2011.12.09 : 平成23年11月予算特別委員会
吉田(豊)委員
自由民主党・立政会の吉田豊史です。改めてこの場に立たせていただき応援してくださる皆様に感謝して、そして私の思いで脱会した自民党議員会の先輩方が今も私を温かく見守ってくださり、また当局の皆様も応援してくださっている。そのことに感謝して、少しでも県政がよくなるための挑戦の質問をしてまいりたいと思います。
きょうは、震災後の対応、また、これから富山県が施策をつくり上げていく中でどのような考えが必要かという、私なりの提案を含めて質問させていただきます。
震災が起こったのはちょうど3月11日、この予算特別委員会。私もこの委員会の席に座っておりました。体験したことのないようなよくわからない揺れ、本当に何かが起こっているなと直感いたしました。その後の石井知事を初め県の対応は、本当に私自身、感謝しかないと思っています。ちょうど選挙が近づいておりましたから、いろいろな方に、地震が起こって富山県はどんな対応をしているの、と聞かれて、私は自信を持って、どこよりも先駆けて、今そのときに困っているさまざまな応援を富山県はやってくれています、県民の皆さんも一緒に誇りを持って、そして応援していきましょうと申し上げておりました。
私はそのときに、あまりにも大きな震災だから、そのときだけで事が片づくわけではなくて、応援は長引くだろうし、その分、一生懸命頑張っていかなければいけないことも多いと思いました。自分自身も県議会で議席をいただいたならば、このことについて継続して応援の施策を行うべきとの考えを示していきたいと約束しておりましたので、私は今回質問の機会をいただいて、まずこのことについてお聞きしたいと思っております。
委員長、資料の配付を許可いただきたいと思います。
吉田(豊)委員
けさほど、この質問に当たって冒頭の部分をどのように始めようかと一生懸命考えておりましたら、大きな声で歌を歌っているうちの娘がおりまして、ああ、いいかげん静かにしてくれよ、と思っていたのですけれども、実はすごい歌を歌っておりました。その歌詞を見ていただこうと思って、今ほど皆さんのお手元にお届けしました。
「ありがとうの花」というNHKの「みんなのうた」などでよく歌われている歌です。けさほどのことだったので私もタイトルをつかめずに、子供が歌っているのを聞き書きしてきたのですが、「だれかがしあわせになるためにじぶんでできることをしよう。みんながしあわせになるようになにかできることをしよう。ありがとう、ありがとう、すてきなおくりもの。ありがとう、ありがとう、すてきなおくりもの」、こういう歌を一生懸命歌っておりました。
きょうの私の質問の中身、皆さんにお伝えしたいことは、ほぼここに言い尽くされているのではないかという気持ちがいたしましたので、冒頭に持ってまいりました。よくパネルを持ってくださる応援はありますが、どなたか歌っていただければという気もいたします。
それでは最初に、もう半年以上たちましたけれども、現時点で被災地に富山県がどのように対応しているのか、富山県、それから県内市町村の被災地への直接の応援の状況について吉田局長にお聞きします。
吉田(豊)委員
本県では、東日本大震災発生当初から被災地に対するさまざまな人的支援、物的支援に取り組んでまいりました。その詳細については、ここでは省略させていただきますが、現時点で行っている被災地への支援ということで申し上げますと、県及び市町村から被災地の自治体に応援職員を派遣いたしております。
具体的には、県からは被災施設の復旧などのため、職員8名を福島県や宮城県に派遣しております。その内訳は土木職が3名、建築職が1名、農業土木職が3名、事務職が1名となっております。派遣先別で見ますと、宮城県に対して5名、福島県に対して3名となっております。また県内市町村においても、被災市町村の事務応援などのため、事務職や土木職など職員合計4名を福島県や宮城県、茨城県に派遣しているところでございます。
吉田(豊)委員
現在、被災地から要請されている事柄があるのかどうか、そのことについてまずお聞きしたいと思います。
吉田知事政策局長
被災地からの支援の要請につきましては、被災地の意向を国や全国知事会等が取りまとめまして、一括して都道府県や市町村に要請が行われているところであります。現在、本県に届いております要請といたしましては2点ございますが、1点目は、被災地の復旧・復興対策のための職員派遣でございます。それから2点目は、東日本大震災により生じた災害廃棄物、いわゆる震災瓦れきの受け入れへの協力でございます。
これらの要請につきましては、まず1点目の職員派遣については、今ほどお答えいたしましたとおり、現在、県から職員8名を派遣しているところでございます。2点目でございますが、災害廃棄物の受け入れへの協力につきましては、焼却施設や最終処分場を有する市町村や一部事務組合が最終的に判断することとなりますが、県といたしましては、国からの要請を市町村に伝えるとともに、受け入れに当たっての課題等を市町村等にお聞きした上で、全国知事会などとも連携し、必要に応じて国に申し入れを行うなどの対応をしてまいりたいと考えております。
吉田(豊)委員
被災地からの要請については国が取りまとめているかと思いますが、震災直後に本当に多くの都道府県が、応援できることを自分たちで考えてやりました。ですから半年たって今、被災地では、まだあれもこれもということは、やはりおっしゃれないだろうと思います。
私は、要請されている事項という聞き方をわざわざいたしましたけれども、富山県から、何かできることはないでしょうかと聞くのが、本当の気持ちではないかと思うわけです。
特に、けさも富山市内でも雪が降りました。東北ですから寒いわけです。初めての冬を迎えるこの時期に改めて役に立つ、あるいは求められている応援というものがあると思うのです。何かありませんかと聞く、あるいは聞かなくても何かあるのではないかと思って、富山県からやるというのが一番大事な姿勢ではないかと思うわけです。
