2010.12.06 : 平成22年11月予算特別委員会

質問者:吉田委員

 始めます。
 お昼の休みの時間に新聞を見ておりましたら、サッカーの岡田監督の一面の広告が出ていまして、「夢を本気で信じたことはあるか?」というキャッチフレーズで、「攻めの2011年へ」とありました。私も、あしたのために何か役に立てるはずだと、そういう夢を持ってこの世界に飛び込みました。今回は、ふるさとについてということで、大切なふるさと富山についての質問をいたします。
 ふるさとといいますと、お隣の県の詩人ですが、犀星の「ふるさとは遠きにありて思ふもの そして悲しくうたふもの」、これが思い出されます。また歌で言うと、そのものずばり「故郷」という歌もあります。「兎追ひし かの山 小鮒釣りし かの川 夢は今も めぐりて 忘れがたき 故郷」
 本当に厳しい時代が今、目の前に、もう入っているかもしれません。変化、危機のとき、そして富山県一つをとっても、県内にもさまざまな問題、そして地域の北陸にもさまざまな問題があります。ここをしっかりと切り開き、未来につないでいくためには、何よりも県民が結束し覚悟を持って事に当たる、これが何より、これしか道がないのではないかと思います。そして、そのときによりどころとなるのが、私は「ふるさと」というキーワードではないかと思います。
 あまりしゃべり過ぎるとまたあれなので、まず、ふるさとについて、これを思い起こしてくれるものは何か、いきなりですけれども、石井知事にお聞きいたします。

回答者:石井知事

 私にとりまして、まずふるさとを思い起こしてくれるものといいますと、私を温かく見守りはぐくんでくれた親──これは残念ながらもう亡くなりましたが、また家族、学校の先生方、地域の方々でございます。
 また、子供のころ、学校近くの野や山、林で遊んだり、牛ケ首用水でナマズを捕まえて遊んだり、また立山に登った体験も大切でありまして、富山の豊かで美しい自然はふるさとそのものだと思っております。
 また、私は小学校5年ぐらいまでは野球少年だったのですが、5年ぐらいになって、中学生のお兄ちゃんたちのプレー姿に影響されましてサッカー少年となり、中学時代はすぐれた指導者やよき友人に恵まれて、平日の放課後とか土日、夏休みはサッカー漬けの日々でございました。おかげで、新人戦や県大会でも優勝できたといった思い出もありますが、やっぱり当時のサッカー仲間とか、またその当時の同期生、そういう仲間、友人というのは、ふるさととまさに一体となって、ふるさとといえば、そういう方々のことを思い出す、こういうことであります。
 こうしたふるさとを大事に思う気持ちというのは、県民の皆さんもみんなそうですが、これからも大事にして、例えばふるさと教育の問題であれば、学校はもちろんですけど、家庭や地域、企業などにも参加していただいて、県民みんなで進めていきたいと思っている次第でございます。

質問者:吉田委員

 いきなりでしたが、ありがとうございます。
 今ほど知事からいただいた「ふるさと」という言葉、すらすらと出していただきましたが、それは答弁が用意してあったからではなくて、知事は一度東京に出ていかれて、そして戻ってこられた、このことがやはり、御本人がふるさととは何かということを私よりも数段感じていらっしゃるなと、そう思って聞きました。
 ふるさとを本当に感じるには、私はまだまだ未熟だなと思いますけれど、やっぱりそれぞれの年代でふるさとを考えることが大事ではないかなと思います。
 そういう私の中でも、ふるさとを考えたときに最初に出てきたのは、食べ物が好きなこともあるのですが、味のことを思いました。ふるさとの味というとやっぱりみそ汁で、それが母の味というのはあまりにも定番な話かもしれませんけれど、そこに私のふるさとの思いがあります。それは、みそ汁の味がどうのこうのということではなくて、先ほど知事の言葉にもありましたが、ふるさとは人とのつながり、きずなを確認する言葉だと思います。だから、どうやって朝のみそ汁をだれと一緒にすすったのか、そういうことこそがふるさとの思いになるのではないかなと思います。
 きょうは、ふるさとについてということで幾つかの質問をするのですけれども、副委員長に先にお聞きしますが、歌がいろいろかかわってまいります。ワンフレーズぐらい歌ってもよろしいのでしょうか。

回答者:矢後副委員長

 許可します。

質問者:吉田委員

 ありがとうございます。  今、みそ汁のことを言いましたが、みそ汁で富山県民がよく思い出す歌があると思います。「雪がしんしん降る朝は つるぎ・立山・黒部は寒く 雪ちゃんの便りはこうじみそ」、こういう歌もぽっと出てくるくらいに、富山県民にとってもみそ汁というのは非常に親しみのあるものではないかなと思います。
 まず私は、食べ物からふるさとに切り込もうと思うのですが、朝食、御飯食についてということで質問いたします。御飯食ということで言いますけれども、御飯であれパンであれ、一日の中でも朝食の時間が家族にとって大事な時間ではないかなと思います。
 まず、朝食の内容、それから所用時間、欠食状況など、県民の朝食の状況を把握することが私はとても重要だと考えております。このことについてはいかがでしょうか。飯田厚生部長にお聞きします。

回答者:飯田厚生部長

 お答えをいたします。
 朝食につきましては、眠っていた体と頭を目覚めさせまして、一日の生活リズムを規則正しくする役割がございますなど、正しい生活習慣の重要な要素でございますことから、県におきましては、おおむね5年ごとに実施をいたしております県民健康栄養調査の中で、朝食の状況につきましても、その実態を調査してきているところでございます。
 なお、直近の調査は平成16年に実施しましたが、今度は、平成25年からの計画期間を予定しております新しい富山県健康増進計画の基礎資料とするため、先月11月から調査を実施いたしているところでございまして、御質問のございました朝食の状況の詳細につきましては、年明けの3月までに取りまとめる予定としているところでございます。
 なお、ちなみに、その調査の項目には料理名も入っておりますので、みそ汁の状況も調査できるかと思います。
 以上でございます。

