ある言動、そして今の社会に不足しがちなものを備えているという、こういう点が消防団活動の魅力だと私は思っております。若い方にこの消防団の格好よさというものをぜひ感じていただきたい、そう思います。
 以下質問いたします。
 消火活動において、消防団、消防署と警察との密接な連携が必要と考えるが、現在、このことについてどのような体制をとっているのか、吉田警察本部長にお聞きします。
 この質問の意味は、数年前でありますが、火災現場に向かいましたときに、大きな道路と道路の近辺のところでの火事でありましたが、私なり、1台の消防車は現場に急行いたしましたが、しかしその後、道路自体が渋滞してしまって、そしてサイレンもたくさん聞こえて消防車が集まって来ようとするのでありますが、道路の交通整理やいろいろなものができないために、実際に1軒は燃えてしまったという、こういう例がありました。
 もう1つは、先般の西町の大火災。あのときにも、例えば消火活動を進めながらも、一方で市電が通るたびにホースを抜いてしまったと、そういう問題もありました。
 こういうさまざまな問題に、現場の特性に合わせて、やはり消防と警察がより連携をとって対応していただきたい、そういうつもりの質問であります。
 本年6月1日から義務化された住宅用火災報知器の設置状況についてお聞きします。また、地域に設置されている火災報知サイレンなどを、自主防災組織あるいは地域住民で活用する考えはないか、このことについて寺林知事政策室長にお聞きいたします。
 人口高齢化地域における消防団の若手の育成、あるいは人口急増地域における団員確保、消防団の配置バランスの見直しなど、全体的な消火体制の整備状況についても寺林知事政策室長にお聞きいたします。
 大きな問4に入ります。交通渋滞についてであります。
 少し細かい話となって恐縮でありますが、富山市の婦中町地域で人口が急増していることにより、地域交通に大きな変化が生じていると感じます。
 先般、私自身の体験でありますが、朝の時間帯に、街なかから川を越えて、そして用を済ませて戻って来るのに2時間以上かかるという現状に遭いました。大変驚きました。確かに以前も渋滞はありましたが、都市の開発によって、現状がかなり悪化しているということを感じます。
 ですけれども、私は今ここで、だから道路や橋を新設したり広げてくれと、こういうことを言っているわけではありません。今ある私たちの社会のインフラの中で柔軟に対応して、さまざまな対策を打つことにより、渋滞の緩和が行えるのではないかという考えであります。私の個人的な考えとしては、例えば時間帯を設定した橋の有料化、あるいは公共交通の利用促進や自転車、徒歩の通学通勤の支援、官公庁や大企業などの人の多いところの出勤時間の調整などであります。
 渋滞は、個々人の時間のロスのみならず、二酸化炭素等の環境問題にも直結する大切なポイントであると考えます。
 富山市婦中町地域の人口急増によって、近年、神通川左岸から中心市街への交通渋滞が激しいが、現状をどのようにとらえているのか。また、信号調整は適正に行われているのか、吉田警察本部長にお聞きいたします。
 県下全域において、ラッシュ時の混雑緩和について今後どのように対応していくのか、井波土木部長にお聞きいたします。
 大きい最後の質問です。家庭教育についてお聞きいたします。
 教育につきましては、私自身、4歳ともうすぐ2歳になる子を持つ一人の親として、今の時点での、段階での子育て、教育の大変さ、そしてありがたさを日々感じております。妻が9割、私が1割ぐらい感じているということでしょうか、体験しているところでございます。
 教育警務常任委員会に所属いたしておりますので、富山県が抱えるさまざまな年齢に対しての教育の問題を勉強させていただいておりますが、今回、県の教育委員会より、親を学び伝える学習プログラムというものが準備されていることを聞きました。20ページほどの本体、そしてそれについての使用の手引書から成る冊子であります。ケーススタディー型のワークシート冊子でありますが、子供が生まれる前、そして乳幼児期、学童期、思春期までと、子供のそれぞれの時期の教育について親が何をどう考えるかという、親側に視点を当てたとてもユニークであり、今にふさわしいつくり方になっていると感じております。
 私は富山青年会議所のメンバーでもあり、ことしは家庭教育推進委員会という委員会に所属しております。会議所のメンバーは40歳までであります。皆、子育て真っ盛りの人たちの集まりであります。そこでも教育、子育て、親の役割について、いつも熱い議論が交わされております。いつの時代でも親は真剣なのだということを強く感じております。
 もちろん、何が正しいか、答えが一つではないのが教育であります。親としての自分を考えるきっかけを与えてくれることに、このプログラムの大きな有用性があるのではないかと考えております。「親が学び」ではなくて「親を学び」になっているところがみそです。非常に力の入った冊子であることを強く感じました。作成にかかわられた関係の方々の誠意と御努力に感謝して、そして私は早速我が家に帰って実践で使ってみたいと思っております。
 質問します。
 少子化や携帯電話の保有増といった全国の動向と、共稼ぎ率や自家用車の保有率が高いといった富山の家庭環境を踏まえ、本県教育において家庭教育に何を求め、また施策としてどのような特色を出そうとしていらっしゃるのか、知事にお聞きします。
 親を学び伝える学習プログラムが作成配布されましたが、このプログラムのねらいは何なのか。また、具体的にどのように活用されて、そしてどのような効果を期待しているのか、東野教育長にお聞きいたします。
 以上で終わります。ありがとうございました。