百聞は一見にしかずと言いますが、やはり人間ですからだれしも現場を見ることで改めて自分自身の認識を強いものにし、そこから何か応援をしたいという気持ちにつながることは間違いないと思うのです。富山県として、今、改めて被災地を見て、そこから何か次の応援を考えようというタイミングに来ているのではないかと思うわけです。
これについての考えを吉田局長にお聞きします。どうでしょうか。
吉田知事政策局長
県では、これまで被災地の現状につきましては、4月に知事が福島県を訪問いたしまして、佐藤福島県知事と会談を行うとともに、津波の被災現場の視察や避難所で住民の方と意見交換を行うなど、現地の状況を詳しく把握してきたところでございます。またその後、先ほども御紹介申し上げましたように、現地に職員が派遣されておりますので、こういう現地に派遣された県職員などから現在の状況について報告を受けまして、被災地の状況の把握に努めてきているところでございます。
震災から約9カ月が経過いたしまして、被災地では復旧から復興へと軸足が移行する状況の中で、被災地の支援につきましては、現在では被災地の意向を国や全国知事会等が取りまとめまして、それを各都道府県などに示し、被災地の要請にこたえる形で実施されておりますことから、こうした現行の支援スキームに沿いまして、必要な支援を行ってまいりたいと考えております。
吉田(豊)委員
今もやはり、もう一度国のスキームに沿いまして、という答弁であったわけです。国が率先してやることについては、私はそれでいいと思いますし、そのスキームに沿ってやろうというのもいいと思います。だけれども、やはり現場を見てくることの重要性を、もう一度私はここで訴えたいと思います。
知事は本当に早い段階で見てこられたけれど、今、瓦れきが大きな問題になっている。この後に質問しますが、それがどれぐらい山積みだったのかは、もしかしたら知事も見ていらっしゃらないかもしれない。きょう、ここに執行部の方々がおられるけれども、現場に行って見てきたという方は私にメッセージを送ってください。
やはり数名しかおられないですね。そうすると、数名おられることもありがたいことだと思いますけれども、特に県は、さまざまなセクションに分かれており、これからできることを何か直接に担当する部署もあるわけです。その最たるところが吉田局長のところだと思います。
ですから、行ってきてほしいですね。現場を見る。見てくると、どこに力を入れなくてはいけないかを自分のスタッフに訴える力も強くなる。私は、なぜ、これを今ここで問わなくてはいけないかということも、本当は問題だと思っています。こういうことは私自身もそうですし、それから富山県民の皆さんもそうですが、最初に申し上げたように、誇りのある本当にすばらしい応援を富山県はしていると私は言ってきました。だから、それを今、もう一度先頭に立って、ほかのことを置いても自分たちがこれをやろうという姿を見せてもらいたい。どうですか。
吉田知事政策局長
先ほどから御紹介いただいておりますように、県としましては、当初から、例えば物資の支援であるとかボランティアの派遣などを行ってまいりました。その後順次、例えば食料や物資につきましては、基本的にはもう充足しましたという御連絡が来て、それによりまして県から大規模な形で送ることは打ち切らせていただきました。
ボランティアにつきましても、おっしゃるとおり向こうも冬がまいりました。そういう中で、例えばバスでボランティアを大量に派遣するといったことの危険とか、また地元の人が中心になってやっていったほうがいいような段階に入ってきたということでございましたので、ボランティアについても、ボランティアバスの派遣という形では打ち切ったところでございます。
あるいは職員の派遣を行っておりますけれども、先ほども御紹介いたしましたが、派遣しております職員から写真なども送ってもらいながら、現地の状況については随時把握しているところでございます。
したがいまして、先ほども申し上げましたように、さまざまな形で現地のニーズを把握しながら適切に対応してまいりたいと考えております。
吉田(豊)委員
結局、写真というのは写真ですよね。自分が目で見ることが本当に大事なのです。吉田局長が行くか行かないかは、私は行っていただきたいのだけれども、それは御自身で考えていただきたい。現地に行く必要があるのではないかと、改めてもう一度見る必要があるのではないか、このことを検討していただきたいのですが、検討する気があるかないかお答えください。
吉田知事政策局長
それでは、今後の支援のあり方として、その前提としてのニーズの把握の方法としてどういったものがあるか。また、現地での受け入れ体制の話もございますので、そういうことを含めまして検討してまいりたいと考えております。
吉田(豊)委員
先ほど、具体的に被災地から要請されている項目の1つとして、震災瓦れきが出てまいりました。このことについては皆さんも最近の報道で、東京都が受け入れを始めたということとか、それから九州の武雄市では樋渡市長が、一たん受け入れを表明したのですが、大変な抗議があって、そして本当に涙をのんで断念したという経緯がありました。
私が、今なぜこのことを富山県議会でお聞きするかというと、なぜ県は瓦れきの受け入れをしないのだ、引き受けろというために聞いているわけではないのです。そうではなくて、受け入れたい、応援したいとみんな思っているけれども、そのために何が問題になっているのかを明らかにして、それがどうすれば解決されるのか、そのことを県民に知ってもらうことが私は大事だと思うからです。
