2010.06.21 : 平成22年経営企画委員会

質問者:吉田委員

 今ほどの鹿熊委員の質問を聞いておりまして、私も急いで豆腐のブランド申請をしなければいけないと思ったところです。
 きょうは都市観光についてと、歌についてということで2本質問させていただきます。
 まず、都市観光についてです。都市観光と大げさな言葉で言っておりますが、基本的にまちに来たときに、どういう観光があるのかというところなのです。
 それで、まちの観光といいますと、やっぱりまちにどういう魅力があるかと。そしてまちの魅力、今回、私はインフラ──要は基盤としてどういう魅力があるかということを探っていきたいと思っています。基本、素材ということになりますが、先般の予算特別委員会で、私は緑ということも、一つのまちの魅力ではないかということを訴えました。今回は水に入りたいと思っています。
 富山市内の話に限定されてしまいますけれども、富山市内にはいたち川という非常にまちの中で重要な川があります。この川は御承知のとおり平成の名水百選にも選定されている川なのですが、この川をまちの観光の素材としてどのように県としては認識しているか、小城課長にお聞きします。

回答者:小城観光課長

 お答えいたします。
 いたち川につきましては、水辺のまち夢プランにおきましても、暮らしのある水辺の風景づくりや水辺の歴史文化継承ということで、とても魅力的な地域の河川であると考えております。また、平成の名水百選にも選ばれております。
 いたち川の石倉延命地蔵のあたりから「どんどこ」とか桜並木など非常に魅力的なものが続いております。ちょっと工夫することで、とても魅力的なものが発掘できるのではないかと考えております。

質問者:吉田委員

 少し工夫すると……。本当におっしゃるとおりでして、例えば今ほど名前が出ました石倉町の延命地蔵尊ですが、いたち川の周辺に延命地蔵というのが幾つもあるのです。これをどういうふうにめぐるかということも考えられるなと、すぐに思い浮かぶのですけれども、大きな話を言っても、まちの観光というのは一遍にはあるものでもないので、具体的な、そして個別の事象について、どのようにプランを練っていくかということが、私は今後大事ではないかと思っています。  それで、特に今回この質問を取り上げた理由の一つが、延命地蔵の通年といえばいいですか、イベントにもかかわるのですけれども……、いたち川で灯籠流しがあるということを県は把握しておられますか。

回答者:小城観光課長

 すみません、私の近所の場所でありますが、その話はちょっと聞いてなかったです。

質問者:吉田委員

 これが私が訴えたいところでなのです。季節季節に川を利用したイベントは、今も行われていますし、灯籠流しなどについては、もう何年も行われているのです。ただ、今課長が御存じなかったのは、その時間にいらっしゃらなかったとかいろいろな事情があると思うのです。しかし、こういう情報を収集しようという姿勢を、ぜひ県は持っていただいて、それからどうやって作戦を練っていくかというところではないかと思っています。
 灯籠流しのこと、それから私ごとでいつも言っていますけれども、いたち川ではサクラマスの稚魚の放流とかもやったりしています。もちろん地域でサケの放流の事業も継続してやっておられるのです。これらのことを地域がやっているのを、そのまま地域のことだろうとするのではなくて、観光というのは、よそから来た人が地域でやっていることに参加するのが実は非常に楽しいし、ああ来ておもしろかったとなるのではないかと思います。
 魚の放流というのは、まちの観光とどう関係があるのかと思うところもあるかもしれませんが、やり方次第で、通常は子どもたちの教育の部分としてやっているのが大きいのでしょうけれども、来た人にここの場所に行けば、例えばこの2週間なら2週間の期間放流できるのですよという、非常におもしろい一つのアピールになるのではないかと思います。いろいろアイデアをお持ちの方はたくさんおられると思うので、まずそういう意見を集めるというところを考えていただきたいと思うのですけれども、どうでしょうか。

回答者:小城観光課長

 委員がおっしゃるとおり、観光に対する関心は変わってきております。以前ですといわゆる名所旧跡を見て回るという観光がメーンだったのですけれども、近ごろでは土地ならではの暮らしに触れることや、そこに暮らす人々が気持ちのいい空間をともに味わいたいというような観光形態が非常に多くなってきております。
 そういったことから、いわゆる観光客用にわざわざイベントをしかけるということでなくて、住んでいる人たちがみずから楽しむイベントをおすそ分けするというのが、これからの新しい観光ではないかと考えております。

質問者:吉田委員

 非常に力強いお話でありがとうございます。
 それで、地元の方々が観光という意味ではなくてやっているイベントは幾つもありますけれども、それ自身が実はいたち川一つだけとっても、現実にはなかなか難しくなっている状況もあるのです。具体的に言うと例えば灯籠流しですが、灯篭を流そうと思っても、川は常に蛇行しますから、いたち川という小さい川の中でも、ばっと水が流れる部分があったり、浅瀬があったりとかするのです。具体的に言うと灯籠を流して、二、三キロメートルの長さの全体像ですけれども、始まって100メートルとか150メートルぐらいのところで一つ大きなカーブがあったりすると、そこで全部ひっくり返ってしまうのです。こういう話をすると、地域の人は何とか灯籠流しをうまいことやるように応援してよと言われます。これを私自身もそうだなと思って、県に話を持っていくと、どうしても川の管理ということで土木部の話になるのです。
 けれども、そうではなくて、観光としても非常に大事な素材だから、そういう意味での地域のイベントを応援するよと言うためには、観光のほうが声を大きく上げて、土木部とかいろいろなところに話をしてもらって、このイベントのためにいろいろな予算を組まなければいけないのではないかと。そういう考え方をぜひ進めていただきたいので、今後期待したいと思っています。