質問者:吉田委員

 最後のところ、特に料理名を調査してもらえるというのは大変いいことだと思います。今ほど部長の答弁でいただきましたが、調査のときに毎回新しい項目を加えていただいて、そしてそのことが今後の計画の基礎資料になるということは非常に大切な考え方ではないかと思います。
 答弁いただいたとおり、残念ながら平成16年から6年たっておりますが、これが12月には調査が終わるのですか。平成2年から調べていただいている朝食について、例えば欠食状況ですとか、今、特に食育ということを取り上げておりますので、この結果がどんなふうに動いているのかということに、とても興味がありますので、また動きを見ていきたいと思います。
 食育──ここ近年、非常にクローズアップされた言葉ですが、朝御飯の役割、これを食育の中でどのように位置づけているのか、このことをまず寺井農林水産部長に確認したいと思います。お願いします。

回答者:寺井農林水産部長

 県におきましては、食育を県民運動として推進しておりますが、その中でも朝御飯をしっかり食べることは、睡眠中に低下した体温を上げる作用や、脳の働きを活発にして集中力を高めるといった効果もあるとされておりますし、特に子供には健康な体をつくるために大変重要であります。
 このため、食育の取り組みといたしまして、朝食を欠食する子供たちの割合を減らすために、小中高生とその保護者を対象にして、「毎日しっかり朝ごはん」運動を推進しますほか、地域や家族を対象にミニコミ誌やパンフレットによる情報提供、JA女性組織協議会の朝ごはん食べよう運動への支援などに努めているところであります。
 先月、県の食育推進会議と地産地消県民会議の合同現地検討会へ同行いたしまして、高岡市立下関小学校を訪問しましたが、朝からスッキリパワフル週間という形で、年4回、親子で1週間の朝食のメニューを記録するといった運動をしておられます。これによりまして、朝食をとっている子供の割合は、平成19年の95%から21年には100%になったと聞いておりますし、保護者の皆さんからは、親子の会話も弾んで、大人の食生活改善にも役立ったというお話を直接伺ってきました。
 下関小学校は、そういったことから、先月、文部科学大臣賞を受賞されましたが、こうした取り組みが全県下で実施できれば大変すばらしいことだと思った次第であります。
 今後とも、教育委員会や厚生部とも連携して、健康な食生活の基本として、朝御飯をしっかり食べる習慣づくりに取り組んでいきたいと考えております。

質問者:吉田委員

 今ほど、すばらしい100%という事例を出してもらいました。私がインターネットで調べたところでは、富山県にその事例がまだ出ていなくて、お隣の長野県でそういうことに取り組んで、その成果が、今ほど部長がおっしゃったような、本人たちのみならず家族全員に対しても大きな効果があるということを示していたのですけれども、今ほどの話を聞いていてやっぱりそうなのだなと感じたところです。
 朝御飯が児童生徒に対して、具体的にどのような影響を──プラスのことでお願いしたいのですが──与えるのかについて、東野教育長にお聞きします。

回答者:東野教育長

 毎日決まった時間に朝御飯を食べるということは、文部科学省の調査でございますけれども、毎日朝食を食べる子供のほうが学力調査の平均正答率が高い、体力テストの合計点も高いなど、学力や体力に大変よい影響があることが示されているところでございます。

 また、家庭生活への影響といたしましては、朝御飯を決まった時間に食べることのできる家庭環境、生活環境にもつながる大変大事なことだと考えております。

質問者:吉田委員

 まさにそのとおりだなと思って聞いていました。
 朝御飯ということで、今回私は、朝御飯の中身についてはまだ踏み込んでいないのですけれども、児童生徒に対してしっかりとしたプラスの影響があることが確認されているということですので、ぜひここを積極的に、まず食べる、食べないという話について、子供の意思もありますけれど、親のしつけとまで言っていいかわからないけれども、どういう考え方で朝御飯に臨むのかというところが非常に大事なことではないかと思います。
 親を学ぶという教育もありましたけれども、東野教育長はこのあたり、親に対して朝御飯のことをPRしていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。

回答者:東野教育長

 県教育委員会といたしましては、とやまっ子生活習慣推進事業を各中学校区で行っております。これは、地域の関係者──中学校長とか小学校長とか児童クラブとか自治振興会とか、いろいろな方が、この地域では何が大切かということで、一番多く上がってきているのが、早寝、早起き、朝御飯という決まった生活習慣でございます。
 これを持ち帰っていただきまして、地域の会合等で家庭にも呼びかけ、またPTA連合会等を通しまして、このことは大変大切だということでございますので、さらに働きかけてまいりたいと思っております。

質問者:吉田委員

 ここで、久しぶりに私の妻を登場させようかなと思います。
 私、外ではかなりの暴れ者ですが、家に帰ると暴君、絶対家長制をうたっております。
 うちの朝御飯は、ほとんど9割方パン食でした。私はたまたま雑誌で、みそ汁の効能、重要性という記事を読みました。このみそ汁を自分自身も本当に飲んでいない。結局、子供と大人もみんな一緒になるのですが、朝御飯は、私は御飯だから、私はパンだからということはなかなか難しいと思います。私の中のふるさとの記憶は母ちゃんのみそ汁の味だと冒頭申し上げましたが、これを自分の子供にもすり込みたいと思いまして、平日は御飯、週末のみパンという我が家の条例を通過させました。
 みそ汁を飲ませることが目的でしたから、私は十分それでよかったと思っていたのですけれども、いろいろな変化があった中で妻が言いましたことは、やっぱり確かに子供にとってさまざまなプラスの面が出てきたと思ったとも言ったのですが、具体的にどうかと聞いたら、家計が助かったという意外な一言を言いました。御飯食とパン食の違いがそういうところにも出てくるというのはおもしろいと思って聞いていました。
 続いて、先ほど寺井部長からいただいた答弁の中で、地産地消というところのつながりで、特に御飯食の場合、私は大きなさまざまな効果がねらえるのではないかと感じました。実際に我が家でも米を食べることを進めてみたときに、みそ汁とセットになって、例えば納豆、豆腐──これはすべて大豆からつくりますから、地産地消という観点だけで言うと、御飯食は富山県のさまざまな食材に非常に大きな優位性があるのかなと感じたところです。
 この御飯食の現状と課題について、寺井部長にお聞きします。

