令和6年度予算案他関連法案に反対しました

32日の財務金融委員会で「所得税法の一部改正法案」とその附帯決議に反対、続く衆議院本会議で「令和6年度予算案」「所得税法の一部改正法案」「地方税一部改正法案」「地方交付税一部改正法案」について反対しました。

以下、反対した理由です。

 

今国会において、「能登半島地震の被災者の方々への支援」と「政治とカネ」の2つが最大のテーマになっています。前者は当然のことですし、地元富山も被災地であり、同時に縁の深い能登地方を支える立場だと思っています。支えていくには、この日本の経済が成長し、好循環をおこしていかなければなりません。それも東京だけではなく地方が成長しなければ。

しかし一昨年前からの物価高騰により、実質賃金は21ヶ月マイナス(厚労省202312月の毎月勤労統計(速報))と、物価上昇に賃金の伸びが追いついていません。国民のみなさんの負担は大きくなっています。

また少子化という問題に直面して数十年が経っています。厚生労働省によると昨年1年間に生まれた子どもの数は前年より5.1%減少し、速報値で758631人。統計開始以来、過去最少を更新しました。総務省によれば、2人以上の世帯で消費支出に占める食費の割合(エンゲル係数)は昨年27.8%。今の基準で遡れる2000年以降では過去最高に達しています。


このような中で、今国会に提出された「令和6年度予算案」「所得税法の一部改正法案」「地方税一部改正法案」「地方交付税一部改正法案」がどのような位置付けにあり、どのような中身なのか。以前からの視点でもありますが、今国会においても3つの視点で見ました。 

1、今、大企業中心に賃上げの動きが続いています。「経済成長が起こるだろう、あるいは起きている」から経営者(特に中堅・中小・個人事業主)は賃上げに踏み切ることができます。国の歳出や税の仕組みが経済成長につながる施策になっているのでしょうか?

2、税制改革が物価高騰下での国民の負担感の削減につながっているのでしょうか?

3、少子化については、若い世代・子育世代の負担削減と雇用の安定化を以前から訴えてきました。こどもが大人になるまで約20年かかるその間の費用、生活が安定していないとライフプランが立てられないのです。この視点がいつも政府に抜けています。今国会での予算や施策はどうなのか?

私には予算案及び3法案とも、日本経済の成長と好循環、地方の成長、国民の負担感の削減、少子化対策につながるものとは思えませんでした。

 

令和6年度予算案

岸田内閣は令和6年度の予算案で(1)経済の好循環の起点となる賃上げの実現 (2)少子化対策としてのこども政策を強調しています。本来なら他の論点もたくさんあるのですが、派閥のパーティー券からの裏金疑惑といった「政治とカネ」問題の議論に時間を取られすぎて、予算についての議論が成熟しなかったというのが実感です。そして片方では国民の負担を減らすと言いながら、もう片方では負担を大きくする。ちぐはぐでわかっていないとしか思えません。

賃上げでいうなら、中小・個人事業主の経営者が賃上げに踏み切るところまでいっていません。賃上げしても社会保険料負担が大きくなるだけで、雇用側は負担増、従業員も手取りが増えないといった声には応えていません。

少子化対策の財源として医療保険料に上乗せして徴収する「支援金制度」をつくる。負担を削減したいのか増やしたいのか?

そして今回も岸田総理の「こども・子育て政策」には生活が安定していないとライフプランが立てられないという視点が抜け落ちています。雇用が安定していない中で家庭をもち、こどもをもとうと思えるのか。総務省が2020年の国勢調査をもとに分析したところ、生涯未婚率が年々増加していますが、非正規雇用の未婚率が6割超になっています。もちろんさまざまな事情で一人でこどもをという方も、雇用や経済的制約でこどもはもてない選択しかできないという環境であってはいけないと思います。


 もちろん能登半島地震からの復興資金が本予算の中には含まれています。しかし復興を支えるための環境を実現するには、全体としてあまりにもちぐはぐな予算と政策なのです。

 岸田総理は年頭会見で「被災者の生活と生業(なりわい)をしっかりと支えていく息の長い取り組みが求められる」と発言しました。政府は現行制度である被災者生活再建支援法の支援に加えて、能登半島の6市町村については上乗せ支給する新たな交付金制度を設けるとしています。確かに奥能登の被害は酷い。私も1/3に珠洲まで単独視察で行っているのでわかります。

しかし富山県も能登半島の付け根から沿岸部に同じ被災地があります。地震とそれに伴う液状化で家屋が崩壊している。これは石川県の能登半島の6市町村以外でも、新潟県でも起きています。地域で支援を限定する・格差をつくることが、被災された方へよりそう姿勢でしょうか。実態に合わせた支援をするべきです。

 こうした予算の中身・使い方についてもっと議論すべきなのに、議論する時間を短縮し、採決にもっていってしまった。これでは反対せざるを得ません。

 

所得税法等一部改正法案

 所属する財務金融委員会で審議しましたので細かく書きますが、以下より、反対です。

1、物価高騰下での国民の負担感の削減に所得税・個人住民税の定額減税が適しているか否かという大元の議論は財金委員会でもほとんど為されていません。

日本のGDP7割は国内消費です。国民の負担感の削減かつ消費に回る減税にもっと適した税改正があるかもしれませんが、その議論がなされていないのです。

2、改正の中には所得税3万円、個人住民税1万円の減税が含まれてはいます。

しかし財務大臣の答弁では今年1回だけです。それでは国がデフレマインドの払拭と好循環の実現につなげますよ、経済成長にもつながるのですよという国民のみなさんへの強いメッセージにはなりません。

3、低所得者の方への子育て世帯支援は法案の中にあります。しかし、まだ家庭をもっていない若い世代が、「家庭を持とう」「子どもがいるのはいいな」と思える施策にはなっていません。

4、賃上げ促進税制を進めるのはいいですよ。しかし先ほども申し上げたとおり、賃上げしても社会保険料負担が大きくなるだけ、手取りが増えないという経営者や従業員の意見には応えていません。

 

 ◯所得税法等一部改正法案の附帯決議

  附帯決議には「確実に減税措置が受けられるよう適切な執行体制

  確保や地投げ促進税制の効果検証、インセンティブ、政治資金問題、

  インボイスに関する不当な扱い防止を」と盛り込まれています。

  これはいたって「国が為すべきこと」でしかありません。またある

  意味、有権者に対するポイント稼ぎとも言えるわけで、附帯決議で

  言うのであれば、法案に盛り込ませないと意味がありません。

 

◎地方税法等一部改正法案

 所得税法等一部改正法案の1で述べたとおり、物価高騰下での国民の負担感の削減に所得税・個人住民税の定額減税が適しているか否かという大元の議論の問題です。

 

◎地方交付税法等一部改正

 地方交付税総額は増えているわけですが、そもそも地方団体が行政サービスを安定的に提供できるようにするために、なぜ地方交付税の仕組みなのでしょう?

 地方にもっと財源を移管して地方地方で工夫でき、成長につなげるシステムが必要だとかねてより訴えています。そもそものところを議論しないと。