回答者:知事(石井隆一君)

 吉田議員の御質問にお答えをいたします。
 まず、富山県の特色ある教育という観点からの立山登山についての御質問にお答えします。
 本県におきましては、お話にありましたように、かつて元服を機会として立山に登るならわしがありまして、立山登山は、郷土愛を育てること、自然を大切にしようとする心をはぐくむこと、また最後までやり遂げる充実感を味わえることなどの観点から、富山県ならではの有意義な学習であると思っております。
 かつてと異なりまして、近年では、地元の御要望もあって、それぞれ独自に地元に縁の深い山に登る例も増えておりますので、立山登山を実施しているのは、小学校を中心に70校程度でありまして、小学校では3割から3割5分ぐらいの実施率になっております。
 御提案の、伝統ある立山登山を富山県の特色ある教育という観点から実施してはどうかということですけれども、大変有意義なことであると思っておりますけれども、実際に登山を実施するに当たりましては、それぞれ地元の山とか、あるいは青少年の宿泊施設に近い山に登りたいといった御希望もあるようでありますので、それとの兼ね合いにも注意しながら、県の教育委員会を初め各学校や市町村教委において、地域の実態、また保護者の理解、要望なんかを考慮して、同時に、児童生徒の安全面に十分配慮して取り組んでいただきたいと思っております。
 富山県出身で、立山、剱の山々を仰いで育った登山家として著名な英文学者の田部重治さんという方がおられますが、この方は、「自分を最も強くよみがえらせ、私に新しい力を与えるのはいつも自然である」と、こういうふうに述べておられます。私も、田部さんには到底及びませんが、白山、剱岳はもちろん、白馬岳とか槍ヶ岳、鹿島槍、北海道の大雪山、有珠岳、いろんな山に登りました。私は、やっぱり青少年時代に登山を経験することは、その人の生き方にも影響を与えるものと考えておりまして、立山登山の伝統が次の世代に引き継がれるように、県の教育委員会、また関係部局において十分勉強、検討してもらいたいと考えております。
 昨年来、ちょうど2市2町と一緒に立山・黒部の世界文化遺産登録に取り組んでおりますし、また「立山・黒部」を誇りとし世界に発信する県民の会も発足したところであります。県民の皆さん一人一人が立山の魅力を再発見、再認識する、そしてこれをブラッシュアップして世界にアピールしていくと。こういうことで、そのためにもできれば、やっぱり県民であれば立山登山をぜひ、一度と言わず何度も登ってもらいたいなと、こういうふうに思っている次第であります。
 次に、映画の「劔岳 点の記」に関連しての、認知度アップだとか登山客受け入れ方策についての御質問にお答えをいたします。
 「劔岳 点の記」は、お話のように、明治期に、当時未踏峰とされていた剱岳に、みずからの仕事への誇りをかけて、果敢に忍耐強く立ち向かった方々を描いた新田次郎さんの小説を原作とする映画であります。来年夏の公開を目指してということでありますけれども、富山県の雄大で美しい自然を舞台にして、忘れてはならない日本人、あるいは越中人の心を伝える映画が県内で撮影されておりますことは大変喜ばしいことで、私も大きな期待を寄せております。
 この映画の制作、公開は、この剱岳──厳しくて非常に品格のある山であると思うんですが、それもさることながら、越中人であるこの案内人の宇治長次郎さん──私は新田次郎さんの本を読んでから非常に好きになりまして、非常に山を知って、必要なことをきちんと献身的にやる人間である。また、謙虚な人柄で、同時に、下流の人々の命を守る立山砂防工事にも携われた方ということで、私は、よき越中人の代表のような方だと思っておるわけであります。
 そこで、この映画は、ぜひ富山県の美しい自然、豊かな自然、剱岳はもちろんですが、越中人の魅力を広く全国にPRするチャンスじゃないかと。県としても、これまでも撮影への便宜供与、また県政番組での紹介などによりまして、映画制作を支援しております。また先般、6月8日に木村大作監督を初めスタッフ、また俳優の皆さんが撮影されている現場に行きまして、激励もさせていただきました。