回答者:寺井農林水産部長

 食生活の洋風化などに伴いまして、国民1人当たりの米の消費量は大変減ってきておりまして、平成21年には年間58.5キロと。30年前に比べ約30%減っているということでございます。こういったことに伴いまして、脂肪分のとり過ぎなども重なって生活習慣病が増加してきているなどの弊害もあり、改めて、米を中心とした栄養バランスのよい食事が見直され、国全体としても推奨されております。
 御飯食は主食である米を中心に、委員が御推薦のみそ汁、豆腐などの大豆加工食品、魚や肉、野菜などをバランスよく摂取できる食事方法でありまして、身近にある地元産の農林水産物や加工品の消費拡大にもつながるものと考えております。
 こうしたことから、県の食育推進計画におきましては、富山米と新鮮な魚や野菜など、しゅんの地場産食材や伝統的な食文化を生かした栄養バランスのよい富山型食生活の普及を図ることにしております。具体的には、富山型食生活のモデルメニューの紹介でありますとか、学校給食や企業の社員食堂におきます地場産食材の活用推進などを図りますとともに、供給面ではおいしい米づくりや1億円産地づくりなどの生産振興に取り組んでおります。
 今後とも、富山型の食生活の普及に努めるとともに、地産地消の機運を高めながら、富山米や地場産の魚や野菜などの消費拡大に努めていきたいと考えております。

質問者:吉田委員

 本定例会でも、宮本議員から富山県のふるさと認証食品制度ということで質問があったと思います。私も、ふるさとという言葉が認証される食品制度はどんなものがあるのかなと思って、もう一回パンフレットを見てみました。いろいろありますが、やっぱり富山の場合は御飯からつながっていく食材が、ふるさと認証食品としても数が多いと思いました。
 けれども、この中にも例えばジャム類ですとかパン類、さまざまなふるさと認証食品も出てきます。今回は御飯の応援をしましたが、次回はパンの応援をしなくてはいけないなと思っています。  またふるさとの話に戻ります。
 ふるさとの食べ物、食、料理というと、今ほどずっと話題にしておりました母の味、うちの御飯、言葉で言えば、例えば郷土料理があると思います。また、特に今、県が言葉として取り組んでいる越中料理もあります。これらを取り上げたいと思います。
 まず初めに、郷土料理というものを改めて見つめ直して、私は観光での切り口、あるいは地域おこしの素材として積極的に生かしていきたい、これがいいのではないかなと考えています。
 まず郷土料理といったときに、何を思い浮かべるかということも人それぞれでありますし、そのことも含めて、まず五十嵐観光・地域振興局長にお聞きします。

回答者:五十嵐観光・地域振興局長

 まず、郷土料理といったら何を思い浮かぶかということですけれど、私の場合は昆布じめとか昆布巻き、ブリ大根を思い浮かべます。
 委員がおっしゃるように、郷土料理を見つめ直して地域資源としてとらえ、観光振興や地域活性化に生かしていくことは大変重要な視点だと思っております。
 また、県外からの観光客のアンケート調査を見ますと、富山県への旅行目的として、地元のおいしいものを食べたい、そういったことを挙げる割合が全国と比較して非常に高いです。全国平均では約34%の人が食べ物と言っているのですが、富山県に来られる方は45%になっております。やはり、富山県では食の魅力が観光資源の重要な要素になっているのではないかと思います。  また、富山県を代表する観光地、観光資源の立山黒部アルペンルートとか黒部峡谷は、冬の期間は閉鎖されます。それで、富山は冬の観光力に弱いところがありまして、この食を売り出した観光対策が切り札になってくるのではないかと考えております。
 このため、とやま食の匠の認定、とやま食の街道、越中料理などで、これまでも富山ならではの食の魅力を発信しておりましたが、今後とも農林水産部と連携を図りながら、食のブランド化とそのPRに積極的に取り組んでまいりたいと思っております。

質問者:吉田委員

 今ほど、特に郷土料理というところで言及していただいたわけですけれども、外から来る人で、特に食べ物に興味を持っている人がどういう食べ物に期待をしているかというと、平生、私たち富山県民がうちで食べているものに近いもの、そういうものを食べたいというのが今の観光の本当に大きなポイントだと思うのです。
 私たちは富山にいてもなかなかブリだとかズワイガニだとか、そういうものはもちろん食べられるわけではないですし、またそれが食材として必ずあるわけではないのです。でも、局長が今言われた昆布じめですとか、それらのものは基本的にはスーパーに行けばあって、私たちが日々食べているものだから、それを提供することはできる。
 僕は、観光については、ホテルですとか旅館も勇気を持たなくてはいけないとかねがね思っています。それはどこの旅館街でもいいのですけれども、ついつい私たちはおもてなしの気持ちといったら、普段、私たちでも食べないようなものを出したりするのがおもてなしと……。それは当然わかります。だけど、そうではなくて、相手が本当に食べたいものを出すのがおもてなしだとすれば、昆布じめというものは、私たちの富山の本当に大切な文化、そして味ですから、これを自信を持って出すことが相手に喜んでもらえることであり、ここが乗り越えなくてはいけない大切なハードルだと思います。
 私自身、県内でもいろいろと宿泊するときがあるけれども、この料理をお出ししていて、本当に県外のお客さんに富山を印象づけて帰っていただけるのか心配だなと思うことが結構あります。そんなのだったら、富山の昆布じめを出したりとか、ニギスの干物を出したりとか、そういうもののほうがよっぽど、来て、ああ、あの味がよかったと……。
 いつも言っていますけれども、味というのは本当に記憶に残ります。2回目来ようかなと思うかどうかという分かれ目は、ほとんど味にかかっていると言ってもいいくらいだと思いますので、ぜひここにまた力を入れて作戦を練っていただきたいなと思います。
 もう1つ、越中料理というのがあります。おもてなし「越中料理」コンテストを先般やられたと思いますが、この優秀作品決定の後、越中料理という概念と言えばいいか、この言葉がどのように展開しているのか、引き続き、五十嵐局長にお聞きします。

