2010.09.28 : 平成22年経営企画委員会

質問者:吉田委員

 質問はゆっくりしなさいというアドバイスをいただいたのですけれども、私の持ち時間が短くなっておりますので、素早く言ってもお許しいただきたいと思います。
 きょうは観光振興について、特に宿泊についてお聞きします。観光といいますと、基本的にまずは家から外に出て動く、移動する。それから何かを見たり何かをする。そして食べる。寝る。帰る。簡単に言うとこれだけのことしかないのではないかと思うのですが、そういう中で宿泊は非常に大きな位置づけになり得ると考えております。
 県内には、例えばおわら風の盆とか、むぎや祭とか、大きな祭りがいろいろとありますし、また、大きなフォーラムが開催されるときなど、普段よりも人がたくさん来る場合が年に何回かあると思います。
 そこでまず、県内での宿泊のキャパシティーは足りているのかということ、それから富山県には、通常どれぐらいの宿泊者を受け入れられるような施設が整っているのかということをお聞きします。例えば病院の場合ですと、病床数ということで、ベッドが幾つあるのかを基本としていろいろな事を考えていくのです。けれども、観光に関しても、もちろん、泊まるところがどれだけあるのかをベースとして押さえたほうがいいけれども、押さえ切らなくても進むという面があります。このことについて、まず小城観光課長にお聞きしたいと思います。

回答者:小城観光課長

 お答えいたします。
 おわら風の盆のような大きな祭りの場合には、県内全域で予約が困難となりますが、富山県内でこのようなことになる期間は、実は観光関係ではおわら風の盆の3日間だけとなっております。また、大きな学会等があったときも非常に混雑することはありますが、これについては、最近では日本建築学会があり1万人来られた際に、富山市内はほぼ全部満室という状況になりましたが、こういった日数はおおむね年間を通じて数日間程度と聞いております。
 それで、宿泊のキャパですけれども、5年前と比較して今どうなっているかということも含めてお答えいたします。ホテル全般では増加傾向にありまして、5年間で10施設ふえて、今は県内に90施設ございます。
 また、旅館は逆に減少傾向でございまして、この5年間で68施設減少しまして、現在433施設となっております。また、民宿といったいわゆる簡易宿泊所につきましても、やはり減少傾向にございまして、28施設減少して現在196施設となっております。
 これを客室数、いわゆる定員ということで申し上げますと、ホテルにつきましては、おおむね総計7,500室でございます。また旅館につきましては約7,900室、また定員の定めのない山小屋とか民宿は、またこのほかにつけ加わるという状況となっております。

質問者:吉田委員

 7,500室に7,900室、それプラス幾つかという数が、他県と比べたときにどういう状況かというのが、わからないのですけれども、おわらの風の盆がブレークしたのが10年ぐらい前のことだと思います。そのとき、当初の二、三年間はおわら風の盆があるときには、町なかに来ても泊まるところがなかったり、あるいは食べるところがなかったりで、祭りをやっているのだなということが、富山市内にいてもよくわかったのですが、最近はそういう状況が解消されていると思うのです。そのような状況になったということは、今ほど課長がおっしゃったように、キャパを超えてしまっていたということでしょうから、宿泊についてはそうなのでしょう。このことについて、課長は、おわら風の盆に来たい方が、富山でおわら風の盆を、宿泊も含めてしっかりと楽しんでいただいていると認識されていますか。

回答者:小城観光課長

 来たい方は、おおむねそうだろうと思っておりますが、ただ翌日の行程で、おわら風の盆を見た後、高山へ行きたいとか、あるいは、能登半島へ行きたい、金沢を見たいという方が、そちらのほうが便利ということで、あらかじめそこで前泊される例もあると聞いております。

質問者:吉田委員

 今ほど富山市内でホテルの数が幾つかふえているという話をお聞きしました。観光へ行ったときの宿泊についても、私たちはただ寝るためだけの宿でいいやというときと、夜も朝もしっかりと御飯を食べるというような、2つの泊まり方に大きく分かれると思います。
 富山市内で、特に富山駅前を見てみますと、新幹線開業の関係もあるのでしょうけれども、素泊まりタイプのホテルが今ふえているのではないかと感じています。私が申し上げた2つに分類した場合に、タイプ別でホテルがどういうふうに稼働しているか、それからお客さんがどういう状況でそれを利用しているかということが、わかればお答えいただきたいと思います。

