2008.09.22 : 平成20年9月予算特別委員会

質問者:吉田委員

 皆さん、こんにちは。
 きょうは自民党の総裁選がありまして、何かと慌ただしい日ではございますが、私は自由民主党を中から変えていく一人でありたいという気持ちで思いと行動を伴いたい、そういう考えでおります吉田です。よろしくお願いいたします。
 午前中の菅沢先輩のお話の中に、石井知事のマニフェストを熟読なさったというところがありましたけれども、私のほうには、なぜか手元にマニフェスト「人が輝く元気とやまのポイント」という紙がございまして、そちらのほうをしっかり読ませていただきました。
 と申しますのは、石井知事は4年間、一生懸命頑張ってこられて、この先、挑戦なさる最大のところは「人が輝く」という、この「人」に焦点を置いておられる、そういうふうに私は感じております。今議会の一般質問の最後に仲議員が質問なさいました「100年後の富山について」という非常に格調の高い質問に対して知事がお答えになったのもやはり人であって、人がないことには富山県の将来はない、こういう考えを出していただいたことは、私自身、非常にうれしく感じたところでございます。
 私の今回の質問の問1は、県の将来人口ということでお聞きいたします。
 将来人口ということですが、人のことになりますと、これはやはり富山県そのものが、これから将来、どういうふうになっていくのかという、この根幹にわたる質問だと思います。今回は総論の部分として質問させていただきたいと思います。
 例えば、財政危機だから財政再建をするということはよく言われることでありますが、人口危機だから、人口構成が危機だから人口再建するとか、そういう言葉というのはなかなか出てきません。それは、問題の本質が財政ですとか生活にかかわる問題は、やはり逼迫していますので、何かすぐ対策を打たなくちゃいけないと、こういうことにつながると思うのでありますが、事が人口、人の将来のことになりますと、やはり私たち一人一人に本当の意味での危機感が欠けてしまう。このことが本当は一番大切な問題である。
 これから先のことをどうするかというこの問題について、既に現状ではもう危機が来ているわけであります。そしてこのまま放置すると、今の私たち生産世代、そして子供たちでは背負えない、そういう人口構成、富山県の姿が読めているわけであります。そうであれば、やはり私たちは、今ここで何らかの対策をすぐにでも打っていかなくてはいけない、一歩を踏み出さなくてはいけない、こういうふうに思うわけであります。
 それでは、まず初めに、富山県の20年後でありますけれども、20年後に富山県がどういうような人口構成になっていて、そしてそれがどのような考えのもとに進んでいくかという大きなところについて、石井知事のお考えをお聞きしたいと思います。お願いします。

回答者:石井知事

 将来の望ましい人口構成、また今後の対策ということですけれども、私の子供のころというのは、まちを歩きますとお子さんがたくさんいて、本当に元気があったなと思います。そういう意味で最近は、まちを歩いても小さなお子さんの数が、かつてに比べますと、本当に減って大変寂しいと思っているわけであります。
 将来、どんな人口構成が望ましいかという点ですけれども、一般的に言いますと、経済成長が進んで成熟型の社会になりますと、本当は釣鐘型──ピラミッド型だとどんどん増えていくわけですが、だんだん成熟して、特に日本の場合はそうですから、釣鐘型がいいんじゃないかという意見が、一般的には多いんじゃないかと思います。現実に、今委員もおっしゃったとおり、少子化、高齢化が随分進んできてしまっておりますから、それこそひょうたん型とかつぼ型になりつつある人口ピラミッドからの転換というのは、なかなか容易なことではないと思っております。
 ただ、この間、仲議員の御質問にお答えしましたように、もう20年ちょっとしますと、65歳以上の人口の割合が3人に1人を超える。また、75歳以上の方が20万人を超えて、5人に1人を超えると。一方では、15歳未満の人の割合が10人に1人以下というようなことになるわけで、やはりこれは非常に好ましいものではない。何とかしなくちゃいかんと思っております。
 これは日本全体の問題ですが、1つは出生率の向上をいかに図るかということ。それから富山県の一つの問題として、毎年三千四、五百人の方が流出してきたと。これを何とか地元に若い人がとどまって、富山県で希望を持って働き、暮らすということをどうできるかということであります。
 出生率の向上についても、これまで子育て応援団とかさんさん広場とかといった事業で地域や家庭で子育てを支援する。また、やっぱり富山県は男性も女性も働く共働きの家庭が非常に増えてきておりますから、やはり子育てをしやすい職場環境もつくる必要がある。こういったことで努力をしてきているわけであります。
 また、不妊治療費の助成事業も、全国で一番手厚いほうだと思いますし、また今回は子育て応援券の事業も始めさせていただくわけであります。
 また、これまでの政策を改めて再整理、点検した上で、子育て支援の条例もつくりたいと思って実務的に検討を始めている。また、県民会議でも議論していただいております。
 それから、若い人の県内定着という意味では、まずは働き口がたくさんあるということが大事ですから、新しい産業を興す、新商品、新技術の開発をしてもらう。また、そういう頑張っている企業を応援する。それから東京や大阪、名古屋等で非常に成長力の高い企業を何とか誘致して、富山県で魅力ある働き口がもっと増えるようにする。
 また、国際観光、広域観光にも力を入れるということでやっております。新幹線とか東海北陸自動車道とか伏木富山港というのは、いわばそういうことを進める上での重要な政策手段だという面があるわけであります。
 おかげで県外流出という点では、2年ほど前は3,400人ほど流出しておられましたが、ことしはそれが大体3,000人ぐらいになってきました。少し成果も出つつあるなと思いますが、これは議員各位のお知恵もいただきながら、これからもできるだけ富山県で、子供さんを若い御夫婦が安心して産める、育てられる、また若い人が希望を持って、ここで働けるということになるようにいろんな施策を積み重ねて頑張っていきたいと思います。