回答者:小城観光課長

 今までは観光というとPRで広めることだけだったのですけれども、県では、ことし新年度事業といたしまして、観光バリューアップ事業ということで、これからは新しい観光の魅力をつくっていこうと考えています。市町村の方と一緒につくっていこうということで、現在、市町村に照会をかけており、富山市からもいろいろな箇所が上がってきております。これらを今からブラッシュアップしていきたいと考えております。

質問者:吉田委員

 観光というのは、住民の側、地域の側に立たなくてはいけない要素が非常に多いと思いますので、県の当局の中でも、やっぱりそういう姿勢でやりとりしていただいて、整備していっていただきたいと思います。ありがとうございます。
 次に入ります。
 富山県民の歌についてです。富山県民の歌の話が、今定例会でもさまざまな議員の皆様の声で非常に話題になりました。今回の質問は、知事政策局がつくった「富山県ふるさと教育推進協議会の設置・開催について」という1枚の紙を見ての質問なので、そんなに深いことにはならないと思うのですが、まず、私には県民の歌を新しくつくろうという話が、何となく唐突に出てきているなという気持ちが、否めないのです。何か今の歌に問題があったのかなということまでどうしても思ってしまいます。
 そこでまず、今ある富山県民の歌についてのさまざまな調査を行っているのかどうか、磯部課長にお聞きします。

回答者:磯部広報課長

 お答えいたします。
 副委員長がおっしゃいました富山県民の歌につきましてのさまざまな調査ということでございますが、2000年とやま国体の前ぐらいにいろいろな議論がございまして、そのころに2つばかり調査を行っております。
 1つは、平成9年の県政世論調査で県民の歌に対する意識調査を行っています。割合の多かったものから順次3つ申し上げますと、一番多かったのが、強いられるものでなく、自然に親しまれ、歌い継がれていくのがよいというので約35%、それからもっと県民にPRして、次の世代に受け継ぐようにすればよいというのがおおむね28%、それから特に何もしなくても、今のままでよいというのが大体18%といったような結果が出ております。
 もう1点でございますけれども、これは平成10年に富山県未来財団に民間の有識者で構成いたします「とやまの歌の会」を設けまして、富山県にゆかりのある歌の収集、調査を行っております。富山県とのかかわりのあるものが全体で約1,200曲ほどあるそうでございますけれども、その中から55曲を選びまして、あなたの好きな富山の歌ということで人気投票を実施しております。投票総数は大体5,000件ほどあったそうですが、この中で第1位となりましたのは、映画のテーマ曲となりました「少年時代」で、全体の14.3%の得票率があったそうでございます。
 ちなみに、富山県民の歌は全体の13位、約2.3%ということでございました。
 以上でございます。

質問者:吉田委員

 平成9年のことを言っていただけますか。県政世論調査の中では、特に今の歌について聞いたという状況であって、新しい歌をほのめかすようなことについての質問はなかったのですか。

回答者:磯部広報課長

 今ほど上位3つを申し上げましたが、選択肢の中には、例えば新しい時代にふさわしい歌が新たにつくられるとよいですとか、県民として歌うことができる歌がもっといろいろあればよいとかいった選択肢も、そのときは設けてございます。

質問者:吉田委員

 その選択肢の、そうだなという数はどれぐらいですか。

回答者:磯部広報課長

 新しい時代にふさわしい歌が新たにつくられるとよいというのは、約10%でございました。その他につきましては、5%程度でございます。

質問者:吉田委員

 平成9年ということですから、13年前になるのですね。私は新しい歌をつくろうということ自身がだめだという考えではないので、誤解のないようにと思います。新しい歌をもしつくるとなれば、先般、梶委員からもありましたけれども、新しい歌と今の歌の位置づけはどうなのか、そして新しい歌をつくるときに、どのような考え方をしていくのかというあたりも、特に歌というところが非常に具体な話としてありますから、ぜひ広報のほうでも今の県民の意見を何らかの方法──特にホームページもありますので、若い者、中間の方、高齢の方と世代を広く意識しつつ、緊急の調査ででもやっていただきたいと思います。どうでしょう。

回答者:磯部広報課長

 先日、定例会前の委員会で、県民の耳に届く機会をふやすためには、例えば若い方にも親しまれるようにするために幾つか、例えば曲のアレンジですとか、そういった問題点もあろうかと思っているとお答えしたことがありましたので、繰り返しになりますが、今後、関係者とこのあたりを深めてまいりたいと考えております。

