2007.06.18 : 平成19年6月定例会 一般質問

質問者:4番(吉田豊史君)

 皆様、こんにちは。
 富山第1選挙区より選出されました吉田豊史であります。37歳であります。県民の皆様にお与えいただいたこの機会にこたえますよう一生懸命頑張ります。どうぞよろしくお願いいたします。
 父、吉田良三、そして伯父、吉田清治と、富山県議会に大変にお世話になりました吉田の血を継ぐものでありますが、微力、浅学に加えて若輩の私でありますので、知事初め当局の皆様の温かい御指導、また議員の皆様の厳しい応援をよろしくお願いするものであります。
 私の質問は、「心、人、そして人と人とのつながり」、このことをテーマに元気とやまについて質問をいたします。
 私は、富山に生まれ育ちまして37年間、いろんな人に迷惑をかけ、そしていろんな人に応援をいただきながら育ってまいりました。このすばらしい富山において、「人はもっともっと幸せになれる」。この考えのもとに、私は政治家として少しでもこの富山を、そして世の中をよくするために働きたい、そういう気持ちで県政に挑戦いたします。
 私たちはずっと豊かな社会を求めて頑張ってまいりましたが、主にその豊かさは、現時点におきましては経済的な便利さ、あるいは物の充実、そういう方面においては本当に豊かな時代が今ここにあると考えております。
 しかし、心の豊かさに関してはどうでしょうか。私は、心の豊かさについては、経済の利便性や個人としての豊かさを追求した余りに、人と人が本来つながって、そして助け合ってやることの、そういうことの心の豊かさ、そのことを失いつつあるのが今の社会であり、だからこそいろいろな問題が、本当に危機的な問題が起こっている。そのように自分は認識しております。
 今ここにおいて、私たちが、県議会におきましてでもありますが、やはり一番大切に考えなくてはいけないことは、心、私たち一人一人の人というものを一番大切にする、このことが県政において一番挑戦しなくてはいけないことだというふうに私は考えております。
 私は富山市立東部小学校の卒業生ではありますが、先日、自分の母校におきまして「いのちの授業」という一つの授業が行われました。それは聖路加国際病院の日野原重明先生という方をお呼びして、10歳の子供たちに「いのちの授業」という命の大切さを考える、そういう授業でありました。私は、幸運にも授業参観する機会をお与えいただきました。(「ニュースで見たよ」と呼ぶ者あり)ありがとうございます。
 先生のおっしゃったことは、命の大切さということ。命とは、一人一人の命は自分が生きて、そして過ごす時間のことである、そういう結論でした。そうであれば、だからこそ私たちは一人一人の自分の持つ命を大切にして、そして自分の持っている時間をどのように使うか、このことを考えなくてはいけないと思います。自分のために自分の命を使うだけではなく、やはり人のために、何かよいことのためにこそ自分の与えられた命を使わなくてはいけない。これは私たちが本当に真剣に考えなくちゃいけないことだというふうに再勉強させられた次第であります。
 私は、この人としての大切さ、私たち一人一人が持つ人としての力、そしてそれ以上に人と人が力を合わせて頑張るそのことのパワー、この厳しい時代において、地方、それから国、私たちの地域環境、いろんなすべてにおいてやはり人がキーワードである、そのように考えております。富山県におきましても、石井知事が真剣に頑張っていらっしゃるこの元気とやま創造計画、ここにおいても、キャッチフレーズは「みんなで創ろう! 人が輝く元気とやま」、やはり主役は人であります。
 私は、今回の質問で、「人」そして「人のつながりの大切さ」、このことをテーマに質問をさせていただきます。
 人となりましたときに、一番基本になることは、やはり私たち一人一人が持つ個人としての姿勢、そして他方、人と人が力を合わせてつながって頑張っていく、このことが大切だという2つの観点があるというふうに考えます。
 自分自身を磨くこと。それとは別に、今本当に喫緊の問題となっておりますことは、やはり一番基本となります家族や町内、御近所さん、そして校下というこの身近なコミュニティー、ここをどういうふうに組み立てていくか、再構築するか、このことが一番大切な基本になるのではないでしょうか。家族、家、町内、校下という基本コミュニティーに対しての県の取り組みについてお伺いしたいというふうに考えます。
 質問いたします。元気とやまについて。
 一番最初に、人が主役の富山について質問いたします。
 元気とやまの実現に向けては、県民一人一人が主役である。このことが一番大切であり、私たち県民、住民一人一人が構成員となる地域コミュニティーの役割、元気とやま創造計画において地域コミュニティーはどのように位置づけられ、またどのような役割を求められているのか、このことを石井知事にお尋ねいたします。
 次に、この全体の観点から5つの項目について、具体的な施策についてお尋ねいたします。
 1つ目は、世帯あるいは家族構成、この考えです。