よく、TPPは何がどうなっているのかわからない、国の責任だと言いますね。別の意味で同じことではないかと思います。県民は、ほかの全国的な情報をとればいいという考え方もあるかもしれません。けれども、何度もしつこいようですが、応援の先陣を切った富山県だから、こういうことについても、やはりいろいろできることを今やっているのですよというメッセージを送っていただきたいと思います。
この震災瓦れきの質問については、議会前常任委員会で中川委員と稗苗委員が問うておられます。やはり、できる応援があるのではないかという気持ちで聞いておられるわけです。これは私だけではなくて、みんなが思っていることなのだなと、お二人には勇気をいただきました。これを何とかしようという動きを進めていきたいと思います。
瓦れきの受け入れの判断や体制については、どのようなことが条件であるのか、五十嵐部長にお聞きします。
五十嵐生活環境文化部長
災害廃棄物の受け入れにつきましては、先ほどの知事政策局長の答弁にもありましたが、焼却施設なり最終処分場を持っています市町村や一部事務組合が最終的に判断されることでございます。そして、その判断のために最低限必要になる条件とか受け入れの体制といたしましては、まず、放射性物質について安全性が確保されていること。それから、焼却施設や最終処分場などの受け入れに必要な施設があること。また、通常のごみ処理に加えまして災害廃棄物を受け入れる余力があることが最低限必要なことだと考えております。
吉田(豊)委員
今、最初に出てまいりました放射性物質というのは、やはりこの問題でセットになってくる一番大事な要因だろうと思います。特に相手が目に見えない、わからないものだから、私たちも、わからないということで不安になるわけです。不安になるといろいろなことを考えて、一番悪い状態を想像するというのは、だれでもそうだろうと思うのです。
今ほど放射能の問題などの幾つかの条件を出されましたね。では実際に、もし放射能がクリアされたとしたら、これは受け入れるための問題とはなりません。クリアされるという意味は、それは放射能が含まれていないことが確認できたということだと私は思っています。
そのような状況ができた場合に、それでは富山県として、最終的な受け入れは、部長がおっしゃったように具体的な個別の場所になるのでしょうけれども、それぞれの場所が実際に受け入れられる状態、例えば燃やすなら燃やすでキャパがありますよね、そういうことについて現状はどうなっているのかを教えてください。
五十嵐生活環境文化部長
まず、県内での普通のごみの処理能力ですが、現在4市3事務組合において処理しており、年間で約35万トンの通常のごみの受け入れ能力があるということです。これに加えて、災害瓦れきなどの災害廃棄物を受け入れることがどの程度できるかという点についてですけれども、環境省が4月時点に調査をいたしました。それによりますと、県の合計で約3万トンの余力があるという回答がありました。これは県全体の年間の処理量の約1割程度で、現状では、この数値3万トンが受け入れ処理の許容量ではないかと今のところは考えております。
吉田(豊)委員
県とすれば、少なくともキャパはいっぱいという状態ではないとする判断ですね。当然、最終的には被災地の瓦れきを処理するわけですから量の問題になるのですけれども、私が問題にしたいのは、量のこと以前に、まずそういう動きを全国的に進めなくてはいけないのではないかという視点で聞いているわけです。そうすると、富山県とすれば、その条件はクリアされているのではないかと私は思います。
それも現状での受け入れの量について3万トン、年間の1割ほどが可能かもしれないという答えでしたけれども、富山県民が、自分たちの出すごみを減らそうと努力されれば、それはまた違った数字が出てくるだろうし、あるいは瓦れきについては、主に焼却という話をしていますけれども、燃やすことによって幾つかの震災瓦れきならではの問題もあると聞いております。
震災瓦れきの特徴は、放射能の問題があったけれども、ほかにも幾つかあると思うのですが、具体的にそれを生活環境文化部長から御案内いただけますか。
五十嵐生活環境文化部長
結局は、放射性物質が大丈夫かどうかということが一番大きいのです。それはどういうことかというと、まず被災地から出るとき、それから、こちらに持ってきた場合、全部処理できないときの保管場所の問題。また、いろいろな形状で来ていますので上手に処理ができるかという問題。そして、一番大きな問題は、地元住民みんながそれで安心だと思ってくれるかどうか。そういう意味で、基準が明確になっていないところが今の一番の大きい問題で、安全性に尽きると思っております。
吉田(豊)委員
本当におっしゃるとおりで、安全性こそが、今この問題が進まない一番大きな要因になっているのではないかと思うのです。この瓦れきの処理については、私なりに幾つかの都道府県、それから市町村の反応などを見ているのですけれども、そうすると安全性のほかにも、いろいろな理由を挙げて進まないということを聞くのです。
具体的には例えば、今回は津波での瓦れきだから塩分を多く含んでいるとか、それから部長も紹介されたけれども、まざった状態になっているという問題ですとか、こういうことは実は安全性とは全く別の理由をつけておられるわけです。
だから、何よりもこの問題を解決するためには、私は安全性という問題、それからそれ以外のコストなどの問題をきちんと区分けして、そのことを一つ一つ解決することによって大きく進むのではないかと思います。
最終的には各市町村等の判断だとおっしゃいましたけれども、この問題について今どのように対応しているのか、県は把握しておられるのか、県内の把握状況をお聞きしたいと思います。
五十嵐生活環境文化部長
災害廃棄物の市町村の受け入れの確認の状況ですけれども、環境省は4月に、どの程度を受け入れるかという調査をしました。10月には、受け入れる意向があるかという調査を行いました。ただ、それは個別の結果を公表しないという条件でした。