 今後、公開に向けて、映画のPRと本県のイメージアップや観光PR等の効果的な連携ということで、具体的なタイアップ方策を今庁内で検討しております。
 元来剱岳は、議員のお話にありましたように、アルピニストのあこがれの山でありますから、この映画の上映を機会に、立山黒部に上級者から初級者まで幅広い登山家がいらっしゃるということも十分予想されます。そこで県としましては、まず1つには、安全性向上の面から、剱岳岩場のクサリ場整備など難易度にあわせた登山道や標識をこの際整備しようと。また、環境の面からは、山岳トイレとか自然散策のための木道の整備をしようと。また、情報発信の面からは、立山自然保護センターにおける立山の魅力の紹介とか、ナチュラリストによる自然解説活動をもっと活発にしようと。また、世界文化遺産への登録を目指す立山・黒部の信仰、砂防、発電ダムなどの魅力を世界に発信していくための環境整備などを進めたいと思っているわけであります。
 こんな形で、県民を挙げてお互いに協力して、知恵を出し汗をかいて、これを富山県活性化、ふるさとを愛する心、そういったことの一つの大きなきっかけにしたいと思っております。
 最後に、家庭教育についての御質問にお答えをいたします。
 私は、やっぱり家庭教育というのが教育の出発点で、ある意味で親というのは子供が出会う最初の先生だという言い方もできると思っております。子供は家庭の中で温かい愛情、信頼に基づくふれあいを通して、基本的な生活習慣、善悪の判断、思いやりの心などをはぐくんで、やがて自立に向かって心を成長させていくものだと思います。
 今の社会は大変豊かで便利になってしまいましたが、そのことは大変いいことなんですが、昔から、豊かになりますとかえって子育てが難しいということが言われます。「家貧しゅうして孝子出づ」という言葉も昔からありますよね。
 そういう中で、家庭に望むことは、便利で豊かな社会だからこそ、将来のための勉学、あるいは体力づくりといったより大きな人生の目標のために、子供さんに、今は少し我慢して勉強するとか、いろんな経験を積ませる。我慢するという経験をしてもらう。それから、親子のふれあいや、人や自然とのかかわり合いを通して、感動体験を多く持たせる。また、お話にあったように、子供は親の背中を見て育つという面がありますので、やっぱり親自身が自分を高める努力を続けなきゃいかん。私もいつもそういうふうに思って反省をしております。
 県においても、元気とやま創造計画の中で、55の政策目標の1つに、家庭や地域における健やかな子供の育成を掲げて、重点政策として家庭教育への支援施策を展開しているわけでございます。  具体的には、最近はマイカー利用なんかが非常に増えて、その結果、自然に接する機会が減っているということもありますので、富山の豊かな自然の中で親子がふれあいを深めるとやま子育て自然体験事業。それから熱心に既に取り組んでいらっしゃる公民館もありますが、こうした公民館を中心とした地域ぐるみでの子供の体験活動を推進する公民館わくわくどきどき自然体験事業。また核家族化で子育てに悩んでいる若いお父さん、お母さんが増えているということを踏まえまして、子供への接し方、親のあり方を学ぶ、先ほど御披露いただいた親を学び伝える学習プログラム普及事業。また子育ての悩みにこたえる家庭教育総合相談事業。また子育てについてのアドバイスや参考になる取り組みを、家庭教育かわら版というものを発行して──これは7万部発行して、幼稚園、保育所、小学校1、2年のお子さんを持っている親御さんには必ず届くようにしております。
 こんなことで、家庭はやっぱり子供を育てる最も大切な場でありまして、地域、学校、企業、行政など社会全体が一体となって、家庭教育を支援する、あすを担う人づくりを推進する、こういうことで頑張っていきたいと思います。
 以上です。