回答者:五十嵐観光・地域振興局長

 越中料理への取り組みですけれども、コンテストで優秀な作品につきましては、本年の1月から約1カ月間、「越中料理」とやま冬のおもてなし2010キャンペーンを展開しまして、料理コンテストで優秀な成績であったお店で特別メニューとして提供していただきました。それで、この期間中、県内では8つの店において延べ5,000食近くの越中料理を提供してきましたが、来店者の9割以上の方が満足されたという結果になっております。
 それで、さらに今年度におきましても、県外向けには去る11月27日に東京都内のクッキングスクールで、料理教室の受講生を対象とした越中料理──これは昆布じめが主ですけれど、レッスン講座を開催したところです。また、来年の2月に都内で有名シェフがつくる越中料理の食事会の開催も予定しております。
 また、県内向けにつきましては、来年の1月から実施する予定でございますけれど、大手スーパーマーケットとタイアップした越中料理の紹介を行い、また県内のお弁当の専門店の協力を得まして、越中料理弁当の開発とかPRに取り組むこととしております。

質問者:吉田委員

 それでは次に、ふるさとの歌についてに入りたいと思います。
 まず、富山県民の歌を取り上げます。
 ウィキペディア──インターネットの調べる画面ですけれども、都道府県民歌で調べてみました。全国で県民歌というタイトルのものを持っていないところも幾つかあるのですけれども、ほとんどが同じ時期につくっているという状況です。
 富山県民の歌、本当にすばらしい歌だと思います。私は、先般行われたスポレク祭でこの歌が入っていたことが、本当にうれしかったです。そして私自身、横に梶先輩もおられましたが、目いっぱいの大声でこの歌を歌わせてもらいました。そして会場では、たまたまそういう年齢層の方々が多かったのかもしれませんけれども、大合唱になって、ああ、この歌はこういうふうに使われるべきものだなと、現場を確認させていただきました。
 県主催の式典において、富山県民の歌を積極的に歌うべきだと私は思います。現状とあわせて、柳野知事政策局長にお聞きします。

回答者:柳野知事政策局長

 現在、県が主催する式典で富山県民の歌が歌われていますのは、スポーツ関係の式典であり、委員が御指摘のスポレクとやま2010の開会式でも斉唱されたほか、県スポーツフェスタ総合開会式、北信越国体や県駅伝競走大会の開会式で歌われているところであります。
 これは、現在の富山県民の歌が元来、昭和33年の富山国体の開催に合わせて制作されたものであり、大変躍動感のある歌となっており、スポーツ行事になじみやすいことから、スポーツ関係の式典で歌われているものと思っております。
 こうしたスポーツ行事を含め、県主催の式典において富山県民の歌を斉唱するかどうかにつきましては、各式典により、その開催目的や式典の趣が異なることから、それぞれ個別に判断されるものと考えております。
 以上でございます。

質問者:吉田委員

 今ほどこの歌は躍動感があると言われましたが、そのとおりです。そして、スポーツの祭典のためにつくった歌だからということはおっしゃるとおりです。
 富山県民の歌の歌詞を見てみますと、1題目、「仰ぎ見る 立山連峰 朝空に 輝くところ 躍進の 理想かざして 高らかに 生産の歌」と始まるわけです。この歌詞は非常に格調高い。この歌を通常のスピードで歌うと元気なマーチみたいな歌になるのですけれども、半分のスピードで歌えば一遍に格調の高い、どんなところでも国歌に匹敵するような雰囲気を醸し出すことも可能だと私は思っています。
 だから、使い方だと思うのです。この歌をぜひもう一度見つめ直していただいて、さまざまに使っていただきたい。特に富山県民の歌を知っているか知らないかというと、私は今40歳ですけれども、40歳の方でさえほとんど知らないのではないかなと思っています。自分自身はたまたま中学生のときに、県のイベントに参加し、この歌を覚える機会をいただいたので、だから今でも歌えます。けれど、大方の人は歌えないと思っています。
 私は、もう一度積極的に若い世代に富山県民の歌を教えて引き継いでいくことが、ふるさとという意味では大切だと思いますが、今後、富山県民の歌に対してどのように取り組んでいくのか、引き続き、知事政策局長にお聞きします。

回答者:柳野知事政策局長

 現在、県では、富山県民の歌を実際に聞きたいという県民からの要望にこたえるため、県のホームページ上に歌詞と楽譜を掲載するとともに、歌入りの楽曲をダウンロードして聞くことができるようにしております。私も国体のころに小学生低学年でございましたので、運動会でよく歌っていた記憶があります。大変に元気が出る歌だと思っており、先ほども申し上げましたとおり、現在もスポーツ行事で歌われているなど、一定の役割を果たしているものと思っております。
 しかしながら、富山県民の歌は、現代の若い世代の方が口ずさむには、歌詞や曲調にややなじみにくい面もあるのではないか、それから躍動感にあふれる曲であるため、歌ったり、演奏したりする場面も限られてしまうのではないかと、そういった課題もあると思っております。
 若い世代に引き継ぐ方策等につきましては、引き続き検討してまいりたいと考えていますが、できるだけ自然な形でスポーツ大会等において歌い継がれていけばよいと思っているところであります。