 私たちの一番基本となります人のつながりは家族であり、そこがどういうふうになっているか、これが一番大切なところではないでしょうか。具体的に、個人の自由のことを容認した、あるいは推奨したことによって、今、私たちは核家族社会が基本になっております。しかし、そのことがいろいろな子育ての問題や、それから終末介護の問題ですとかいろいろなことについて、やはり核家族の形では対応できない、これが現状であります。
 そこで私は、核家族ではない多世代の同居する世帯について、この住まいの施策を進める上での現状、それから多世代住居に対する県としての住まいの支援などがあるか、お聞きいたします。これは埴生土木部長にお聞きいたします。
 次に、子育てであります。
 子育てにつきましても、今ほど申しましたように、子育てを親だけですることは非常に困難なことを、私自身も今子育て世代の真っただ中にあって実感いたしております。子育てにおいて、どのように地域のコミュニティーの方に助けていただくか、そして自分たちが親としてどんなことを地域にしていくべきなのか、このことについて椎葉厚生部長にお尋ねいたします。
 続きまして、防災の観点です。
 今ほど申しました基本コミュニティーの中に、富山県におきましては、校下という小学校の学校校区を基本にする考え方があります。これは全国的に定着したものではなく、富山県において特に重要であり、また本当に生かされている校下という基本単位でありますが、ここにおきまして、今後やはり重要になっていきます地域防災において、例えば消防団員の団員活動、あるいは自主防災組織の組み立て方、そういうところについて、学校の再編とか校区の問題も含めまして、藤木知事政策室長にお尋ねいたします。
 続きまして、全般に関する意識の問題でありますが、やはり地域のことを考えるときに、その主役が私たちであるならば、そのことを自分たち一人一人が自覚するということが基本になる。そのことから地域住民、コミュニティーが主役ということを自覚するために、社会教育施策はどのようなことが行われているか、東野教育長にお尋ねいたします。
 続きまして、責任世代、あるいはボランティアという観点からでありますが、20代から40代、私も含めまして、これからの社会の中心になっていかなくてはいけない世代、これが積極的に地域コミュニティーなどにかかわって、そして自分たちが頑張っていこうと、そういう機運も少しずつ出てきております。そのときにボランティアあるいはNPOなど自主的に活動し地域コミュニティーを下支えしようという人たちに対して、県としてどのような誘導策を考えているのか、このことを岩元生活環境文化部長にお尋ねいたします。
 続きまして、大きな別の項目でありますが、この人と人がつながる、そしてこういう考え方においては、やはり教育という問題が欠かせない問題であると考えております。きょう午前中におきましても、井村議員からも御質問があったところでありますが、私は再度、この元気とやま創造計画において、元気という観点から、富山の子供たちに特徴的な教育施策、そういうものがあるかお尋ねいたします。これは東野教育長にお尋ねいたします。
 また、引き続いて、この教育という点に関して、基本的なことではありますが、あいさつなどの道徳、規範意識の大切さ、このことが地域コミュニティーの構築においてはやはり一番大切なことであるというふうに考えますので、子供の教育の分野において、また親なり大人に対して、基本的な道徳、規範の大切さについて、どのような取り組みをしていらっしゃるか、このことも東野教育長にお尋ねいたします。
 続きまして、3番目であります。これは少し前2つとは離れますけれども、「ロハス」という言葉でありますが、これはライフスタイルズ・オブ・ヘルス・アンド・サスティナビリティーと言いまして、具体的には「人と地球にとって健康で持続可能なライフスタイル」、このことを指しております。
 これは地球温暖化ですとか、いろいろ大きな考え方からもありますけれども、やはり私たちのこれからの社会というものは、自分たち一人一人が何ができるか、自分たちが主役なんだから、自分たちから何ができるかという主体性を持って行動するべきであると、こういう考えにおいてロハスという概念が取り入れられつつあるところでありますが、この元気とやま創造計画の中におきまして、このようにみずから自分たちができるところから始めよう、こういう考えで進められる施策がもしございますればお教えいただきたい。これは知事にお尋ねいたします。
 基本的に私は、とにかく物から心へ、物ではなくて人が主役である。そして人と人はつながって、助け合って頑張っていかなくてはいけない。そういう富山県の実現のために、私自身、自分みずからも頑張りますし、皆様とともに頑張りたい、そういう気持ちで今回質問に立たせていただきました。私を育ててくださいました、そしてこの場を与えてくださった先輩、後輩、そして私の仲間、地域の皆様、そしていただいた御縁、それからこの富山のすばらしい自然、そういうものすべてに感謝し、そして私の今回の質問に際しましては、本当に先輩の議員の皆様から温かい応援をいただきました。そのことにも感謝いたします。
 最後になりますが、このつながりということに関しましては、私自身、一番基本であります自分の最愛の妻に感謝いたしまして、県議会における初質問とさせていただきます。ありがとうございました。