質問者:吉田委員

 知事、ありがとうございます。
 そういうさまざまな施策の面で応援していただけるという富山県の現状だと思うんでありますけれども、もう1つ、この問題について根本のところで子供を産む、産まない、そして何人産もうか、こういうことは明らかに夫婦間で起こっている問題だと思うんです。こういうものについても、そういう外面的なところからの応援にはなると思うんであります。
 私が今持っています資料、これは「富山の男女共同参画データブック2008」という富山県が発行したもので、非常にできのいい資料でありますが、「ほしい子どもの数」という調査があります。理想は、1人欲しい人が3.4%、2人欲しい人が44.2%、3人欲しい人は何と45%もいるわけですね。そういう意味で、富山県の夫婦は、子供を1人でも2人でも多く、にぎやかしい家族にしたいと思っている人たちがたくさんいるわけです。しかし現状は、実際には一人っ子が15.5%、2人産めた人が60%、3人産めた人が20%しかいないという、ここに理想と現実の非常に大きな乖離があることも事実であります。
 そういうことについて、なぜそういうふうになっているのかということの調査も出ております。やはり父親側は子育てにかかる経済的負担ということを言うんでありますけれども、母親は、それはもちろんあるけれども、それだけではなくて、子育て自体が肉体的にも精神的にも負担だと、そういうところが大きく出ているんであります。これは非常に残念なことであります。
 このあたりにつきましても、将来の人口構成を考えたときに、まず私自身は、今の減少の傾向を少なくともとめていただきたい。そして、そこから増加のほうに向かうチャンスはないのかというふうに考えるんでありますが、夫婦間に生まれる子供が第1子にとどまらず、第2子、第3子まで増やしていくために、県として何か応援できることがないのか、このことについて寺林知事政策室長にお聞きいたします。

回答者:寺林知事政策室長

 内閣府の「子どもと家族を応援する日本」重点戦略検討会議が昨年の12月に取りまとめました報告書を参考にしますと、ただいま委員からお話がありましたとおり、夫婦が何人の子供を持つか判断する要因としまして、第2子以降については、育児不安や夫婦間の家事、育児の分担の度合い、第3子以降につきましては、教育費など経済的負担感の度合いが出生行動に影響を及ぼしていると指摘されているところでございます。
 こうしたことも踏まえまして、県としましてはこれまでも、母親の子育ての不安感を解消するため、子育て支援センターなど身近な地域における相談拠点の整備、また父親が育児や家事に参加しやすい環境づくりを推進するため、一般事業主行動計画の策定促進や働き方の見直しについて意識啓発を図る企業セミナーの開催、また3人以上の子供のいる多子世帯における教育費などの負担軽減のため、低利のがんばる子育て家庭支援融資や、全国の基準を上回る奨学金の低所得基準額の緩和措置などに取り組んでいるところであります。
 また、この10月には、子育て家庭の経済的・精神的負担の軽減を図るために、知事からもお話がありましたとやまっ子子育て支援サービス普及促進事業、この事業の応援券の配布でございますが、第1子、第2子につきましては1万円、第3子以降につきましては倍増以上の3万円分を開始するということでございます。
 今後とも2人目、3人目と夫婦が理想とする子供の数を安心して生み育てることができる環境づくりを推進してまいりたいと考えております。