その調査によりますと、各市町村や事務組合は、具体的な対応は未定、判断を決めかねている様子でございました。これは、受け入れに当たって、先ほども申し上げましたけれども、放射性物質の濃度、性状などの具体的な条件が示されていないことや、放射性物質の安全性の基準が一応示されているのに、不明確、わかりにくいといったことから、市町村や事務組合では判断しかねているといったことにあるのではないかと思っています。
ただ一方で、先ほど来おっしゃっておりますけれども、ものすごく多くの災害廃棄物があり、発生量は大体富山県の58年分の量が残っています。全国の自治体が協力しないとできないような状況だと思っております。
こうしたことも踏まえまして、県としては国に対して、市町村が一番心配しておられる受け入れの安全基準をもう少し明確にしてくださいと要望もしております。また仮に安全性が確保されるような条件が示されたならば、改めて市町村や事務組合の意向を確認して、県としてどんなことができるのか検討していきたいと思っております。
吉田(豊)委員
本当におっしゃるとおりで、まず安全性の確認。このことがすべての障害になっているわけです。このことを確認できるのは国しかないと思います。国の対応が遅いと思っています。一日も早く、その部分についての指針なり基準なり、あるいは、もし次に受け入れることを考えた場合には、受け入れるときにそれがきちんとクリアされているという条件なり、それを確認するものが必要なわけです。この部分については、頭の中でこれぐらいなら安全ですと言っても、国がやっていること自体が、もう明らかに国民の不審を買っていることも事実なのです。
ですからそのことについては、県民からすると、別に富山県だけではないと思うけれども、受け入れて早く応援しないことには、本当におっしゃったように、五十数年分というのは数字では表現できない大きさなのです。僕らは五十数年分と言われても3年分と言われても、どれだけ量が違うかもわからないぐらいです。そういうことについて、きっちりと一日も早い対応を国にもう一度強く求めていただきたいと思うし、そういう動きを私たち自身も進めていかなくてはいけないと思っています。ありがとうございます。
今ほど部長の答弁で、安全性のことと、それから安全性が確認された場合の次のステップについて、確認をさせていただきました。知事としても、この現状を見られて、県としての姿勢もしっかりと示したいと思っていらっしゃるだろうし、そのために何を行わなくてはいけないかというあたりを、知事としてどのように御認識なさっているのか、もう一度確認させてください。お願いします。
石井知事
今お話に出ました震災の瓦れき、災害廃棄物の処理について言いますと、私も出席しておりました政府主催の全国知事会の場などでも、各都道府県に対して災害廃棄物の受け入れの協力要請が国からありました。ただ、部長からもお話ししましたように、焼却施設や最終処分場を持つ市町村等において、これに協力したいという気持ちがあっても、まずは何といっても放射性物質に関する安全基準や、また脱塩に関する考え方が明確に示されていないということがありまして、私の承知している範囲では、現時点では東京都と山形県以外では広域処理が進んでいないと伺っています。
この点については、実は今申し上げた11月21日の政府主催全国知事会の場でも、知事会として国に対して、ぜひ明確な安全基準を設定していただきたい。そうしないと、受け入れたくても受け入れられない。と要望し、その場で細野環境大臣から、これはぜひ地元に理解してもらえるように、国として整合性ある説明を責任を持ってやるようにしたい。というお話があったのですが、残念ながらその後、実務的に状況を聞かせますと、環境省の実務家は、どういう場合ならいいのかというガイドラインを出すこともできないような状態で、率直に言って国の対応がまだ進んでいないのです。
ですから私は、委員が、人道的と言いますか国全体あるいは被災地のことを考えて、何とか協力してやるべきではないか、とおっしゃるお気持ちは痛いほどわかるのですけれども、一方で、仮に受け入れた瓦れきに放射性物質がたくさんあって、富山県はそういう点では安全だと言っているのに、周辺にそういうものが散らばったりしたら、これは本当に市町村長も困るし、もちろん私も困る。県民の皆さんも、協力はしたいけれども、それはちょっと勘弁してほしいというのが、大方の御意見だと思うのです。
そこで国に、それをやらなければ全然だめではないか、協力しようがないではないかと言っている。しかし、まだ返事が具体的に来ていないということであります。さっきも、委員が現場を見てくるべきではないかという御意見をおっしゃいました。私は一般的には全くごもっともだと思うのです。けれども、大災害のときには現地は大変な取り込み状況になりますので、やはり先方の事情も考慮しなくてはいけないわけです。かえって迷惑をかけることがある。
ですから私が、例えば4月24日に行くことを選んだのも、やはり直後に行くと大変な迷惑になるだろうということで、そこで40日余りたって、少しは落ちついた様子でしたので、日曜日なら一般のお客さんも少なくていいのではないかということで、事前に佐藤知事にも連絡をとり、その日ならば、ほんのわずかだったらお会いできるということでありましたし、もちろん、そのためだけではなくて実際に被災地に行き、住民の皆さんにもお会いし、また、こちらから行っている医師や看護師の皆さんに激励などもさせてもらったのです。
今は大分落ちついてはいると思うのですが、この10月末でしたか正確な日付は忘れましたが、向こうから、そろそろボランティアは地元でやるから、もうこれからは結構です。と言ってきたのです。というように、こちらがいろいろなことを親切で思っても、向こうの事情がありますから、そこはよく考えて対応しないといけない。