回答者:知事(石井隆一君)

 吉田議員の御質問にお答えいたします。
 大変フレッシュで若々しい感性、また地域をよくしたいという本当に高い志を持たれた御質問でありまして、大変心強く感じた次第でございます。
 まず、新しい総合計画における地域コミュニティーの位置づけ、役割などの御質問にお答えをいたします。
 新しい総合計画「元気とやま創造計画」は、議員がおっしゃったとおり、「みんなで創ろう! 人が輝く元気とやま」ということを計画の基本目標に掲げておりまして、県民と県が目標を共有しまして、県庁だけではなくて、県民の皆様、また各種の団体、企業等の力を結集して、みんなで力を合わせて元気な県づくりを進めていくという計画にしておるところであります。
 全国でいろんな総合計画がありますけれども、こうしてみんなでつくろうというふうに呼びかけていること、また、いろんな県政の目標がありますけれども、一人一人の県民の皆さんが生き生きと輝いて生きられる、そういう地域社会をつくるんだと、こういうことを目標に明確に掲げているという意味で、私は、全国でいろんな計画がありますけれども、富山県の計画もそれなりの評価をいただけるんじゃないかと思っております。
 この計画では、住民参加の場である地域を単位とする取り組みとしまして、例えば「活力とやま」では、地域が主体となって取り組む地域貢献型の事業──コミュニティービジネスといったような言い方もしますけれども、こうしたものへの支援とか、地域住民等との協働によるまちづくり。
 また「未来とやま」では、若い御夫婦だけの負担にしないで、地域全体で子育てを支援しようじゃないかと。また最近、地域における教育力が低下していると言われていますが、地域で健やかな子供の育成にみんなで力を合わせようじゃないかと。あるいは個性豊かな魅力ある農山漁村づくりといったことも課題として、目標として掲げております。
 また「安心とやま」では、地域における福祉システムの形成、地域住民による防災・救急活動の推進、地域の見守り活動による児童等の安全の確保などを掲げておりまして、子育て支援、教育、地域福祉、防犯・防災対策、地域づくり、まちづくりといった分野では、議員が御指摘されましたように、人と人とがつながる地域コミュニティーの果たす役割、大変大きいものがあると考えております。
 このために、「未来とやま」では、改めて総括的に「心ふれあう地域コミュニティー活動の促進」ということも重要テーマとして取り上げております。
 富山県では、御存じのように、従来から老人クラブの活動あるいは婦人会活動、自治振興会などの活動が大変活発でありますし、またおっしゃるように、「校下」という言葉も、本当に実質的な意味、非常に大きな意味を持っております。
 また、例えば、全国でもそうなんですけれども、北陸の中でも地域の安全、住民の生命、身体、財産は自分たちで守るという、こうした理念に立った消防団活動というものも非常に盛んに行われているわけであります。消防団員数も富山県は9,694人で、人口が富山県よりちょっと多い石川では5,227人ですから、そういう意味でも、そういう地域活動が大変熱心だと言えると思います。
 また最近、富山型デイサービスというのが全国的に大変高い評価を受けておりますし、また県内あちこちでいろんな地域福祉活動、例えば氷見市なんかですと、ケアネット21ということで、ひとり暮らしのお年寄りを地域で見守ると、あるいは声かけをする、買い物をかわりに行ってあげようと、こういったようなこともされているわけでありまして、私は、こういう地域の力、地域みんなでよくしていこうという、こういう気持ちがある、これは富山県にとってはものすごく大きな財産だと思っているところでございます。