回答者:生活環境文化部長(林 時彦君)

 まず、県民が立山登山に親しめるような登山道等の整備についてでございますけれども、立山黒部アルペンルートは御案内のとおり、県内外から、また子供から中高年まで年間約100万人が訪れます。そして立山登山、室堂園地、弥陀ケ原園地などの散策といったようなことで幅広く利用されておりますことから、来訪者のニーズに対応した登山道や散策路などの整備等が必要だというふうに考えております。
 このことから、県では、立山における快適な利用、安全の確保を図り、立山の魅力を紹介するため、これまで登山道の改修、室堂園地の散策路の整備、それから立山自然保護センターの再整備、室堂、弥陀ケ原におきますナチュラリストによります自然解説などを実施してきたところでございます。
 今年度は、引き続き登山道の改修に努めるとともに、弥陀ケ原園地の約2キロメートルの木道の全面改修、それから歩くアルペンルートにつきましては、滑りやすい箇所の木道の砂利道への改修、そして立山自然保護センターにつきましては、映像のDVD化、情報検索コーナーや展示パネルの改修などを実施することにしております。
 県といたしましては、今後とも、国や関係市町、団体等と連携協力して、県民の宝であります立山に、子供から高齢者まで幅広い県民の方が訪れ、豊かで美しい自然を五感で感じていただけるよう必要な施設の整備に努めることによりまして、富山県人としての誇りを持っていただけるよう立山の自然とのふれあいを進めていきたいというふうに考えております。
 次に、「いたち川の水辺と清水」の環境保全についてでありますが、今回、環境省の平成の名水百選に県内から選定された4件はいずれも、議員御指摘のとおり、水及び水環境のすばらしさに加え、町内会等によります河川や水くみ場の清掃、児童によりますサケの稚魚の放流や水生生物調査などの熱心な活動が評価されたものと考えております。
 県では、これらの名水を初め、本県のすぐれた水環境を将来にわたって保全していくため、県土美化推進県民会議によります県土美化運動や河川等への不法投棄防止パトロール、地域住民や地域の水環境保全活動団体に対する活動の支援や顕彰、そして水とのふれあい、水の大切さを学ぶ環境学習の場や機会の提供、さらには家庭でできる廃食用油の適正処理、洗剤の適正使用の啓発などによります水質の確保、こういったことなどを富山市を初めとする地元市町村と連携して推進しているところであります。
 また、県では、ふるさとリバーボランティア支援制度というものを設けておりまして、沿川の町内会等が実施いたします堤防の草刈りや清掃美化活動などに対し活動経費を助成しております。いたち川につきましては、19年度は富山土木センターを通じまして6町内会等に支援したところでございます。
 今後とも、本県の清らかで恵み豊かな水環境を将来にわたって引き継いでいくため、県民、事業者、市町村と連携して水環境の保全に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。

回答者:警察本部長(吉田光雄君)