質問者:吉田委員

 ありがとうございます。
 私たちの世代とすれば、やはり富山県としてこれからもっともっと元気になっていくために、少なくとも今の現状を維持するか、漸増というプラスのところに持っていきたいと思うわけでありますけれども、いろいろなことをしていくときに、私が最初に申し上げましたように、このことというのは、毎日生活していると、非常に大きな将来の問題なのに危機感を感じにくい、こういう構造的な問題なわけであります。
 そうであれば、いろいろなところでこの問題を取り上げていくその一つの方法としては、例えば子供を産むなら富山県であるとか、あるいは生み育てるのには富山県が一番いいんだぞというイメージの部分でまずは先行して、そういうものをつくり上げていくということも一つのよい考え方なのではないかというふうに思います。このことについて知事はどうお考えでしょうか。

回答者:石井知事

 委員がおっしゃいますように、富山県の子育て環境は、例えば保育所の待機児童数はゼロでありますとか、また乳幼児医療制度とか周産期医療ネットワークなんかも整備されていますし、またさっき申し上げたようなさんさん広場とか、仕事と子育てといったことも、それなりに進んでいると思います。
 そこで、やっぱり若い人に、富山県というのは、意外とというよりは、本当はそういう点では非常に恵まれている環境なんだということをもっとPRしなきゃいかんと思っておりまして、例えばこれまでも、高校生向けの副読本をつくりまして、結婚や家族を持つことがすばらしいということとか、また富山県は子育て環境がなかなかいいんだということのPRもしております。
 また、県外の大学に進学した若い方のUターンを促進するために、職場や雇用環境もなかなかいいですよというPRとあわせまして、子育て環境は東京なんかの大都市よりはるかにいいんだという説明もしていますし、またUターン就職ガイドの中にも、そういうことをPRしております。
 また「くらしたい国、富山」の推進本部でも、自然が豊かとか、災害、犯罪が少ないということとあわせて、子育て環境がいい、また教育環境がいいんだといったようなこともPRさせてもらっているわけであります。
 また、私も東京での元気とやま就職セミナーとか、県内の大学で若い学生さんたちと直接お話しする機会を設けまして、その際には、富山県は子育てするには非常にいいところだということもあわせてPRしております。
 また、さっきも申しましたが、仕事と子育ての両立ということが大事で、それには実は企業の皆さんの御理解をもっともっと進めてもらわなきゃいかん。実際に一生懸命やっていらっしゃる企業もあるんですけれども、企業の経営者の皆さん──中小企業がどうしても多いわけですから、そういった皆さんになるべくお会いして、そして子育てしやすい職場づくりは、短期的に見ると、いかにもその企業にとって負担が大きくなるように見えるけれども、中長期的に考えると、それはその企業も含めて社会全体にプラスになるんだと。また、子育て環境をよくすることで、同じ企業でも非常に有能な、意欲のある女性や男性を採用しやすいといったようなこともPRしていまして、これからもそういう努力をしてまいりたいと思います。