 これからも、そうした地域コミュニティーの果たす役割を大切にしながら、県民の皆さんとともに元気な富山県をつくってまいりたい、こういうふうに思っております。
 次に、ロハスという考え方を取り入れた施策の推進についての御質問にお答えいたします。  お話しのように、ロハスとは、健康と持続可能性のライフスタイルを意味する英語の略語でありまして、健康や環境問題に関心の高い人たちのライフスタイルであるとされているわけであります。
 ことし3月の県政モニターへのアンケート調査では、「現在の生活をもっと健康的な生活習慣に改めたいと思いますか」という問いに対して、「そう思う」あるいは「できれば改めたい」という回答が合わせて85%という数字になっておりますし、また一昨年8月に新しい総合計画をつくる際の参考にしようということで、有識者アンケートをとりましたけれども、その際でも、富山県の魅力形成に重要なものとして、「自然との共生、豊かな緑や水辺と身近にふれあう暮らしができること」、こういった回答が3番目に多かったということでありまして、健康とか環境保全に対する県民の皆さんの意識は大変高いと思っております。
 そこで、元気とやま創造計画におきましても、「健康づくりの推進」ということで、県民歩こう運動の推進など運動習慣の定着や食生活の改善、また「循環型・脱温暖化社会の構築」ということで、廃棄物の発生抑制あるいは温室効果ガスの排出量の削減等に取り組むことにしておりますし、これは計画だけではなくて、現にことしに入っていろんなことを進めておるわけであります。
 また、本県の自然を生かした魅力ある地域づくりという観点から、「美しい景観づくり・歴史や文化を生かしたまち並みづくり」ということで、散居村や棚田などの美しい田園景観の保全活動を支援しようと、あるいは貴重な水辺の景観を生かそうと。県内でもあちこちいいところがあります。また、「豊かで美しい森づくり・花と緑の地域づくり」ということで、里山の再生など多様な森づくりの推進、地域の緑化活動への支援などに取り組むことにいたしております。
 さらには、豊かで美しい自然や歴史、文化を生かした地域づくりと調和した、健やかで、おっしゃるように心豊かなライフスタイルを確立していくことが富山県の魅力向上の重要な柱だと思っておりまして、それが「交流人口の拡大」ですとか、「定住・半定住の促進」にもつながると考えております。
 そこで今年度、「くらしたい国、富山」のキャッチフレーズのもとに、定住・半定住に関する情報提供とか、相談に応ずる受け入れ体制の整備。現実に去年あたりから、かなり東京周辺の人が富山県に来て、実際に定住されて、地域で仕事もされるというふうなケースもぽつぽつと出ております。
 また、富山県の魅力をもっといろんな方々に感じてもらうということで、とやま夏期大学の開催、またNPOの皆さんなどが実施されますグリーン・ツーリズムへの支援などにも取り組んでいくことにしております。
 お話にありました働き方とか生きがいなど、さまざまな領域で価値観、ライフスタイルということが県民の皆さんは多様化していますけれども、富山県のせっかく豊かで美しい自然、非常に貴重な歴史、文化といったものもありますので、だれもが住みたくなるような質の高い生活環境の整備、魅力ある地域づくり、まさにおっしゃるロハス、こういう生活スタイルの人がたくさん来てもらえるような、そういう県にしていきたいなと、こういうふうに思っている次第であります。
 以上でございます。