質問者:吉田委員

 調査をぜひ進めていただきたいと思います。バックボーンになる数字が大事ではないかと思います。
 今回、ふるさと教育推進協議会も設置されて、そこからふるさとの歌づくりという話が出てきたということですので、私は特にふるさと教育推進協議会というもの自身が、歌のことを取り扱う背景となり得るのか、あるいはどういう位置づけなのかということを、もう一回確認したいと思いますので、ふるさとの歌についての新たな部会ということですから、この構成メンバー、年齢、それから専門分野ですとか、どういうことになっているのかということを、熊野課長にお聞きします。

回答者:熊野知事政策局課長

 お答えいたします。
 ふるさと教育推進協議会では、新たに部会を設けまして、越中万葉の普及啓発の検討などとあわせまして、ふるさとの歌づくりについて検討することとされたところでございます。
 部会の名称、構成メンバー等につきましては、前回の本委員会でも御報告を申し上げたところでございますが、中尾会長に一任されておりまして、現在まだ調整中でございますので、現在お答えできない状況でございます。

質問者:吉田委員

 調整中ということですが、ふるさと教育推進協議会の名簿が出ていますが、この中から選ぶという理解でよろしいのでしょうか。

回答者:熊野知事政策局課長

 お答えいたします。
 基本的に部会ということでございますので、協議会のメンバーの中から、及びそのほか万葉の検討なども行いますので、専門委員の方によって構成されるものと考えています。

質問者:吉田委員

 県とすれば、このふるさと教育推進協議会を設置した段階で、特に歌の話というのは想定していなかったのだろうと私は思うのですけれども、この協議会の中で歌の話が進んでいくと、そして歌のことについて専門部会で検討していただくというこの流れについては、よいというふうに思っていらっしゃるのですか。

回答者:熊野知事政策局課長

 ふるさと教育推進協議会の前に有識者懇談会がございまして、こちらのほうでの御提言も踏まえて、この協議会の中において、県民挙げて県民運動としてふるさと教育の推進を進めていくということでございましたので、前向きに考えていくということかと思っております。

質問者:吉田委員

 少し根本に戻りますが、ふるさと教育なんですね。ふるさと教育について選ばれた方々が話をされる県民の歌というのは、別にそのふるさと教育のことだけが対象でもないでしょうし、最終的にこのふるさと教育推進協議会、そしてその部会から出てくるものは、ふるさと教育の観点から、県民の新しい歌についてこういうものであるという提言にとどまるという考え方でよろしいのでしょうか。

回答者:熊野知事政策局課長

 今ほどからちょっとお話を聞いておりますと、富山県民の歌と、それから先般、先週の予算特別委員会で井村委員の御質問をいただいて、知事から答弁申し上げておりますように、ふるさとの歌を県民みんなでつくるということも、県民がふるさと富山を意識し、連帯感をはぐくむ上で大変有意義な取り組みだというようなお話があったわけでございまして、ちょっと富山県民の歌とふるさとの歌を、ごっちゃにしてしまうと、何か話がかえって混乱いたします。県民の歌が2つ必要なのかどうかとか、2つあってもよいとかいう議論もこれまでなされてきているかと思いますが、そのあたり、あくまでふるさと教育の推進という中では、ふるさとの歌というものがあってもよいという議論が最近なされてきているものと理解しております。

質問者:吉田委員

 非常に大事なことを言われたと思うのですが、ふるさと教育推進協議会のふるさとの歌づくりでは、ふるさとの歌についての検討を行うということであって、新しい県民の歌を想定して議論を進めていくわけではないというふうに県が把握しているということでしょうか。

回答者:熊野知事政策局課長

 私としては、そのように理解をさせていただいております。

質問者:吉田委員

 安心しました。
 それでは、3問目、新たにふるさとの歌を制作する場合、県民の参加について、私は今聞こうとしていたのですけれども、そのことについては、ふるさとの歌という位置づけの中で検討があって、その結果が出てきてということだと思いますので、この質問は省略したいと思います。ありがとうございます。
 あと少し県民の歌という話について意見を述べておきたいと思うのですけれども、県民の歌となったときには、やはり富山県の価値というものをしっかりと見据えて、その全体の中で話を進めていかないと。せっかくこうやって、一つの契機としてこういう話が出てくるのは非常にいいことだと思います。でも、このことが県民の歌として認識されていくには、私は、常々、過程というのが一番大事だと思っています。どういう歌になろうと、いい悪いは個人の判断ですから、結果の話なのですけれども、何かやるときに、どうやって県民がかかわって、そしてそのことに意見を述べて、それがどう反映されたのか、反映されなかったのか、きちっとプロセスをしっかり踏まえていただきたいと。そこがないと、私は最終的に仕上がったものも、みんなでつくったものに──ふるさとという言葉は非常に重い言葉ですし、県民の歌となれば、それは本議会でもありましたが、国だったら国歌というものです。そのことを考えると、もう少し慎重に、そして活発に話を進めていただいて、また推移を見守りたいと思います。ありがとうございます。