質問者:吉田委員

 ありがとうございます。
 今の話をお聞きしていましても、施策面として、富山県として応援できることは本当に非常に細かいところまで、そして熱意を持って準備していただいているということが強く感じられるわけであります。
 私自身は、この設問をつくるときには、もっともっと県として、あるいは環境としていろいろな応援ができるのではないかという気持ちで取り組んだ問題ではあります。けれども、一方で気づいたことは、実際に、事この問題になりますと、直接的に子供たちを将来増やしていくというこのことについて行動できる年齢というものには、やはりある幅があって、そして今ここにいる方でも、直接的にそれに貢献できる人というのは、そんなに多いわけではないんですね。
 そうであるならば、そういうことを実際に行動に移せる私たち若い世代が、いろんなことを行政に求めるのもいいけれども、そうじゃなくて、それはいろんな状況があって、子供を持ちたくても持てない夫婦もあるわけです。そんなことを考えたら、やっぱり最低2人、3人とにぎやかしく家庭をつくっていこうよ、そして多世代で助け合って過ごしていこうよというここにつなげる原点は、やはり私たち側のほうが本当はキャスチングボートを持っているんじゃないかなと、こういうことも強く感じました。
 そういう意味で、県のさまざまな施策に逆に感謝しながら、子供が生まれて生まれてしようがないから、もっともっと応援してくれよとか、そういうふうな話にちょっとでも持っていけるような、そこが本当の大きな切りかわりのところであって、そしてそのことは、やはり私たち一人一人の民間の家庭のところで何とか話をつくり上げていくしかないんじゃないかなと、こういうことも感じた次第であります。
 蛇足ではありますが、今回の10月から行われます県単の補助のところにおきましても、私のうちにも、なぜかそういうサポートがなくなるよという……。私は、県議会議員の給料がそんなに高いとは思わないんでありますけれども、そういうふうになりました。そして妻が申しますには、3人目は厳しいねと言うんです。
 だけれども、そういうことではなくて、例えば、先ほど知事は仕事の面でさまざまなサポートを富山県では考えているとおっしゃった。だけれども、食べていくという本当の原点だけ考えれば、私たちは全国で毎日5分の2をごみに捨てているわけですね。そうすると、富山県でも、今100万の人口としても、160万までは物を無駄にしなければ養っていけるわけです。そういうことにやはり気づいて、そして子供がいることのありがたさ、それはこの間行われました第1回とやま世界こども舞台芸術祭ですとか、きのうも見てまいりましたが、県民芸術文化祭、そういうところでの子供が本当に元気をくれる。そういうパワーを見て、何も理由がなくても、子供というのは本当に私たちの将来なんだなと、そういうことを感じるわけであります。そういう意味で、私自身も微力ながら頑張っていきたいと、そういう決意をいたしました。
 それでは、2問目に入ります。次は県の施策、関与行事の案内、広報についてというこのことについてお聞きいたします。
 まず初めに、今回の質問作成に当たって、私は一つ勉強をいたしました。皆様に報告しようと思います。
 この「施策」という文字なんでありますけれども、議員になりましてから、読み方は「しさく」かな「せさく」かなとずっと思っておりました。辞書によりますと、読み方は「しさく」だけで、「せさく」とは読まないそうです。これはなぜかといいますと、この施すという字には物事を行うという意味と物事を与えるという2つの意味があるそうです。そして基本的には、「し」と読むときは行う、「せ」というときは施し与えると、そういうふうに区分するそうです。そうであれば、私たちがこの県議会の場所で使う言葉は、常に「しさく」でなくてはいけないのではないかなと、そういうことを生意気ながらも思いましたし、気づきましたので、御報告申し上げます。
 それでは、まず初めに、そういうさまざまな県の施策に関して、県民からいろいろな相談とか問い合わせを受けることがあると思います。私自身も、いろいろ行われている施策の中で、これはどういうことなのかなとか感じることが多いのでありますが、県としての相談窓口についてどのような体制を整えておられるのか、このことを寺林知事政策室長にお聞きいたします。

回答者:寺林知事政策室長

 県では、県政に対する総合的な相談窓口といたしまして、広報課内に県民相談室、また高岡、砺波、魚津の各総合庁舎内に地方県民相談室を設けまして、来訪による相談などを受け付けております。
 今年度は、これまで610件余りの相談、問い合わせなどに対応しているところでございます。また、電話、ファクス、ホームページ、それから元気とやま目安箱などでも随時相談や意見、御要望などを受け付けておりまして、今年度、これまで約500件の意見等が寄せられております。
 このほか、昨今の原油価格等の高騰に係る相談を初め消費生活相談、保健・医療・福祉に関する相談、子育て・教育に関する相談など専門的な相談や、個別具体的な対応が必要な相談につきましては、庁内関係部局の相談窓口と連携しながら対応してきているところでございます。

質問者:吉田委員

 ありがとうございます。
 このことにつきましては、とにかくまず第1に、窓口の笑顔の対応というのが一番大切ではないかと思います。聞いてくるほうは何かと不安な状態で参ります。それが、私は議員だと名乗る場合とそうでない場合とで全く差がないというのがすばらしいところではないかなと思うので、ぜひ今後ともよりいい窓口を目指していただきたいと思います。
 今定例会における知事提案理由説明要旨というものが議会の当初に配られまして、知事が読まれたわけでありますけれども、この中にも、イベントといいますか、県が関与する行事が、ぱっと見ただけで大体8から9列記されているわけであります。例えばその中にきょうスタートする「とやま室内楽フェスティバル」があるんでありますが、ここにいらっしゃる方に、これ、どんなんですかと聞いたときに、さらっと答えられる方というのは、そんなにいないんじゃないかと私は思います。私自身もいま一つわかっていないところとかがあるわけでありまして、県として、一般の県民からすれば県は一つでありますし、また県議会議員も含めて、やっぱり県のことを知っている人間だと、そういう見方だと思うわけであります。
 そうであるならば、県の職員、そして特に県議会議員は毎日毎日いろんなところ、地元を歩いたりとかしておりまして、県民の皆様と接する機会も多いわけでありますから、県の職員、そして県議会議員をぜひ県のメッセンジャーとしての位置づけをもっとはっきりしていただいて、そしていろいろなところで応援できるのではないかと、そういうふうにも思うわけであります。この考え方についてどのように思われるか、知事政策室長にお聞きいたします。