回答者:土木部長(埴生雅章君)

 人が主役のとやまについての御質問のうち、県内における世帯の状況と多世代居住に対する住まいの支援についての御質問にお答えをいたします。
 平成17年の国勢調査によりますと、県内の一般世帯数は約37万世帯でありまして、そのうち単身世帯が約8万1,000世帯、割合では21.8%、それから核家族世帯が約19万8,000世帯、割合では53.4%となっております。残りの約9万1,000世帯、24.8%のうち、3世代が居住する親族世帯数は約6万世帯ございまして、全世帯の16.2%を占め、これは全国平均の6.6%に対して10ポイント近く高い比率となっているところでございます。
 多世代が居住するための住宅に対する支援についてでございますが、県では、健康で文化的な住環境を有する住宅づくりを推進するために、県内にみずから居住するための個人住宅について一定の条件で改良を行う場合に、低利の融資を行う住みよい家づくり資金融資制度を設けておりまして、その中に多家族同居住宅のメニューを用意しているところでございます。
 これは具体的には、6人以上の親族が現に同居し、または同居しようとする住宅に改良することを条件としまして、融資額は500万円以内、償還期間は10年以内、融資利率は2.6%で固定金利となっております。この制度は、議員御指摘の多世代にわたる同居を希望される方々にも御利用いただけるものと考えておりまして、御要望があれば、ぜひとも御利用いただきたいと考えておるところでございます。

回答者:厚生部長(椎葉茂樹君)

 吉田議員からの、子育てに関する地域コミュニティーに関する御質問に対しましてお答えいたします。
 議員御指摘のとおり、核家族化や都市化等の進展に伴う地域における連帯感の希薄化などによりまして、共働き家庭に限らず、専業主婦家庭などにおきましても、子育てに対する不安や負担感が増大していると認識しております。
 このため県におきましては、現在、昨年2月に策定いたしました未来とやま子育てプランに基づきまして、地域における多様な子育て支援を促進する各種施策に取り組んでいるところでございます。
 具体的な取り組みといたしましては、県内の各保育所や、先ほど知事から御紹介ございました富山型デイサービスといった地域における施設などにおきまして、子育て相談などの活動を支援するとやまっ子子育てミニサロン事業でありますとか、地域におきまして育児の相談を行う人と、相談を受けたい人による総合相談活動を支援する子育てたすけ愛事業、また地域住民やNPO等による自主的な子供の居場所づくりを支援するとやまっ子さんさん広場推進事業、またNPOやボランティア団体等によります、地域における公益的、先駆的な子育て支援活動を助成いたします子育て支援NPOパイロット事業など、地域の子育て力を生かしましたさまざまな取り組みを促進しているところでございます。
 さらに、今年度でありますが、新たに高齢者や団塊の世代など、意欲や能力のある人材を県が登録いたしまして、保育所や児童館等で子育て支援活動に当たります子育てシニアサポート事業を、市町村と連携いたしまして県下全域で展開することとし、近く子育て支援の地域の担い手となりますシニア世代などのサポーターの募集を開始したいと考えております。
 県といたしましては、今後とも市町村、学校、家庭を含めた地域社会、地域住民等と一体となりまして、子育て家庭の不安や負担の軽減を図りまして、子育てを楽しいと感じられる環境づくりに努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。