質問者:吉田委員

 富山県の県民手帳にもこの歌がしっかりと載っていると、今ほど助け船をいただきました。部長の答弁では、スポーツとこだわりになられますけれども、私はそうではないと思います。そして、この歌について、少し歌詞が時代にそぐわないのではないかとおっしゃる意見があるのは、意見だから私はもちろんいいと思うのです。私が二十何年前に聞いたときも、「生産の歌」って何のことかなと思いました。でも、それが今になって私は、「生産の歌」と高らかに歌い上げようとした富山県民のそのときの気持ちをもう一度感じることも、大切なふるさとの歌としての位置づけではないかなと思います。
 だから、いろいろな意見があると思いますが、もしそこまで言われるのであれば、私は若い人に聞いていただきたいと思います。この歌は古くさいか、歌としてどんな感じがするのか、ぜひそういう声をしっかりとつかまれた上で、この歌が古くさいとか、そういう判断をしてもらいたいと思うのです。
 どうしてかと言いますと、栃木県の県民の歌というのも、またウィキペディアですみませんけれど、これで見ましたら、つくられている時期は同じようなころ、そして歌を聞いた感じも、富山県民の歌ほど元気ではなかったですけれども、そんなに大きく……。この歌が県内の公立学校で歌われることが多い。そして、県域のラジオや栃木放送というテレビ局でも放送開始、終了などに歌っている。だからこれはもちろん、私は県だけの問題でないと思っているのです。
 富山県民の歌は、富山県のホームページを見ても楽譜つきで出ています。御存じだと思いますが、楽譜の左上に「富山県選定」と書いてあります。だから、私はこれらの歌を若い者にどういうふうにして歌ってもらえばいいのか。
 栃木県の例では、栃木県にもサッカークラブがあるそうですけれども、県民の歌の1番目を歌ってサッカーを応援していると言うのです。それを事実としてやっているわけだから、私たちは富山県民の歌をどんなふうに生かしていけばいいのか、その努力をした上で、だけど時代が合わなかったらこの歌はだめだということになるのではないかなと思っています。
 私自身も努力して、いろいろな機会にこの歌の魅力を伝えていきたいと思います。ぜひ、県の当局の皆様にも応援していただきたいと感じます。
 もう1つ、若い世代にということだったので、栃木県のホームページの中では、携帯の着メロ──私は携帯がよくわからないのですが、これをぱっと取れるというサービスもやっているということでありました。だから、いろいろな試みはできると思います。ぜひお願いしたい。  次に、富山県民の歌から離れて、今話題になっています新しいふるさとの歌について幾つかお聞きしたいと思います。
 今ほど話題としました富山県民の歌と、新しくこれからつくっていこうというふるさとの歌ですが、これらがどのような役割分担になっていくのか。このことはここ最近、ふるさとの歌について、私自身も一生懸命議会でのやりとりを聞いているのですけれども、新しいふるさとの歌がどのように位置づけられて、役割が期待されているのか。役割が期待されているというのは歌に失礼かもしれませんが、簡単に言うと、使われる場のイメージ、こういうことをぜひお聞きしたいと思います。石井知事にお聞きします。

回答者:石井知事

 富山県民の歌は、私も大変好きでありまして、これは昭和33年の富山国体開催の際に一般公募で選定されたわけであります。大変躍動感あふれる歌でありまして、先ほどもお話がありましたが、スポレクとやま2010の開会式とか、県のスポーツフェスタ総合開会式などでも歌われております。
 一方、お話のふるさとの歌につきましては、ことし2月のふるさと教育有識者懇談会で、「現在の県民の歌を歌い継ぐとともに、子供から大人まで幅広く県民の皆さんが愛唱できる歌の制作について検討すべき」といった提言もいただきました。また、ことし5月に開催された富山県ふるさと教育推進協議会でも、委員の方から県民がふるさとを思い、親しみや誇りを持つための歌づくりを求める意見が多く出ましたので、部会を設置して、検討を進めていただいております。
 この部会で実施しましたアンケート調査によりますと、3分の2を超える方から「ふるさとの歌があったらよい」「どちらかと言えばあったらよい」という回答をいただいております。また、どんな歌がいいのかということにつきましては、ふるさと富山への愛着と誇りをはぐくむような歌、世代を超えてみんなで一緒に歌える歌、県民、県人が集まったときに心を一つにして歌える歌、という回答がありました。
 こうした調査結果などを踏まえまして、部会では、ふるさとへの愛着と誇りをはぐくむ歌をつくる方向で行くべきである、それから歌をつくるプロセスが大事で、県民の参加が必要であるといったような議論がなされております。
 今申し上げたように、私自身、今の県民の歌には子供のころから大変愛着があるわけですけれども、県民の皆さんからは、委員もそうですが、雄大な富山の自然も表現されていてすばらしいとか、最近、若い人はあまり歌ってくれないが、若い人たちにもぜひ伝えるべきだという意見が確かにあります。
 ただ一方で、若い人などの中にも、これは躍動感もあって、例えばスポーツの行事などには大変いいけれども、行事の性格などによってはちょっと場の雰囲気に合わない面もあるのではないかといったような声も一部に見られます。
 こうしたことから、今の県民の歌を廃止するということではないですよ、それはそれでいいのだけれども、ふるさとを思って誇りや連帯感を持つ、また、若い人を含めて心の支えになるようなふるさとの歌が、もう1つあってもいいのではないかと思っております。  調べてみますと、県によっては2つないし3つ、そういう複数の県民の歌なり、それに準ずる歌を持っていらっしゃるところもございます。
 そこで、今の県民の歌はどういうところがいいか悪いかと聞くことも、いろいろ難しい問題がありますが、ふるさとの歌につきましては、この部会で県民の皆さんのできるだけ幅広いいろいろな思いなども探りながら、歌の位置づけ、期待される役割──富山県民の歌も一方にある中で、どういう場合に使ったら一番いいのかということですが、こういった検討を進めていただきたいと思います。
 この結果も踏まえて、これはやはり知事なり県議会でこうだというようなものではなくて、幅広い県民の皆さんのお気持ちをなるべく生かしていくことだと思いますので、そういう姿勢で取り組んでまいりたいと思います。