回答者:寺林知事政策室長

 委員御指摘のとおり、県の施策形成や事業実施に携わる議員の先生方、あるいは職員のネットワークを活用しましたPRは、県民にとってわかりやすく、いわゆる口コミ効果も期待できるなど、大変有効であるんではないかと思っております。
 このため、まずは職員間で情報を共有することが大切だと思っておりますので、従来から庁内LANを活用しました行事案内や庁舎掲示板へのポスター掲示などによりまして、各施策やイベント等の周知を図っております。これに加えまして、今年度の新たな取り組みとしまして、県及び市町村の管理職員を対象としましたパブリシティー研修を実施し、職員一人一人の広報マインドの育成とスキルの向上を目指すこととしております。
 また、県議会の議員各位には、重要案件等につきまして、これまで常任委員会や各種勉強会などのさまざまな機会を通じまして御報告してきているものもありますが、今後、さらに行事予定などの定期的な案内を行うといったことも検討いたしまして、議員各位へのきめ細かな情報提供に努めたいと考えておりますので、議員各位の幅広いネットワークの活用など、今後ともお力添えをお願いいたしたいと考えております。

質問者:吉田委員

 それでは3問目、都市環境の整備についてお聞きします。
 皆さんもお気づきと思いますが、富山市の城址公園から大手町の富山市民プラザのほうに抜ける道のところは、今植樹が全部、一度取り払われた状態になっています。毎日見なれた緑のあった光景が、この緑の木がなくなることで、一遍に殺風景なものになった、こういうことを感じておられる方も多いと思うんです。いろいろな点でまちづくり、そして富山の場合は、富山県の顔でもあります国際会議場もあって、そしていろいろな人が富山県の都市をイメージするときに、あそこは非常に重要な場所じゃないかというふうに思うわけであります。
 そういうようなことも含めまして、富山の都市づくり、都市景観づくりということで、何点か質問したいと思います。
 まず初めに、県内において電線を無電柱化しようと、そういう動き、行動をしてもらっておるわけでありますけれども、この工事の進捗状況と今後の予定について、井波土木部長にお聞きいたします。

回答者:井波土木部長

 道路の無電柱化につきましては、事業がスタートいたしました昭和61年度以降、平成20年度までの5期にわたる無電柱化計画によりまして、これまで富山市、高岡市など県下7市1町の中心市街地の幹線道路や主要な駅周辺地区のほか、南砺市菅沼の合掌集落や宇奈月町の温泉街、八尾の諏訪町本通りなど、県内を代表する観光地などにおいて計画的に実施してきたところであります。
 その進捗状況につきましては、平成19年度末までに国道、県道、市町村道を合わせて67カ所、延長約56キロメートルが整備済みとなっております。
 今後の予定といたしましては、さらなる無電柱化の推進に向け、国、県、市など道路管理者や電力、通信事業者など電線管理者で構成する北陸地方無電柱化協議会において、平成21年度に次期無電柱化計画が策定されることとなっております。現在、協議会のワーキンググループにおいて新規候補箇所などの検討を行っているところでございます。
 道路の無電柱化につきましては、多大な費用がかかるとともに、電線管理者の負担も大きいという課題もございますが、県といたしましては、今後とも一層のコスト縮減に努め、電線管理者の理解と協力を得て、引き続き推進してまいりたいと考えております。