回答者:知事政策室長(藤木俊光君)

 お答え申し上げます。
 消防団員の確保や自主防災組織の組織化に関する御質問でございます。
 消防組織法に基づき設置されます消防団と、町内会や小学校区単位で結成されます自主防災組織は、いずれも「みずからの地域はみずからが守る」という精神に基づく地域住民の自発的な参加によって維持されており、地域防災のかなめとして重要な役割を果たしております。
 しかしながら、今後、少子高齢化の進展、都市化の進展による住民の地域帰属意識の低下等が懸念され、また議員御指摘のとおり、小学校の再編といったような社会環境の変化の中で、地域に密着した消防団員の確保や自主防災組織の組織化をいかに図っていくのかが大きな課題となっております。
 このうち消防団につきましては、知事から御答弁申し上げましたように、本県の消防団活動は他県に比しても相当活発に行われているわけであります。また、全国の消防団員数がこの10年で7%減ということで大幅な減少している中で、本県の消防団員数はほぼ横ばいというふうになっております。ただ一方で、被雇用者、いわゆるサラリーマンの団員の比率が高いといったような点も問題になっているところでございます。
 このため県では、これまで各市町村や消防協会とともに、消防団活動についての事業所や住民の理解を深めるための広報、協力事業所への表彰、消防団の資機材整備や入団促進PR事業に対する助成などを実施してきたところでありまして、今後とも消防団員の確保や消防団活動の活性化の推進に努めてまいりたいと考えております。
 また、自主防災組織の組織率に関しましては、平成17年4月の38.4%から平成19年6月の51.6%へと大幅に伸びているところでございますが、依然として全国平均であります66.9%に比べて低いものとなっております。
 このため、平成17年度から5カ年の計画で重点的に組織整備を推進するために、自主防災組織への防災資機材の整備を支援する地域防災力向上支援事業を行っているところでございますが、まだ十分でないということでございます。市町村とともに、引き続き組織化を進めてまいりたいと考えております。
 いずれにいたしましても、県といたしましては、地域防災力の一層の向上を図るためには、消防団員の確保や自主防災組織の組織化をさらに進めることが重要であると考えておりまして、市町村などと緊密な連携を図りながら、効果的な施策の推進に努めてまいりたいと考えております。

回答者:教育長(東野宗朗君)