 最初に、山岳警備隊の役割等についてお答えいたします。
 山岳警備隊は、山岳遭難者の救助等を行う専門部隊として設置されまして、山岳遭難発生時の中核として本県になくてはならない存在であり、全国からも高い評価を受けております。県警察の自慢の一つであります。また、航空隊は、山岳警備隊とはいわば車の両輪であり、山岳警備になくてはならない存在となっております。
 最近の登山ブームを反映し、山岳事故も増加傾向にあります。山岳警備隊の出動回数は年平均約110回、航空隊の山岳関係の出動回数は年平均約40回となっております。
 山岳に関する県民への情報提供につきましては、例えば県警ホームページや報道機関への季節ごとの山岳情報の掲載、提供、山岳カレンダーの発行などを行っております。富山県警察の山岳警備隊はこれまで何度も本になりまして、また新聞やテレビにも取り上げられているところであります。
 学習体験の可能性についての御質問がございましたけれども、御承知のとおり、山岳遭難者の救助は高度な技術が要求されますし、危険も非常に高いことから、一般の方に対する体験学習の実施は困難と考えております。もちろん要請を受けて、登山者の研修会や講演会などに隊員を派遣して、遭難防止から登山の技術的なことまで話をさせているところであります。
 次に、消火活動における消防と警察の連携等についてお答えいたします。
 火災が発生した場合、負傷者を救助し、延焼を最小限に抑えるためには、消防、警察等の連携が極めて重要であります。
 まず、通信指令室に火災発生の110番通報があれば、通信指令室から消防本部に即報し、逆に消防本部に119番通報があれば、消防本部から通信指令室や警察署に即報していただいているところであります。
 火災の発生を認知した場合、警察としては、現場に警察官を急行させ、負傷者の救助や住民の避難誘導に当たるとともに、消火活動や救助活動が円滑に行われるよう、道路交通法第6条に基づき、交差点などに警察官を配置し、歩行者や車両等の通行を禁止したり、制限するなどの交通規制を実施しているところであります。特に一刻を争う火災現場におきましては、交通規制は極めて重要であり、今後とも、火災の規模、延焼のおそれ、交通環境などに応じて、周辺での交通規制を適切に実施していくこととしております。
 次に、神通川左岸から中心市街への交通渋滞等についてお答えいたします。
 富山市婦中町周辺は、近年、住宅団地の造成が進み、毎年人口も増加しているほか、大型量販店等の商業施設も相次いで進出するなど発展が著しく、交通量も年々増加傾向にあります。
 しかしながら、富山市中心部へのアクセスは婦中大橋、有沢橋、富山大橋等を渡らなければならないため、これら橋梁につながる路線は特に朝夕渋滞しております。
 このため県警察としましては、これまでも婦中町地域周辺道路の交通の流れを調査し、信号機の新設や右折矢印信号の設置、信号秒数の見直しなどの改良に努めてきたところであります。
 現在の状況、さらに渋滞を緩和するために、今年度予算措置を講じまして、国道359号、主要地方道富山小杉線、富山高岡線の走行調査及び神通川左岸の婦中大橋西口、羽根東、五福、五福新町の各交差点における交通調査や渋滞の長さの調査を行うこととしておりまして、今後、この調査結果をもとに信号機の適正な調整を図ることとしております。
 また現在、交通管制センターの高度化更新を進めておりますので、婦中町地域を含め管制エリアの拡大等にも努め、交通の安全と円滑を図ってまいりたいと考えております。

回答者:土木部長(井波久治君)