質問者:吉田委員

 続いて、土木部長に、県内における街路植樹の整備状況、今後の計画についてお聞きします。

回答者:井波土木部長

 道路の植樹につきましては、緑陰の確保や良好な景観の形成を通じ、道路利用者や沿道の人々に快適な道路空間を提供する上で重要な役割を果たすことから、街路樹などの道路緑化を推進してきているところであります。
 県管理道路における緑化延長は、平成19年度末現在で224.2キロメートルとなっております。道路の緑化に関する目標値につきましては、花と緑が満ちあふれた快適な環境づくりのためのさまざまな指標が盛り込まれております富山県花と緑の新世紀プランにおきまして、平成22年度末までに230キロメートルとされております。現在の進捗率は97.5%となっております。
 今後の整備予定といたしましては、現在事業中である市街地のメイン通りなど良好な景観形成が必要となります地域の道路整備にあわせまして、街路樹などによる道路緑化を行うこととしており、プランに掲げます22年度末までの目標は達成できる見込みと考えております。
 今後とも、快適で潤いのある緑豊かな道路空間の形成を図るため、道路緑化に努めてまいりたいと考えております。

質問者:吉田委員

 今ほどおっしゃっていただいた無電柱化ですとか街路植樹のことについても、特に街路植樹については、民間の人々の、特に定年退職した人とか、そういういろんなことでまちづくりも応援していこうという雰囲気が出てきているところでもありますので、そういう方々に応援いただく。  例えば、今の時期に、街路樹に虫がついたからということでありましょうけれども、どんどん伐採してしまうときもあるんですね。そうでなくて、つく前にさまざまな薬剤をまくであるとか、あるいはケアをすると。富山で街なかにいて秋が感じられる街路というのは、なかなか難しいと思うんですね、枯れてしまうか。秋の色づきを感じる街路というのは、私は、今のところそんなにしっかりとできていないんじゃないかと思います。そういう小さなことでもいいんですけれども、あるものも大事にして、それをみんなでつくり上げていく、そういう考え方もぜひ当局にもつなげていただきたいなと思うところであります。
 それでは続いて、実際に緑を取ったところには、今富山市は、市内電車の環状化事業というのを計画しているわけであります。富山市のことではありますけれども、今富山県として、高岡、富山の電車によるまちの活性化というところが非常に注目を浴びていて、その効果も生んでいるところであります。今、もう1つのサポートを富山県もすればいいのではないかなと思うところであります。特に低床車両の導入、そのことも含めてどのような支援を考えておられるのか、知事政策室長にお聞きします。

回答者:寺林知事政策室長

 県としましてはこれまでも、富山市と連携しながら、市が目指しますコンパクトなまちづくりにつきまして、富山ライトレールへの出資や基金等への補助などの支援に努めてきたところでございます。
 来年度、富山市では環状線化の開業に合わせまして、新たに低床車両を3編成導入する予定となっておりますが、国の認定を受けて富山市が策定いたしました実施計画によりますと、この導入経費は国のLRTシステム整備のための補助制度を活用しながら、残りを富山市が負担する計画となっておりまして、今日までのところ、この実施計画の変更などの正式な協議はいただいていないところであります。

質問者:吉田委員

 現状がそういうことであるということは了解しました。
 富山市としては、常に県の中心であるということでさまざまな応援をいただいている、そういうことも考えて、今回自分たちでできるところはという気持ちなのだとは思いますけれども、私が先ほど申し上げたように、やっぱり富山市だけのことではなくて、これが富山県のイメージアップに大きく貢献すると思います。そういう意味で、市からの何らかのそういう応援の要請が来た場合に対応の考えはあるかどうか、お聞きします。

回答者:寺林知事政策室長

 正式なお話があれば、諸般の事情を検討いたしたいと考えております。

質問者:吉田委員

 それでは、都市環境の問題の最後でありますけれども、私が所属します教育警務委員会のほうで、7月中旬に徳島のほうの視察に行ってまいりました。非常に印象に残りましたのは、大きな国道がありまして、それからそれに関連する県道、市道とあったわけでありますけれども、徳島県警において、その渋滞の解消策に交通の信号調整を非常に細かく行うですとか、それから車線の直進、右左折、そういうものの分析を行うことで劇的な効果を生んだと。道路を新しくつくるという発想ではなかったわけでありますけれども、そういう効果があったということを調べてまいりました。
 富山県においても、道路をつくることだけではなくて、今あるものをどのように上手に利用するかという考え方で渋滞の解消を図られる部分がまだまだあるのではないかと思います。渋滞緩和のために積極的に交通信号の調整を行うべきだと。今も行っていると思いますが、このことについて斉藤警察本部長にお聞きいたします。