 住民に地域コミュニティーの一員であることを自覚させるための社会教育施策についてのお尋ねにお答えしたいと思います。
 元気とやま創造計画におきましては、地域全体によります健やかな子供の育成に取り組んでいくこととしているわけでございます。このため、地域の課題を解決する中で、地域住民のきずなづくりを推進いたします、いわゆる社会教育の果たしている役割は大変大きいものがあろうかと考えているところでございます。
 県教育委員会といたしましては、市町村教育委員会や学校、地域、社会教育関係団体と連携をとりながら、放課後や週末等に学校の余裕教室等を活用して、地域の大人と子供たちが心を込めてふれあいます放課後子ども教室推進事業を地域で展開いたしますとともに、例えば婦人会で行っておりますリサイクル運動、PTAの環境美化推進活動など、社会教育関係団体の地域に根差した活動に対しましても積極的な支援を行っているところでございます。
 このほか、獅子舞など地域の宝としての伝統芸能、地域に伝わります行事などを、地域が一体となって保存し継承していることを紹介し応援いたします、とやま文化財百選事業なども行っているところでございます。
 さらに、平成19年度新たに、地域の社会教育の核となっております公民館が持っております、地域の持つすぐれた力の再構築を図るための地域活力再生公民館事業というものを設けたわけでございます。
 具体的には、自分自身が住んでおります地域の、例えばですが、動植物の生態分布を調べたマップをつくるといったことを通しまして、地域の3世代がそれを使いながらふるさとをめぐってみると、よさを見つめ直すといったようなことを行っておりまして、こうしたことにより、地域住民のきずなづくりを一層推進してまいりたいと考えているところでございます。
 今後とも、御指摘のように住民一人一人が地域コミュニティーの一員であるという自覚を深く持ちまして、地域づくり活動に積極的に参加できるよう、さまざまな学習活動の機会の一層の充実に努力してまいりたいと考えております。
 次に、元気とやま創造計画での、元気になるという観点からの特徴的な教育施策のお尋ねにお答えしたいと思います。
 県教育委員会では、今回策定されました元気とやま創造計画のもとに、子供が家庭、地域、学校などの連携の中で見守られ、育てられる知徳体のバランスのとれた成長を図りますことにより、たくましく生きる力を持った元気なとやまっ子の育成に努めてまいりたいと考えております。
 具体的に申し上げますと、例えば「すぐれた知性」という分野におきましては、たびたび御答弁申し上げておりますけども、全国学力調査結果なども検討いたしまして、仲間との学び合い、地域での体験などを通しました「とやま型学び育成支援事業」の推進や、大学生を学習補助者として小学生などを支援いたします「学びのアシスト推進事業」。
 「豊かな心」の育成といたしましては、御案内のとおり早寝早起き、朝御飯をしっかり食べ、笑顔であいさつすることを訴えております「朝から元気とやまっ子食育・健康教育・普及啓発推進事業」。
 「たくましい体」といたしましては、体力づくりノートをつくりまして、小学生がこれを使いながら体力向上を図る「とやま元気っ子育成推進事業」や、中学生、高校生の長期的な育成強化を図ります「元気とやまスポーツ道場開催事業」などを行ってきているところでございます。
 県教育委員会といたしましては、今後ともこれらの施策を通しまして、市町村教育委員会、PTA関係団体と協力しながら、より一層とやまっ子が元気になるよう取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、元気とやま創造計画におきまして、道徳、規範意識を身につけさせるための学校や家庭の取り組みについてお答えしたいと思います。
 元気とやま創造計画におきまして、その基本的方向といたしましては、学校教育におきましては知的好奇心や探求心、学習意欲を高めまして、創造性豊かでバランスのとれた子供の成長を図るとともに、心豊かでたくましい子供の育成に努めていくこととしているところでございます。
 この基本的方向を踏まえまして、「確かな学力の育成」のほか、例えば「健やかな心と体の育成」といたしましては、先ほど議員から御紹介ございましたように、いじめ総合対策の一環といたしまして、「いのちの教育」、例えば児童生徒が、身近な生き物の誕生、そして病気になり、死と出会いながら命の大切さを感じとっていく、そういうプロセスが大事でございますけども、そうした教育の推進や、14歳の挑戦など体験活動の一層の充実を図りまして、規範意識、社会性を高める活動の支援に努めてまいりたいと考えております。
 また、学校教育自体といたしましては、生徒自身が互いに励まし助け合う人間関係づくりが大事でございまして、生徒自身が自分を見つめ、友達とのかかわり方を見直す機会を一層心がけますとともに、心の安定を図る相談・カウンセリング体制を充実させるなどによりまして、児童生徒一人一人が望ましい生活習慣や学習態度を身につけられるよう支援してまいりたいと考えております。
 親に対しましては、このほか親子が自然の中でふれあいます「とやまっ子子育て自然体験事業」、あるいは「親を学び伝える学習プログラム普及事業」なども行っておりまして、一層子供に寄り添った支援も行ってまいりたいと考えているところでございます。
 これらを通しまして、家庭や地域の協力を得ながら、生涯にわたる人間としての基本を身につけ、将来の自立に必要な力を養えるよう一層の努力をしてまいりたいと考えているところでございます。
 以上でございます。