質問者:吉田委員

 改めて確認しましたが、やはり富山県民の歌とふるさとの歌というところで、問題でもないですがこのことをとらえていくと、なかなか難しいところもあります。私は聞いていまして、せっかく新しいふるさとの歌がつくられるのだから、私にしてもあまりああだこうだとこれ以上言い過ぎますと、新しいふるさとの歌にプレッシャーがかかり過ぎて、どんなふうになるのかわからないところに行ってしまっても困るなと思います。
 ふるさとの歌というのは、つくることもあるでしょうし、自然にできてくることもある。それで、知事もおっしゃいましたが、知事や議会がこれだよというものではなくて、県民の気持ちから盛り上がっていくものだというのが当然、押さえるべき一番大切なところであり、そうだからこそふるさとの歌になるのではないかと思います。
 一つの例として、私は富山市民ですからこれがいいかどうかわかりませんが、高岡の例を取り上げたいと思います。
 「高岡大佛の唄」というのがあるのを御存じでしょうか。ソウル互助会という非常におしゃれなチームがつくっている歌ですが、これは「大佛体操」というビデオまでついていまして、本当にすごいです。そして歌詞が、どう言うのでしょう、高岡の大仏を本当に自分たちの地域の宝として大事にしているのだよということが、そう言わないのだけれどもにじみ出てきています。「大仏に集え、大仏にこぞれ、大仏に祈れ、大仏とともに」って、これは大仏という言葉を富山県にかえれば、まさにふるさとのことを歌っているのではないのかと思いました。  こういう歌が地域からもできてくるということは、やっぱりすばらしいし、ふるさとの歌というのは、いろいろなアプローチの仕方があって、その中で県としての取り組みをしてみようということをぜひ前向きに受けとめて、これから進めていただきたい、私自身も進めていきたいと改めて感じました。
 続いて、歌の最後ですけれども、スポレクとやま2010のイメージソングで、きときとの夢というのがありました。私の子供が、この歌を幼稚園で覚えてきて、それ以来、毎日2階でどんどこやるのです。この歌は本当に元気で、片足でのけんけんがずっと続くものですから、きときとの夢という歌を私も覚えました。この歌がスポレクとやま2010で非常に大活躍したということは議会でも言われており、大成功だったなと、きときと君の人形とともにそう思っています。
 人形というかマスコットは今後も使うという話は聞きましたが、きときとの夢の歌についてもぜひ活用していただきたいと思います。東野教育長にお聞きします。

回答者:東野教育長

 スポレクとやま2010のイメージソングのきときとの夢でございますが、今御紹介いただきましたように大変好評をいただいたところでございます。
 私どもとすれば、CDやDVDを作成いたしまして、全小学校、幼稚園、保育所、体育施設に配布いたしますとともに、きときと君とともにキャラバン隊を編成し、あるいは吹奏楽やピアノ伴奏用の楽譜を作成し、幼稚園、保育所、小中高へ配布させていただいたところでございますし、インターネット、テレビ、ラジオで県民にも紹介したところでございます。
 高原兄さんとつかささんにつくっていただいて、大変親しまれたということでございます。当初、1,000枚を用意しました。足らなくて追加して1,000枚を用意させていただきましたが、残部が今のところ100枚でございます。特に幾つものスポレクの会場で各県の選手が口ずさみながら入場行進をしていたのを私は何回も見まして、大変感動的だったと喜んでいる次第でございます。
 今後の計画でございますが、マスコットのきときと君とともに、小学校や幼稚園での体力づくり、各種大会における準備運動、そして職場や学校、イベントでのBGM、市町村からも要望が来てございますので、積極的に使ってまいりたいと思っております。

質問者:吉田委員

 ぜひお願いします。
 それでは続いて、歌を終わって、ふるさとの計画についてお聞きします。
 今議会でも大きく取り上げております新しい総合計画の策定についてということで、自民党会派も、他会派もこのことを取り上げております。
 答弁の中に、この新しい総合計画を策定する大きな理由には、やはり新しい時代にふさわしい先見性と戦略性、そしてこの中で中長期ビジョンという言葉がキーワードとして出てきております。この3つのことをとらえただけでも、私はこの新しい総合計画は、これからの世代にとっても非常に重要なものになるなと感じます。
 総合計画審議会、この部会は既に12月2日に発足して始まっておりますから、それ以外の部分で委員の追加があると思いますが、これからを担う若者、そして今現場で頑張っている若者、これらの方々の意見をしっかりと受けとめて、それが新しい総合計画の策定に反映されなくてはいけないと思います。
 今回の審議会委員の年齢構成と言っていいのかわかりませんけれども、私は個人的には、いまだ、少し高齢の方々、年配の方々にどうしても偏っているなと感じております。前回審議会から同じ方が選ばれているという部分もあると思います。
 このことについて、新しい総合計画が、私は今ほど申したような意味での重要性を非常に感じますので、改めてどのような考えで、これが部会において進むのか、柳野知事政策局長にお聞きします。

回答者:柳野知事政策局長

 審議会の委員50名の年齢構成につきましては、30歳代から50歳代が15名、60歳以上が35名となっております。また、委員のうち、現計画策定時も委員だった方は16名、32%でありますが、今回新たに御就任いただいた方は34名、68%であり、委員のうち3分の2以上が新任の方となっているところであります。
 委員の選考に当たりましては、県政全般にかかわる計画について御議論いただくため、県民の知恵を結集するという観点から、県政全般にわたる分野を代表される方々で、幅広い年齢層の方に御就任をいただいているところであります。
 一方、審議会のもとに設けることとしております部会の専門委員として御就任いただく方につきましては、専門的見地から検討を深めるため、有識者、学識経験者のほか、さまざまな分野の現場の第一線で活躍されている実務家の方を中心に選考しており、この方には若い方々も多く含まれているところであります。
 若い世代の委員の方々には、現場の第一線の枠にとらわれない清新な御提案を期待しており、こうした若々しい元気のある声も、積極的に総合計画に取り込まれていけばよいと考えているところであります。