回答者:斉藤警察本部長

 御指摘のありました信号機の制御につきましては、現在、富山市あるいは高岡市の中心部や主要幹線道路等におきまして、交通流あるいは交通量を交通管制センターのコンピューターで管理をして、交通が円滑に流れますよう面として整備を行い、運用しているところであります。
 また、その他のエリアにつきましても、路線として信号機の系統的な制御をする、あるいは交通量の少なくなる夜間には点滅運用に切りかえるといったような措置をとりまして、車が最大限円滑に流れるような調整を行っているところであります。
 また、お話にありましたように、円滑な交通の流れを確保するためには交通流あるいは交通量の実態に応じて、信号機のサイクルや現示が適正に調整されているということが非常に大切になります。こういう観点から常に交通実態の調査を行いまして、必要な見直しを行って、適正な信号機の制御がなされるように努めているところであります。
 なお、現在の交通管制センターにつきましては、整備後14年経過して老朽化が進んでおりますことから、本年度を初年度といたしまして、7カ年計画でシステムの更新を進めることといたしております。この整備後には、交通量等の情報収集能力が向上して、よりきめ細かな制御が可能となって、一層の渋滞緩和が図られるというふうに考えております。
 いずれにしましても、県内においては、なお朝夕の時間帯には一部渋滞が発生する道路もございますことから、今後も交通の安全を図りながら、交通信号機の系統制御、あるいは交通管制エリアの拡大等を積極的に推進をいたしますとともに、信号機の現示等の適正な運用を図って、交通の円滑化に努めてまいるという考えでございます。

質問者:吉田委員

 次に、水難事故対策についてお聞きいたします。
 私自身、川で遊んだりとか海で遊んだりとかする人間でありますので、水というものの楽しさ、そしてある意味で水というものは、私たちの通常の陸上とは違って、不自由で危険なものであるということも、人よりは少し知っておるつもりではありますが、水難事故、このことであります。
 南砺の集中豪雨ですとか、それから先般起こった県東部の高波のときの被害、それから夏に子供たちが遊んでいるところでの水難事故とか、いろいろなことが富山県下でも起こっておるわけでありまして、集中豪雨のことも含めて、近年の河川や港湾地域で水難事故の発生状況がどのようになっているのか、知事政策室長にお聞きいたします。

回答者:寺林知事政策室長

 災害に伴います水難事故につきましては、平成18年、19年は発生しておらず、ことしに入りましてから、2月の高波災害により、射水市で漁船から1名の方が海に転落し、また入善町でも1名の方が波にさらわれ、亡くなっております。さらに、7月8日の豪雨でも、立山町で1名の方が用水に流されたと想定され、行方不明となり、いまだ発見されていない状況でございます。
 また、災害以外の河川、用水、海岸等での水難事故件数につきましては、警察本部のまとめによりますと、平成18年は45件で、平成19年には50件となっておりまして、水難事故による死者と行方不明者を合わせた人数は、平成18年は27人で、平成19年は34名となっております。
 次に、漁船、遊漁船、プレジャーボートなどの海上での船舶海難事故につきましては、伏木海上保安部のまとめによりますと、平成18年が18隻、19年が30隻となっており、死者は18年は1人、19年も1人となっている状況でございます。

質問者:吉田委員

 今ほどの答弁にもありましたように、水難事故については、やはり消防そして警察と連携して、さまざまな機関が協力しているというところが現状でないかと思うんでありますが、実際、この公的機関はどのように主体となって活動しているか。また、県内の市町村間において連携活動が今行われているのかどうなのか、そのあたりを確認させてください。

回答者:寺林知事政策室長

 水難事故が発生しました場合、海の事故であれば伏木海上保安部、沿岸市町の消防及び消防団、警察が中心に負傷者の救助や被災者の救出などの救助活動を実施しております。また、川の事故であれば、関係市町村の消防及び消防団や警察が主体になりまして、救助活動を行っているところでございます。このほか、ボランティア団体としまして、水難救済会が海の事故の救助活動や救助方法の普及活動などを行っております。
 次に、市町村間の連携協力体制についてでございますが、消防組織法におきまして、「市町村は、必要に応じ、消防に関し相互に応援するよう努めること」とされているところでございます。本県の市町村におきましても、県内全市町村による相互の応援協定を締結しており、大規模な災害や事故などでみずからの消防力のみでは対応できないときは相互に連携を図り、協力しながら対応しているところでございます。