 4点御質問をいただいておりますが、最初に、いたち川の親水性についての御質問にお答えいたします。
 いたち川は富山市中心市街地を流れ、自然とふれあえる貴重な水辺空間として広く市民に親しまれており、河川改修に当たっては、水辺の利用や景観にも配慮して整備を進めてきているところであります。
 今回、平成の名水百選に選ばれました「いたち川の水辺と清水」は、大泉地内にある落差工、いわゆるどんどこの整備に当たり、地元住民の意見を踏まえ、どんどこを魚や動植物の生息環境に配慮し階段式にするとともに、上下流に親水広場や遊歩道を整備したことなども評価されたものと考えております。
 県といたしましては、親水性のある水辺空間づくりは大変重要なことと認識しており、今後とも、まず第一に洪水からの安全性を確保するとともに、いたち川におきましては灯籠流しが地元の夏の風物詩として定着しつつあることなどから、親水性に配慮した施設の設置等につきましても、地元の皆様の意見をお聞きしながら検討してまいりたいと考えております。
 次に、海岸の砂浜の保全についての御質問にお答えいたします。
 砂浜は、人々が身近に海と親しむことのできる空間であるとともに、波の打ち上げ高さを小さくする効果もあって、防災上も重要な役割を担っております。
 このため、海岸侵食対策事業で離岸堤、人工リーフや突堤などの施設を整備し、波のエネルギーを弱めるとともに、背後への砂の堆積を促し、海岸の保全に努めているところであります。
 しかしながら、河川の上流域からの土砂供給が減少したことや、富山湾が海岸線から急に深くなっているという特有の海底地形のため、一度沖へ流された土砂が海岸に戻らないことなどから、侵食がなかなかとまらないのが実態であります。
 こうしたことから、国では、例えば現在策定中の下新川海岸マスタープランの中で、ダム排砂による黒部川からの土砂供給量と海岸沿いの土砂移動量をシミュレーションにより推定し、海岸全体の土砂管理等に関する検討が進められているところであります。また、去る2月24日の高波被害を受けて、国が設置し、県も参画しております高波災害対策検討委員会で、侵食が著しい海岸における今後の施設整備のあり方について検討が行われているところであります。
 一方、近年、砂防事業では、山地から海岸までの安定した土砂の供給を考慮し、透過型砂防堰堤も整備してきているところでありまして、今後とも、河川上下流、海岸を含めた総合的な取り組みにより、砂浜の保全に努めてまいりたいと考えております。
 次に、緑の都市景観づくりについての御質問にお答えいたします。
 富山県景観条例に基づく富山県景観づくり基本方針におきまして、花と緑による景観づくりを、景観づくりを進める上で欠くことのできない重要な要素と位置づけております。そのため富山県景観条例では、一定規模以上の大規模行為に関して事前届け出制を導入し、富山県大規模行為景観づくり基準により、建築物の新築等については、位置、形態及び意匠、色彩等のほか、敷地の緑化に関しても配慮事項としており、必要に応じ指導助言をしているところであります。
 また、御指摘の郊外における宅地開発などの造成行為につきましても、土地の面積3,000平方メートルを超え、法面の高さ5メートル以上、かつ法面の長さが10メートル以上といった大規模行為に該当する場合には、土地の形状や法面の外観のほか、土地の緑化に関しても配慮事項として指導助言をしているところであります。
 いずれにいたしましても、緑化は景観づくりを進めていく上で重要な要素であり、今後とも緑化を含め、総合的な景観づくりを進めてまいりたいと考えております。
 最後に、ラッシュ時の混雑緩和についての御質問にお答えいたします。
 ラッシュ時の混雑緩和は、バイパスの整備や交差点改良といった交通容量の拡大を図るハード対策とともに、議員御指摘のマイカーから鉄道など公共交通機関への転換や、フレックスタイム制や時差通勤の導入による通勤時間帯の変更のほか、自動車の相乗りによる車の効率的な利用など、交通需要抑制策が有効であるとされております。
 神通川左岸から中心市街地への交通渋滞対策につきましては、これまで県道富山八尾線有沢橋左岸交差点の右折の2車線化や、県道富山環状線──都市計画道路草島西線でありますが──4車線整備、また国道359号婦中大橋の4車線化などのハード対策に取り組んできたところでございます。また、主要渋滞ポイントに位置づけられております富山市安野屋交差点や有沢橋左岸交差点などにつきましては、現在4車線で整備中の富山大橋が完成すれば、交通容量が拡大され、かなり渋滞が緩和されるものと考えております。
 一方、ソフト対策といたしまして、本県におきましては、自動車から自転車への転換を促すための自転車歩行者道の整備や段差解消のほか、公共交通の利用促進という観点もあわせ、民間事業者などを含めたノーマイカー運動の実施や、パーク・アンド・ライド駐車場の整備に対する支援などに取り組んでいるところであります。
 なお、富山大橋の整備にあわせまして、路面電車の現在単線となっております安野屋交差点から富山大学前までの区間が複線化される予定でありますので、公共交通の利便性が大幅に向上するのではないかと考えております。
 いずれにいたしましても、今後とも、関係機関や関係市町村とも連携しながら、ハード、ソフトの両面から有効な施策を検討し、渋滞の緩和に努めてまいりたいと考えております。