回答者:小城観光課長

 まず県内全域で見た場合のホテルの稼働状況についてです。稼働状況につきましては、県下全体の平均稼働率は47.7%で、これは全国平均が59.7%なので、10ポイントほど低くなっております。これをタイプ別に見ますと、委員がおっしゃるとおり旅館につきましては、富山県では47.4%、全国は49.4%とほぼ同じでございますが、リゾートホテルにつきましては、富山県が42.9%、全国は53.3%、またビジネスホテルでは、富山県が52.1%、全国が67.2%、またシティーホテルにつきましては、富山県が59.3%で、全国が71.1%となっており、少し差が開いている状況でございます。

質問者:吉田委員

 今ほど教えていただいた数字の中で、ビジネスホテルでは県は52%、全国では67%と、それからシティーホテルについても少し低い状況にあると。これが富山県の今の現状なのでしょうけれども、こういう状況は観光のみならず、駅周辺のまちづくりのところにも影響してくると思いますが、こういう富山県の状況の中で、まだ新しいホテルをつくっているのです。ということは、最終的には新幹線が来たときに、全体の状況が整うということでしょうけれども。
 宿泊のキャパを考えたときに、例えば金沢の駅前を考えると、結構大きなシティーホテルも当然その中に入っていると。富山の場合は、駅前にはシティーホテルというものがほとんどなくて、いまだに稼働率が低いと言われているビジネスホテルが幾つも建っていると。こういう状況について、もし県として認識しているところがあればお答えいただきたいと思います。

回答者:小城観光課長

 個々のホテルがつくられる理由その他については、我々のほうでは直接聞いたことはございませんが、それぞれ新幹線開業後のビジネス展開やその他のニーズを予測しての行動だと考えております。
 富山県は、もともと製造業がとても盛んな県でございまして、実際、県内の宿泊施設は、多くのビジネス客でにぎわっております。ビジネスホテル以外の旅館、あるいはシティーホテルでも、相当数のお客様はビジネスユースというふうに聞いておりまして、富山市内では約半数、魚津とか宇奈月温泉の旅館でも、実は泊まっておられる方の相当数がビジネスユースであるということは聞いております。

質問者:吉田委員

 今ほどのお話をお聞きしまして、やはり数字とすれば富山県はまだ余裕があるということだと思いますので、いかにそれを利用してもらえる人たちを引っ張ってくるかという話なんだと改めて認識させていただきました。
 最後ですけれども、来月の10月16日から19日までスポレクとやまが開催されます。本当に間近に迫ってまいりました。これも富山県内にいろいろな人たちが来る一つの大きなイベントだと思いますが、このイベントで本県に来ていただいて、泊まって、観光していただくことが期待されますが、現段階での取り組み状況を引き続き課長にお聞きします。

回答者:小城観光課長

 このスポレク祭には、選手、監督、あるいは役員の方など、県の内外から2万人、そのうち県外からは9,500人の方々の参加が見込まれております。とりわけ県外からの参加者の方々には、できるだけ多く富山県内に宿泊していただきたいと考えております。このため、教育委員会としっかり連携いたしまして取り組んでおります。開会の3カ月前、2カ月前、1カ月前という形で段階的に勧誘を続けております。
 具体的には3カ月前にあたる7月には全チームあてに観光パンフレットを送付したほか、宿泊がまだ決まっていないチームの方々や応援者の方々のために、県内宿泊を促すための観光と宿泊の案内チラシを同封して送付いたしました。また8月、9月には、全チームあてにことしの紅葉の見どころや秋の食事の魅力などを満載した案内チラシも送付させていただきました。
 そういったことで、協力しながらPRに取り組んでいるところでございます。

質問者:吉田委員

 きめの細かい対応に感謝したいと思います。
 予算特別委員会で、おもてなしについての質問のときに、紙一枚のものでも、とても大きな効果があるという実例を用いた紹介がありました。
 私はこのスポレクとやまについては、きときと君の存在が大変大きいと思います。県の皆さんが本当に一生懸命考えられて、幼稚園や保育所の子どもたちのみんながよく知っていますし、こういうものは、おもてなしの一つとして、大勢の方が来られる大会開催中にぜひ大活躍していただいて、願わくばもう1泊していこうかということになるように期待したいと思います。ありがとうございます。