質問者:吉田委員

 今ほどの選定された方々は、私も傍聴しておりまして、それぞれ非常にすばらしい、熱い御意見を出しておられました。いいと思いましたが、さわりの部分で必ず、私は有識者ではございませんけれど、と言われるのです。明らかに有識者という意味での選定だったかと思います。実際に委員を募集するときにしっかりと「有識者」と書いてあります。そうすると、私が申し上げたような有識者だと言えるには何歳になればいいのか、だれもが有識者とは言えないのではないか、という話になると思います。30歳から50歳、60歳以上という区分けであったのですけれども、これについても特にさまざまな計画をつくるときには、計画の段階から参加してもらうことの重要性というのは、私たちすべての人が感じていることだと思います。
 これを具体的に行っていくためには、最初から大きな会をつくるという方法もあるでしょうが、そうではなくて、いろいろな個別の現場の意見をまずとって、そのことを有識者のアドバイスや力を得てまとめていく、こういうスタイルもぜひ次回のさまざまな計画策定のときにはとっていただきたいと思うところです。
 新しい総合計画に、今ほど私がずっと課題にしております、ふるさとを考える、ふるさとをしっかり見つめ直す、この視点を取り込んでいただきたいと思います。ふるさとについては、富山県のみならず、国としても、それぞれの団体、集まりでしっかり認識しなくては、ふるさとを残していけないのではないかなと思います。
 この新しい総合計画とふるさとを見つめ直すという考え方をどのように考えるか、続いて柳野知事政策局長にお聞きします。

回答者:柳野知事政策局長

 県民の皆さんが一人一人輝いて生きられる元気な富山県を創造するためには、心豊かで活力あるふるさとづくりに志と情熱を持って取り組む人材を確保するとともに、グローバル化が進む中で、世界や地域で活躍する人づくりを進めていくことが、これからの富山県にとって不可欠であると考えております。
 そのためには、より多くの県民の皆さんにふるさとに対する誇りと愛着を持ってもらうことが極めて重要であるところであります。
 こうしたふるさとへの誇りや愛着は、ふるさとの自然、歴史、文化、郷土の先人の英知や業績などをしっかり学び、ふるさとを見つめ直すことによりはぐくまれるものであることから、新しい総合計画の策定に当たっては、ふるさと富山を見つめ直すことが重要な視点の一つになるのではないかと考えております。
 現在、県では、学校はもちろん、家庭や地域、企業などが一体となって、越中万葉やふるさと文学の振興など、ふるさと教育を積極的に推進するとともに、ふるさとの歌づくりの検討にも取り組んでいるところであります。
 新しい総合計画におきましては、こうしたふるさとを見つめ直す機運や取り組みが県民総ぐるみ運動としてさらに広がりを見せ、ふるさとへの誇りと愛着が一層はぐくまれるよう、十分検討されるものと考えています。
 以上でございます。

質問者:吉田委員

 今ほどの答弁の中に、ふるさと、誇りと愛着、この言葉がありました。誇りと愛着を持たなくてはいけないのですが、たまたま先ほどふるさとの歌を出していましたので、このときのアンケートから申し上げますと、いただいた資料ですが、年代別の傾向というのがあります。20代、30代、40代、50代、60代、70代、80代と、ふるさとの歌についての必要性を確認するデータです。
 20代、30代と下がってきて40代が一番低い、それから50、60、70、80と上がっていくのです。このことは、私たちはもう一度ふるさとを考えたときに、一番それを感じて頑張らなければいけない年代が一番認識が低いですね。答弁にあった誇りや愛着を持たなくてはいけないのに、それが無関心になってしまっています。ふるさと教育という非常にすばらしい計画も出てくるわけですが、これをどのように生かしていくか、そのことを私たちは念頭に置かなくてはいけないと思います。
 それともう1つ、私は今、県議会の議員としておりますので、この新しい総合計画についてのスケジュールも見せていただいております。議会が登場してくるのは平成23年度の5月、「県議会議員との意見交換会(東部、西部)」と書いてあります。東部、西部というのも一つの考えですけれども、若いの若くないのという分け方も、本当はそれぞれの世代の意見をしっかりと出す意味では、大切な色が出てくるのではないかなと思います。
 また、県議会議員が議会としてさまざまな意見交換ができるときには、既に骨子が1月、2月、3月でできているのです。そうすると、なかなか非常に厳しい。議会としてどのようなかかわり方ができるのか難しい部分があると感じます。このことを含めて、議会あるいは私自身としてもどういうふうに頑張っていけばいいかなと思うところですので、議員としてのアイデア、あるいは県民と日々接しさせていただいている議員の立場、これらをしっかりと生かしていきたいと思いますが、このことについて、石井知事にお考えをお聞きします。

回答者:石井知事

 今回新たに策定します総合計画ですけれども、何といっても一昨年のリーマンショック以来の世界同時不況なり、その後の世界的な経済環境の大きな変化、また昨年の中央政治での政権交代、引き続きですけれども着実に進行しつつある少子高齢化。しかし、一方ではいよいよ新幹線も4年後となり、あるいは伏木富山港も日本海物流の発展に伴って大いに元気を出している等々、いろいろな状況変化があります。
 そうした中で、県民の皆さんに対して、今後目指すべき富山県の姿をお示しする。また、県民の皆さんと目標を共有して県づくりを進めていく、そのための基本となる中長期ビジョンとして策定するわけでありまして、総合計画審議会で活発に御審議をいただきたいわけですが、同時に、タウンミーティングとか中小企業の皆さんとの対話とか、また今40歳代の経営者の話が出ましたけれども、そういう方々ももちろんですが、30歳代、20歳代後半の、ものづくり、農業、観光などの分野で一生懸命頑張っている若い経営者の皆さん等々との意見交換、懇談、さまざまな形で県民の皆さんから幅広く御意見を伺って、検討を進めたいと思っております。
 計画の策定に当たりましては、もちろん県民の代表でいらっしゃる県議会議員の皆様にも──これは県の審議会に議会の代表は入らないということを17年6月に議会でお決めいただいて、申し入れいただいたこともあるものですから、審議会には議会の代表の方は入っておられませんが──これから、まずはもちろん県議会の場を通じていろいろな御意見をいただきたいと思います。
 また、ある程度計画の骨子といいますか、まとまる来春以降を節目に、議員の皆様の御意見をお伺いする機会もぜひ持ちたいと思っております。もちろん市町村長さんなどとの意見交換も考えなくてはいけませんが。
 県議会と私ども県とはまさに県政の両輪でありますから、新しい総合計画の策定に当たりましても、議員各位から、今回の議会でも将来を見越していろいろな御提言もいただいているわけですけれども、富山県の将来を十分見据えた、かつできるだけ斬新なアイデアはもちろんですが、一方で地域の実態や住民の皆さんのお気持ちを踏まえた、足が地についた御提案もいただいて、夢や希望が持てる総合計画になるように努力してまいりたいと思いますので、ぜひ議員を初め各位から、できるだけ建設的な御提案をいただきたいと思っております。