 以上でございます。

回答者:農林水産部長(柴田敏秋君)

 花と緑の新世紀プランにおきます緑化推進状況についての質問にお答えいたします。
 県民が健康で潤いのある生活を営んでいくためには、美しく豊かな自然をしっかりと守るとともに、花と緑に満ちあふれた快適な環境づくりを進めることが極めて重要であると考えております。  こうしたことから、県では、富山県花と緑の新世紀プランを策定しまして、四季折々の花と緑が満ちあふれた快適な生活環境の形成を目標に、各施策を総合的に推進しているところでございます。
 このプランでは、議員御指摘のとおり、各施策の着実な進行を図るため、具体的な数値目標を掲げておりまして、御質問の都市緑化関連の進捗状況について申し上げますと、平成19年度までの実績でございますが、中間目標年次でございます平成22年度の目標数値と比較いたしますと、県管理道路の緑化延長は224.2キロで、中間目標の230キロメートルに対しまして97.5%、県立学校の緑地面積は53.2ヘクタールで、中間目標の54.8ヘクタールに対しまして97.1%、工場の緑地面積は569.7ヘクタールで、中間目標の571.1ヘクタールに対しまして99.8%、市街地の都市公園面積は715.1ヘクタールで、中間目標の720ヘクタールに対しまして99.3%などとなっておりまして、おおむね順調に進んでいるものと考えております。
 今後とも、県民が身近に潤いと安らぎを感じられますよう、花と緑に満ちあふれた地域づくりの推進に一層努力してまいりたいというふうに考えております。

回答者:教育長(東野宗朗君)

 簡易パークゴルフ場の新設についてお答えしたいと思います。
 本県のパークゴルフにつきましては、平成4年に400名の会員で協会が設立されまして、その後、平成12年の2000年国体におきましてデモンストレーション競技として実施されたことを契機に、中高年を中心に大変愛好者が増加しているところでございます。現在、4,000名の会員が活動しておりまして、平成22年に本県で開催予定の全国スポレク祭でございますが、県民の健康、体力づくりに大きく寄与するということから、フリー参加種目として実施が決定されているところでございます。
 また、愛好者の増加に伴いまして、平成4年に県内に2カ所でありましたパークゴルフ場ですが、平成19年現在では、専用施設が21、併用施設を加えますと40カ所に増加しておりまして、今後も新たなパークゴルフ場の整備が計画されていると聞いているところでございます。
 さらに、県内における大会の開催でございますが、平成4年には5つの大会で500人の参加がありましたが、平成19年には3つの全国大会を含めまして613の大会に3万4,651人が参加するなど、近年人気が高まっているところでございます。
 通常、パークゴルフ場の整備を進める場合には、公認コースとして18ホール、約1万2,000平米の用地の確保が必要でございますが、議員から御提案のございました遊休地を活用しての簡易なパークゴルフ場を整備することは有効な手法の一つと考えておりまして、各市町村におきまして、所有者、地域住民の意向を十分踏まえながら、さまざまな工夫をしていただきたいと考えているところでございます。
 親を学び伝える学習プログラムのお尋ねについてお答えしたいと思います。
 議員からいろいろと御紹介をいただきまして、またお褒めもいただきましてお礼を申し上げたいと思います。
 近年、少子化、核家族化により、親としてのあり方を日常生活の交流の中で学ぶことが少なくなってきておりますし、親としてのあり方や子育てにつきましては、だれにでも当てはまる答えといったものはないというのが現状でございます。
 このため平成18年度に、大学教授やPTAの方をメンバーとする委員会で十分議論していただきまして、議員から御紹介ございました、子供の年代別のさまざまな事例をつくっていただきまして、グループで話し合って、親のあり方、子供への答え方、接し方などについて参加者一人一人が考えを述べ、親であることの大切さに気づいていただくといったことをねらいとしたプログラムを作成したものでございます。平成19年度はこのプログラムの実践に基づきまして、さらに改訂版も出したところでございます。
 今年度は、県PTA連合会の全面的協力のもとに、親を学び伝えるフォーラムにおきまして、わかりやすくアマチュア劇団に実演をやってもらいまして、このプログラムの理解を深めたいと。それを受けまして、県内4地区でプログラム普及講座を開催し、リーダーを養成し、できれば、PTA連合会の会長によりますと、全部の小中学校のPTAで実践したいという意気込みも語っておられるところでございます。
 これらを通しまして、1人でも多くの県民の方が、親であることの大切さについて積極的に話し合っていただきまして、自分の子育てを見詰め、ゆとりと自信を持って子供に向き合うことができるように期待しているところでございます。