さっきのお話で知事政策局長かだれか、適当な者を現地に一度行かせてもいいなと思っているのですが、これも向こうの受け入れ体制──例えば、国のいろいろな政治家の方とか、お役所の高位高官が次々にいらっしゃると、もう応対だけで大変だという話もあるのですが──向こうの事情も勘案しながらやっていきたい。
なお、震災直後からそうですが、やはり47都道府県、あるいは2,000近い市町村が、ばらばらに支援するとかえって混乱するので、また、あのころは政府が少し混乱していましたから、私から当時の麻生全国知事会会長に提起して、ぜひ全国知事会が窓口になって、例えば、富山県や石川県のブロックは岩手県を応援しよう、この県、グループは福島県を応援しようというように、割り振りを決めましょうということで、混乱しないようにしたわけです。
そういうことは今後も必要でありますので、現場を見ようという御指摘はごもっともですが、そういうことも含めてしっかり対応していきたいと思っております。
吉田(豊)委員
全くおっしゃるとおりで、改めてその考え方に敬意を表します。私は何を申し上げているかというと、この問題について知っておいてほしいということなのです。丸かバツかを今そこで出してくれと言っているわけではないのです。その判断をするために、自分たちは知っていなくてはいけない。その1つの方法が、当然行くことかもしれないし、行かなくてもほかの方法もあるかもしれない。ぜひ善処いただきたいと考えているところでございます。
次に、この震災は原子力発電所の事故がありましたから、いや応なしに電気についての対応が改めて問われることになりました。節電について、お聞きしようと思います。
富山県においても、この夏にはさまざまな節電の努力を依頼されましたけれども、これが実際に一般の家庭あるいは企業においてどのような結果だったのかということについて、簡単にお聞きしたいと思います。五十嵐部長にお聞きします。
五十嵐生活環境文化部長
御承知のように、本年度は特に電力需要が高まる夏場に、県民、企業、行政が一体となりまして、節電や省エネの活動に取り組んだところでございます。
節電の実施状況ですが、一般家庭におきましては、例えば、我が家のエコチャレンジコンテストに参加した家族の例を申し上げますと、LEDの電球への交換とか、家族が1つの部屋で過ごして照明の節電に努めるなど、それこそ先生がおっしゃった「ありがとうの花」のような自分でできることの取り組みが行われました。
そうした結果、8月の電気使用量が前年同月比で平均11%の削減となったという報告もあります。また、県内企業におきましても、県が10月に実施しました節電の実施状況に関する調査によりますと、照明等の消灯や間引き、休業日や営業時間の変更など8割近くの企業が節電に取り組まれ、節電の効果があったと答えた企業が7割以上になっております。
北陸電力によれば、7月、8月の最大電力量が昨年に比べ30万キロワット低くなっており、節電への協力が大きいものとされております。このようなことから、ことしの節電については大きな成果があったのではないかと考えています。
吉田(豊)委員
よい成果があったということで、これをどうつなげていくのかということだと思いますが、この冬の節電についてはどのような姿勢で臨まれるのか、引き続きお考えをお聞きします。
五十嵐生活環境文化部長
ことしの冬におきましても、約6割の企業が節電対策を実施したいとしておりまして、夏の節電、省エネへの取り組みが、単に電力不足への対応ではなくて、環境に配慮した具体的な行動を起こすきっかけになったものと考えております。こうしたこともありまして、県としては節電や省エネ活動に継続的に取り組んでいくことが必要で、ことしの冬の節電対策についても、夏の節電対策を生かしていきたいと考えています。
具体的には、県のホームページで冬の節電メニューを情報提供し、また環境の関連でいろいろなイベントがありますが、そのときに節電の呼びかけとか、具体的に効果のある取り組みなどの紹介、それから、うちエコ診断による家庭省エネ診断、また具体的な節電方法を提言するなど、しっかり取り組んでまいりたいと思っております。
吉田(豊)委員
せっかくのことですから、ぜひつなげていただきたいと思います。
節電というのは、1つの無駄を省く、あるいは自分たちの暮らし、エネルギーについて見つめ直してみようということで、一人一人の暮らし、考え方にもつながっているのではないかと思います。何よりも、この震災が私たちに与えた一番大きなものは、今のままの暮らしでいいのかどうかということについて、一人一人が考える機会をいただいたことではないかと私は思います。これは必ず生かさなくてはいけないことではないかと思うわけです。
そこで県は、省エネについて非常にいろいろ努力しているわけですけれども、この節電の取り組みを今後どのようにつなげていくのか、知事にお考えをお聞きします。
石井知事
委員がおっしゃいますように、東日本大震災をきっかけにして、省エネルギーとか節電とか、地球温暖化対策等もありますから、この機会にいろいろな見直しをすべきだと思います。
そのためには県庁みずからやるべきだということで、県庁節電アクションプランを、この夏から秋にかけて実施しましたが、LED照明への転換とか、もちろん不要不急のいろいろな照明をできるだけ消すとか、電気機器のプラグオフとかを徹底しまして、この8月から10月にかけて10%の節減を目指したのですが、結果としては、前の年に比べると12%から15%ぐらいの節減ができたということであります。
また、実は電力使用の約3割は家庭部門でなさっていますので、6月に開催したエコライフ・アクト大会や、また10月のとやま環境フェアにおいて、私からも県民の皆様に節電への御協力を呼びかけますとともに、やはり何か励みが必要だということで、今年度から新たに、家族の皆さんが一緒に節電に取り組むため、我が家のエコチャレンジコンテストを行いまして、節電の機運が高まるように取り組みを進めました。このコンテストに応募された世帯だけでも700世帯を上回っております。