回答者:生活環境文化部長(岩元達弘君)

 私からは、ボランティアやNPOなど自主的な活動についての御質問にお答えいたします。
 議員御指摘のとおり、地域コミュニティーの希薄化が懸念される中で、その活性化を図るためには、地縁組織だけでなく、ボランティア、NPO活動を通じて住民が積極的に地域にかかわり、さまざまな課題に取り組んでいくことが大切であると考えております。
 特に学生や現役の勤労者といった若い世代にも積極的にボランティア、NPO活動に参加していただき、元気のある地域づくりを推進していきたいと考えているところであります。
 県では、これまでも若者や中高年世代のボランティア、NPO活動を促進するため、大学、短大、専修学校等の学生や勤労者のボランティアグループ等が取り組む活動に対する助成、先駆性、創造性を発揮し、魅力ある地域づくりを進める事業企画を提案したNPO等に対する助成、新規ボランティアグループに対する助成を行っているほか、入門からリーダーまでの体系的なボランティア講座やNPO等への理解の促進を図るNPO公開講座の開催、またインターネットや広報誌のほか、新聞、テレビを通じたボランティア情報の提供、相談窓口の設置などに取り組んでいるところであります。
 今後とも、地縁組織やボランティア、NPO等を中心に、地域活動に参画しやすい環境を整え、若者や中高年の世代の方々が地域活動の中心を担って生き生きと活躍していただけるよう努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。

質問者:4番(吉田豊史君)

 今ほど知事のほうからは、やはりこの計画において県民が主役であるから、率先して積極的に参加いただきたいという考えをいただきました。
 そこで、小さなニュースであるんですけれども、先般の新聞を見ておりましたら、富山の駅北の環水公園のほうで、縁結びの糸電話ということで、富山の環水公園を利用した計画が17日、きのうから行われたことをお聞きしました。
 公園というものは、見て美しいとか、それだけではなくて、その場を利用して、そこが人と人との結びつきの機会になる、そういうふうな利用が本当にすばらしいことだと思いますが、このあたりについて今後の計画とか、もしあればお教えください。

回答者:知事(石井隆一君)

 お答えいたします。
 富岩運河環水公園、本当に長い年月をかけて、また大変厳しい財政環境の中で、ざっと120億円の費用を投じてつくったものであります。まだ概成でありまして、この先もありますけれども、私は、この富岩運河環水公園は全国の都市公園の中でも大変貴重な存在だと思いますし、それから古くから歴史、伝統もある運河をうまく活用していること。また、いずれ新幹線が着く、いわば富山県の玄関から10分ぐらいで着くところですから、おっしゃるように、施設として立派であるだけではなくて、県民の皆さんが大いに集ってにぎわいができると。また、憩いとかいやしの場になる、そういう場所にしたいなと思っております。
 今、環水公園賑わいづくり会議というのをつくって、近々私に報告もいただくことになっておりますが、そういう有識者や各界代表の御意見もさることながら、ぜひ市民の皆さん、県民の皆さんからいろんな御意見をお寄せいただいて、例えば今カヌーをやっている皆さんからは、あそこに艇庫をつくってもらえないかと。そしてカヌーを、できるだけいろんな機会に、その楽しい様子を市民の皆さんにも披露して、そして健康づくりとかいったことの一助にもしたいといったようなお話もあります。それからお話に出ましたように、近くの自遊館なんかでは結婚披露宴の場所に借りたりして活用されたりしていますし、いろんな使い方があると思うんですね。
 私どもも当然いろんなビジョン、考えを持っていますけれども、ぜひ議員におかれましても、また県民の皆様方におかれましても、いろんな御提案をいただいて、あれをどんどんさらにいろんな活用をする、そして魅力がどんどん高まると、こういうふうにしていきたいなと思っておりますので、どうかひとつよろしくお願いしたいと思います。