回答者:知事政策室長(寺林 敏君)

 住宅用火災報知器の設置状況等についての御質問にお答えいたします。
 住宅用火災報知器の設置状況につきましては、消防庁において、本年6月時点の普及率を推計しておりますが、この推計結果によりますと、県内全体の設置率は50%を超えている市がありますが、県平均では30.2%となっております。これは全国平均の28.2%に比べれば高い数値ではございますが、まだまだ普及率を高める必要があると考えております。
 住宅用火災報知器を設置した場合に、住宅火災100件当たりの死者数が、設置していない場合に比べますと3分の1になるという統計データが出ていることからも、県としては、引き続き市町村消防を初め地域に根差した消防団や婦人防火クラブと連携し、さまざまな広報の機会をとらえて積極的に周知を図ってまいりたいと考えております。
 また、火災発生時の火災報知サイレンにつきましては、消防団員召集と地域住民や地域の自主防災組織への火災発生の広報となっております。消防団は、こうした火災報知サイレンが鳴り渡る非常時において、常備消防と連携しながら消火活動を行うことはもとより、日常においても、各家庭における防火指導や防火訓練、巡回広報など地域に密着したきめ細かな活動を行うなど、住民生活を守るために重要な役割を果たしております。
 県としては、このように重要な役割を果たしている消防団の活動について、県民の皆様方に十分理解していただけるよう、例えば火災報知サイレンが鳴り渡ったときに、消防団活動に感謝の心を持ってもらうなど、市町村と連携しながら、PR活動やキャンペーン活動に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、消防団員の確保等についての御質問にお答えいたします。
 高齢化の進展や社会構造の変化などにより、全国的に消防団員が減少する傾向にあり、本県においても、団員の確保や若手消防団員の育成などが大きな課題になっております。
 また、市町村、地域ごとの消防団の定数につきましては、火災や地震、風水害等の災害に関する業務などを円滑に遂行する上で必要な人員を、人口、そのほか地理的条件など総合的に勘案して、各市町村の条例などで定められているところであります。
 消防団は、みずからの町はみずから守るという郷土愛護の精神を持って、消火活動を初め、さまざまな災害時の対応などの幅広い分野で、地域防災のかなめとしての役割を果たしており、その役割は大変重要なものであります。
 このため、住民の安全・安心のため消防団活動を活性化し、地域防災力の一層の向上を図ることが必要であり、本県では、市町村が行う消防団活性化事業に補助するほか、各種媒体を活用した広報、消防団員確保に向けた事業所への働きかけなどに努めてきているところであります。
 こうしたことにより、本県の消防団員数は、近年約9,700人ほどで推移しており、人口1万人当たりでは87.3人となっており、全国平均の69.9人を上回っております。
 今後とも、市町村や関係団体等と十分連携を図りながら、常備消防と消防団が車の両輪となって、地域の実情に応じた活動ができるように支援してまいりたいと考えております。
 以上でございます。