さらに県においては、全国で初めてレジ袋の無料配布取りやめを、かねてやっておりますが、エコドライブ推進大運動などもこれまで進めております。
今度の節電の取り組みも一過性のものにしたくありませんので、まず県庁の節電アクションプランは、定時退庁なども含めて今後とも引き続きしっかりやっていく。それから12月17日に地球温暖化防止県民大会を開くことになっておりますので、私からも改めて皆様に節電を呼びかける。また、さっき申し上げたコンテストで得られたユニークな節電のアイデアとか、省エネ設備の導入による効果的な節電の取り組み事例を、積極的にPRしていきたいと思っております。
委員のおっしゃるとおりで、これを機会に節電、省エネ運動を、ライフスタイル全体を変えていくきっかけにして進めていきたいと思います。
吉田(豊)委員
今ほど、知事の言葉にありましたが、目標を立てたらそれ以上の効果を出すことができたということで、それは本当にすばらしいことです。一人一人の努力がそういう数字になったのだろうと思います。こういうことをきちんと継続してつなげていくことは、実はそのときにいいというだけではなくて、次につながるという大きな意味が本当はあるのではないかと思っています。
次に問2として、県の施策について、これからどういうふうに組み立てていくのか、あるいは何をとり何をあきらめていくのか、ということについてお聞きしたいと思います。
震災で私たちが思ったのは、何よりも命があることが一番ありがたいことだということ。あれもこれも欲しいと言っていると切りがないけれども、本当に大切なものは何かということを改めて一人一人考える、そういう機会をいただいたわけです。
今回、県とすれば、新しく24年度の予算を組む。そして、その予算の立て方については、基本的に今あるものについては20%削減して、本当に大切なところに新しくエネルギーを注いでいこうということで、本当にすばらしい考え方だと思います。
これには、私は本当に大賛成だし、もっと進んだことを言えば、この震災が本当に1000年に一度という大きなものであれば、1000年に一回のことなら、気持ちとして、私たちの県の予算をどれだけ減らしても、全部、応援できるところに回そうというぐらいのことがあってもいいのではないかと思うくらいです。
私は自分でこの質問をつくりながら、一番難しいことだと思うのは、県として、施策を組み立て、行う側として何かをするということは、当然ニーズがある、要望があるからそれをやろうという話になると思うのです。要望ということは、簡単な言葉を使うと、求める、何かをしてくださいということです。何かをしてくださいというのは、今回の震災で、足るを知る、を感じようという話だったのに、私は、今定例会に出ていても、やはり震災が起こる前以上に、あれも足りない、これも足りない、あれもしてくれ、これもしてくれという話になっているのではないかと思います。
当然、議員は県民なり地元の声を背負ってここに出てくるわけですから、やはり、今一度原点に返って、あれもこれも足りない、欲しいと言うのではなくて、本当にしなくてはいけないことは何なのかという視点で予算を組んでくれと、このような応援をすることが私は一番大事だと思っています。
富山県は、今いろいろなことで大事なタイミングに来ております。新幹線のこと1つをとっても、あれもしてほしい、これもしてほしいと思いますが、私は、今、知事を初め当局はさまざまな問題に本当に全力で取り組んでくれていると思うし、一生懸命やってもらっていると思っております。けれども、私も含めて県民自身が、そのことを実現していくための応援が足りないのではないかと思います。
本当にそれを実現したいならば、知事に、それを背負って前に行って闘ってきてくれと言って、予算化しなければならないと思いますが、これから私が幾つか具体的なことについてお聞きしますけれども、いや、それについては我慢してくれ、という答弁でも全然構いません。優先順位からすれば後だろうという考え方も出てくるかもしれません。このような厳しいときに我慢をすることが、実は次の段階で富山県を大きく飛躍させるというような、そういう高い志の考え方で予算を組んでいただく大きなチャンスではないかと私は思っています。
具体的に質問に入らせていただきます。今、大体言ってしまったのですが……。演説になりました、すみません。施策の立案に当たりバックグラウンドとなる県民のニーズについて、具体的にどのように把握しているのか、吉田局長にお聞きします。
吉田知事政策局長
県民のニーズや価値観が多様化、高度化する中にありまして、県が、県民の求めるニーズに的確にこたえ実行ある施策を立案していくためには、県民の意向や実情をきめ細かく把握していくことが必要でございます。このため県では、年に1回、広く県民から県政に係る関心や要望についてお聞きする県政世論調査を実施しております。これに基づく選好度で順位づけを行いますと、例えば雇用であるとか、医療、社会福祉といったものに対する選好度が引き続き高い。それから、ことしにつきましては大震災の影響などもありまして、防災に対する選好度も高くなっているという状況でございます。
これに加えまして、定期的に県施策に対する意見等をいただきます県政モニターの委嘱をしているほか、はがきやメール等で気軽に要望や意見をお寄せいただく、元気とやま目安箱も設けております。
それから、森づくり、子育て支援など個々具体の課題への対応に際しましては、施策立案の段階におきまして知事のタウンミーティングを開きましたり、ふれあい対話を開催して、グループ、団体等と意見交換をしますなど、直接県民の皆様の御意見を伺うとともに、個別のアンケート調査や基本的な政策等を決定する際に意見の募集を行います、パブリックコメントも実施しているところでございます。