質問者:吉田委員

 しっかりと追いかけていきたい、計画を描きたいと思います。
 最後になりますが、ふるさとのまちづくりということで、富山駅の新しい駅舎デザインが提示されました。これもさまざまな方々の努力でここまで来ています。本当に感謝したいと思います。
 特に駅の景観、デザインを検討する委員会で6回を重ねた議事録も改めて見させてもらいました。A案、B案、C案と新聞でも提示されていますけれども、写真がいいのか悪いのかわかりませんが、これだけ積み上げたさまざまな考えが、しっかりとどこにどう反映されたのか、特にA案、C案はどう違うのかが、私はぱっと見てわからないのです。
 この案がどれだけの思いが詰まったものかということを、もう一度、伝えることも大切な役割ではないかなと思いますが、牧田土木部長に確認します。

回答者:牧田土木部長

 お答えいたします。
 県では、今後整備される新幹線と在来線の駅舎が統一感のあるデザインとなり、駅前広場とも調和した景観となるよう、富山市と共同で富山駅周辺景観デザイン検討委員会を設置し、平成20年12月に景観デザイン計画として、駅舎のデザインコンセプト、デザインの具体的な対応事項等を示す指針及び整備イメージ図を取りまとめたところでございます。
 駅舎のデザインコンセプトにつきましては、富山駅を訪れた人々が喜びや期待で心ときめくように、富山らしさの象徴である立山を仰ぎ見ることのできる、光に満ちあふれた明るく開放的な駅舎をイメージし、「立山をあおぎ 心ときめく 光の舞台」としたところでございます。  その具体化を図る指針には、駅舎が雪の立山連峰や富山の豊かな木立を連想させるよう、屋根の骨組みやホーム中央部に配置しますY字型の柱を白色系とし、その様子が外からもわかるように外壁にガラスを使用すること。明るく開放的な駅舎となるように、新幹線と在来線の屋根を大きな天窓でつなぐことなどを盛り込んだところでございます。
 県では、富山駅の駅舎設計に景観デザイン計画が反映されるよう、鉄道・運輸機構に要望してきておりまして、今回提示されたデザイン案につきましては、いずれもこの計画が反映されたものになっていると考えております。
 今後、県民の意見や富山県周辺景観デザイン検討委員会の意見も踏まえ、県としての推薦案を決定していくこととしております。
 県としましては、富山駅が県都の玄関口として、次の100年にも受け継がれるような魅力ある駅舎となるように、引き続き鉄道・運輸機構に働きかけてまいりたいと考えております。

質問者:吉田委員

 このA案、B案、C案は、確かにおっしゃるようにそれぞれ思いのこもった案だと思います。そのことがしっかりと伝わって、そして今後の予定として、今月の22日まで意見を求められている期間ですから、私も一人の住民として、ぜひ少しでもよくなるように、私たちのみんなの大切な駅だと思いますので、引き続き努力していきたいと思います。
 きょうは、ふるさとについてということで、幾つかの切り口から当局に考えを聞かせていただきました。改めて確認いたしますが、何よりも今一番大切なことは危機感を持って事に取り組むことで、そのために集まるためのよりどころが必要だと思うのです。また、県政のリーダーとして、石井知事により強力に頑張っていただきたいと思います。
 心のよりどころ、ふるさと富山について、私は温故知新という言葉を思いますが、どのように取り組むのか、知事の所見をお聞きします。

回答者:石井知事

 県政を取り巻く状況は厳しい中であるからこそ、県民の一体感や結束力を持って県政を進める必要があると思います。そのために、知事のリーダーシップも大事だというお話がございました。やっぱり、まずは県民の皆さん初め市町村や団体、企業など、できるだけ多くの皆さんが目標を共有して、みんなで力を合わせてやるということが大切だと思います。
 例えば、昨年の秋以来の世界同時不況の際も、何とか中小企業の倒産を少しでも防ぎたいということで、これは緊急経済・雇用対策推進会議というのもつくりましたし、また経済変動対策緊急融資や借りかえ資金の創設とか、また職員に無理を言いまして、年末は30日まで県庁をあけるとか、いろいろなことをやって、結果としては世界同時不況の前よりむしろ倒産は減ったわけです。そういうことも、これからも皆さんと一緒に心を合わせて頑張っていきたいと思います。
 今、議論がありました元気とやま創造計画の見直し、新しい計画についても、やはりさっき申し上げた大きな時代の変化の中で、もう一度、県政のあり方、目標を見直して、みんなで心を一つにして、目標を共有して頑張っていきたいということでございます。
 また、県政の責任者である知事のあり方ですけれども、これは国政の政治家も、市町村長も同じはずですが、やっぱりまず県民の皆さんの幸せと県政発展を第一に考えて、私心を捨てて、志、情熱を持つ。また、時代の先を読む先見性と確固たる判断、また決断力、こういうことで最善の策を選ぶ。また、自分の責任と行動力で粘り強く目標を達成する実行力、こういうことを身につけなければいけないと思いまして、常に自重自戒しております。
 まだまだ至らない点もありますけれども、議員の今のお話はまさにそのとおりでありまして、これからも県民の皆さんの声に謙虚に耳を傾けながら、みんなで富山県をもっとよくしていく、元気にしていくということで頑張ってまいりたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。