さらに、県内各界各層の有識者におきまして構成される各種審議会、懇談会、研究会などの場におきましては、専門的な見地からも御提言いただくなど、幅広く県民の意向や実情を把握するよう努めているところでございます。
今後とも県民の御意向、実情を十分に踏まえながら、実行ある政策の立案、実施に努めてまいりたいと考えております。
吉田(豊)委員
ニーズということで言うと、1つの分野があって、そのテーマについて、実は県民の求めるさまざまな要望というのは、相反することが多々あります。本当に難しいことだと思います。
この予算特別委員会でも、例えば、菅沢委員が教育のことについて質問をしてくださいました。教育は主に子供たちのためのことが大方でございますから、これを菅沢委員が、子育ては終わっているけれども心配してくださるというのは、本当にありがたい。また、山本委員が、高齢者の方々のことについて質問をしていた。山本委員は、まだまだ高齢者にはならないけれども、このことについて質問しているというのは、私は本当に相手のことを思いやるということで、すばらしいことだと思います。
問題は、それぞれが何についてニーズをとらえてこたえるかということなのですが、例えば、具体的に教育のことについて、さまざまな応援を、という言葉をくださった菅沢委員の中身については、私は大方反対でした。それはどうしてかというと、人数のことが話に出ていましたが、私は、家でも話をしましたし、いろいろな方、同年代の子育ての人とも話をしたのですが、今、本当に求めているのは、たくましい子供、自分のことは自分でできる子供をつくりたいのだということです。
少人数にすること自体が、たくましくなくなるということではないと思いますけれども、やはり雑多なところで、大勢のところで鍛えられてという考え方のときに、きめ細やかな、という言葉は、実は気をつけなくてはいけないのです。きめ細かになると、たくましくならないのです。いろいろなことにきめ細かに対応していくということは、本人が自分たちで考えてやっていく力を失わせることにもなりかねない。
けれども、自分でやれない環境や状況の人たちに対しては、きめ細かなことをしなくてはいけない。こういうことをやはりきちんと区分けして、それぞれに対応する。全部きめ細かにすることは予算的にもできないし、そういうめり張りを私はきちんとつけていただきたいということです。
何か質問か演説かわからなくなってしまって申し訳ないのですが、そこで、具体的に幾つか質問をお願いしたのですが、申し訳ありませんが、本当に幾つかしか答えていただく時間がなくなりました。
まず私は、複数の効果を生む施策、それから、時間がかかるため効果がすぐには期待できない、でも種をまかなくてはいけない施策。それからもう1つ、実行に当たって、県は1つのチームですから、分掌制というかセクションで仕事をしてもらうのですが、両方にまたがって具体的に計画して面倒を見なくてはいけないようなことが、本当は難しい部分ではないかと思います。
今定例会でも、さまざまな議員の方が、やはりそこについては問題があるし、ぜひそれをクリアする新しい部分を進めてほしいということでした。私も本当に賛成だと思って聞いていました。
その中の1つとして、私は、緑について一生懸命考えている人間のつもりですが、この緑というものは、やはり世話をするのにも時間がかかるものなのです。そして、複数の効果を生むものだということ。それからもう1つは、複数の効果ということは複数の部署にまたがるということではないかと思います。
きょうはバッジをつけてまいりましたが、ことし2011年国際森林年のバッジです。国際森林年にはポスターがありまして、「最後に森に行ったのは、いつですか?」という言葉が入っていました。私も行っていないなと思いまして、きのう森とまではいきませんけれども、吉峰の県の森林研究所へ行ってまいりました。
非常にすばらしく整備がされていて、植えた小さい木の苗が、10年後、20年後、30年後はどうなっているのかということが明らかに目で見て感じられました。植えていることもすごいことだけれども、本来の天然の森はどうなっているかというと、毎年自分たちで種を落として、そして自己更新して緑を維持しているのだという、当たり前のことに気づかされました。
そういう意味で、緑についての施策というのは非常に難しい部分を多く持っていると思いますが、具体的に私がどうして今回これを思ったかと言いますと、実は私の娘が風邪をこじらせて肺炎になって、県立中央病院にお世話になりました。県立中央病院はうちの前ですけれども、私自身は元来丈夫ですから入院したことはないのですが、子供と一緒に横に添い寝していますと、小児科病棟の病室の窓を開けても、実は何もないのです。灰色が見えるだけ。この時期ですから特にどんよりしていますが、こういうことが大きなストレスになるのではないかと思いました。
これは過保護だと言われれば過保護かもしれないけれども、実は一昨年前に、私の別の娘が入院したときに、それから反応がなくなって眠り続けるようになってしまいました。こういうことも、やはり外からの刺激とか、あるいは平生緑と接している人間にしてみると、緑があることが非常にプラスになるのではないかと思ったりもします。
あるいは緩和ケア、終末期のことですが、そういうときにも、やはり自分の部屋から緑が見えることは、非常に大切な要素ではないかと思います。県立中央病院では、ずっといろいろな改善をしていただいていますが、具体的に植樹についてのエネルギー、あるいは緑をどのように病院で見せるかについても、考えを割いていただきたいと思うのですが、飯田部長のお考えをお聞きします。
飯田厚生部長
県立中央病院における樹木の管理などにつきましては、敷地内の樹木はいろいろございますけれども、現在の敷地が住宅地に接しているということもございまして、カラスなどの野鳥が巣をつくるなどの問題が過去にあったということから、近隣の住民の皆さんの御意見もお聞きしながら、剪定や除草などの適切な保全管理に努めさせていただいているところでございます。予算を調べてみますと、毎年度500万円程度の枠を持っているということでございます。
また、これまでに工事をいろいろやってまいりましたが、まず新しい東病棟をつくりまして、その南側に外来駐車場を整備しているのですが、この工事につきましては、外構工事として中低木の植樹をいたしますなど、新たな緑化にも取り組んできているところでございます。この植樹に係る工事費を調べてみますと、これは外構工事の中でございますけれども、平成22年度が210万円、それから平成23年度が268万円となっているところでございます。
それから現在、売店の部分について改築をやっているかと思いますが、これは屋根を少し吹き出すような格好になりまして、この面積が約25平米ほどございますが、この屋上の緑化にも取り組みたいと思っており、現在その内容について検討を進めているところでございます。
県としましては、県立中央病院において敷地内の緑化を進めることによりまして、緑が持つぬくもりでございますとか安らぎの力などを活用して、病気への不安や緊張、それから治療に伴う負担に苦しんでおられる患者さんの心と体をいやし、一日も早い回復に少しでもつながりますよう、委員のお考えで言えば複数の効果を生むような施策ということで、療養環境の整備に引き続き努めてまいりたいと思っております。
吉田(豊)委員
私自身は、まちなかに住んでおりますので、緑というと大きな施設に付随する緑、あるいは学校もそうだと思いますし、川や公園の周りにある緑。やはり緑は1回植えると当然育っていくわけだから、その部分についての維持費だけでも大きなものが考えられるのではないかと思います。
学校につきましては、もう少し私も深く勉強して改めてお聞きしようと思いますが、富山市のまちなかにも県管理の川が当然あるわけですけれども、この川べりについて、どのような整備をするのか。実は通常、川というものは土木関係の所管だと思いますけれども、この川が、これからのまちづくりには本当に重要な素材と言えばいいか、大切な場所になっており、複合的な効果を持つ部分ではないかと思います。
私は、新幹線が来ることを考えると、富山市のまちなか、特にいたち川水系──赤江川とか松川とかいろいろな川が出てきますけれども──は、ほぼ富山市のまちなかの川を網羅すると思うのです。こういうものについて、散策路というような1つのテーマの考え方を持てば、これは複数の大きな効果を生むのではないかと思いますが、これについて土木部長の見解をお聞きしたいと思います。
牧田土木部長
河川は安らぎと潤いのある貴重な水辺空間でございまして、とりわけ都市部におきましては、川べりに散策路を設置することは地域住民の健康増進、町の魅力の向上にもつながるものと考えております。
このため県では、これまでも区画整理事業などによりまして、まちづくりと一体となって河川環境整備に取り組んできております。例えば、富山市中心部では、松川やいたち川、それから滑川市では、のぞみ川などにおきまして、親水広場や散策路の整備を行ってきたところであり、多くの皆さんに御利用いただいております。また草刈りや清掃などの面におきましても、地域の皆さんや地元の市町村の協力もいただきながら、適切な維持管理に努めてきているところでございます。
現在、設置されている場所を見てみますと、堤防の天端が車道と兼用している箇所もございますし、人家の背後地となっている箇所もございまして、安全で快適に散策できない箇所も見受けられるといった状況でございます。このような箇所につきましては、道路のつけかえや家屋の移転などが必要となるため、散策路のみの整備をすることは難しいと考えております。
このため、委員はいろいろな効果があるということで、私も同感でございますが、しかし今言いましたように、そのものだけをすぐというのはなかなか難しいわけでございまして、道路整備、それから区画整理などのまちづくり、また河川改修の際には市町村や地元の皆さんの意見も聞きながら、散策路の整備についても検討していきたいと思っております。
吉田(豊)委員
この複合的な効果については、一緒に協力してやらなければいけないというのが現状ですから、私はこれからは、それを県民側あるいは住民側も一緒になって進めていくという考えをとらなくてはいけないと思います。
そういうこととは別に、そのような考えを推し進めやすくするために、予算を組むときに、この考え方を、あるプログラムであるとか枠を用意するということも、これから新しい方向を試していく中では非常に大切なことではないかと思うわけです。そういう複合部分の予算要求枠と言えば少し言葉が大げさですけれども、何か考えはないのか、出口部長にお聞きします。
出口経営管理部長
本県の予算編成に当たりましては、多額の財源不足を抱えているという状況もありますので、政策経費等については、今はマイナスシーリングを設定して財源捻出に努めております。こうした状況にありましても、元気とやま創造計画の政策目標を実現するための戦略的な取り組みにつきましては、今は特別枠を設けまして、上限なく予算の要求を認めるという仕組みになっております。
特に来年度は新総合計画の計画期間の初年度となります。この新総合計画の中では、将来を展望したときに、本県の発展のために部局を横断して重点的に取り組むべき戦略を重点戦略(仮称)──幾つか柱立てすることになっておりますが──といたしまして、これに位置づける見込みの事業につきましては、予算を優先配分することによりまして、市民のニーズの高い事業にめり張りをつけて、予算を捻出してまいりたいと考えているところでございます。