質問者:吉田委員

 ありがとうございます。
 こういう事故というものについての対応ということで考えると、富山県には、水難ではないんですけれども、山岳警備隊という非常に全国に名をはせる、こういう組織を県警で持っているという現状があるわけであります。例えば、今ほど申し上げた集中豪雨が非常にゲリラ的に今起こっている。そして先般の県西部のほうでは、死者は出なかったんですが、見てこられるとわかるんですけれども、田んぼの中に巨木がどーっと入ってくるわけですね。そういうふうに水の力というのは本当に恐ろしいわけでありまして、そういう一刻を争う事態というのは、通常想定できないわけでありますけれども、そういう大きな水難事件や、あるいは、例えば今富山県では伏木のほうを海の窓口にしていきたいという計画を大きく持っているわけでありますけれども、そういう場合にも、海難事故について日本海側随一の体制を整えるということは、先を見た上でも非常にいいポイントになるのではないかと、こういうふうに思うわけであります。
 市町村の区域を越えた水難救助隊──言葉はいろいろあると思いますけれども、そういうようなものを編成するということが、富山県にとって新しい第一歩になるんでないかと思うのでありますけれども、このあたりを知事はどのようにお考えでしょうか。

回答者:石井知事

 今ほどお話がありましたように、水難事故とか集中豪雨等の洪水時におきましては、各消防本部の救助部隊、また警察等関係機関が県の消防ヘリと連携して対応しております。
 消防本部の救助部隊は県内に22隊、289人の体制となっているわけでありまして、水難救助の専任の部隊ではありませんけれども、日ごろから、こうした水難事故に備えた潜水訓練ですとか救助技術講習会など、いろんなことで備えております。
 大規模な水難事故発生ということになりますと、各市町村で相互に連携協力するということが大事でありますが、仮に県内の消防力で対応が困難だという場合は、県外からの緊急消防援助隊の応援要請をする。また、警察とか国土交通省、海上保安庁からの応援を受ける。それから、特に広範囲で甚大な被害だという場合は自衛隊からの応援も受けるということで、広域的、機動的な体制整備を図っております。
 こうした広域連携による救助活動が、なるべく明確な指揮系統のもとでなされませんと混乱しますので、県内市町村の相互応援の場合は、災害や事故が発生した地域の消防が調整本部となる。また、県外から緊急消防援助隊による応援を受ける場合は、ケースによるんですけれども、特に市町村間を災害のいろんなことで動く場合がありますから、そういう場合なんかは県が調整指揮をするというようなことになっております。
 それから、こうした応援体制がスムーズになりますように総合防災訓練──今回も高岡でやりましたが、かねてからそういうことをいろいろ想定してやっていますし、また石油コンビナート防災、それから緊急消防援助隊の中部ブロックの合同訓練といったようなことで連携強化を図っております。
 また、9月補正でお願いしていますが、今回都市型水害というのもありましたので、消防関係機関等の実践的な対応体制のあり方を検討する経費も計上させていただいていまして、今御心配の豪雨時における水難事故は、農村地帯、郊外の場合もありますが、都市型の場合もありますので、こうした場合にも備えて、しっかり対応していきたいと思っております。

質問者:吉田委員

 ありがとうございます。
 今、現状でも、十分にそういう連携をとって安全な体制を整えているということが強く感じられました。
 もう1つは、それぞれの人のスキルアップ、そういうところも同時並行して目指していかなくちゃいけないんでないかと考えます。水だけに、やはり実地体験して、そして水の怖さ、いろんなものを体験していくことが、現場での本当の戦力になるのでないかというふうに考えるところであります。
 今、富山県で消防学校を新しく整備する段取りに何とかめどが立ってきたというところであります。こういうところに先見の明を持って、水難救助の訓練施設、そういうようなものも設置していくべきではないかと私は感じております。
 他県の視察をしますと、そういうものがあったけれども今は使っていないというところもあるようであります。しかし一方で、例えば静岡の沼津のほうでは、消防本部のほうに水難救助隊が新しく発足する、そういうような動きもあるわけであります。富山県として、この消防学校に水難救助という部分を考えに入れていただきたいと思います。いかがでしょうか、知事政策室長にお聞きいたします。

回答者:寺林知事政策室長

 消防学校・防災拠点施設につきましては、富山市惣在寺地区を候補地としまして、現在、地元や関係機関と協議しながら用地取得を進めるとともに、消防関係者の御意見をお聞きしながら基本計画の策定を進めているところでございます。
 これまで消防関係者からは、新しく整備する消防学校に、水難救助用の基礎的な訓練を安全に行うことができる水難救助用訓練施設を設置するよう要請があったところであります。消防学校における水難救助用訓練施設につきましては、消防庁が定める消防学校の施設、人員及び運営の基準を踏まえ、引き続き消防関係者の御意見をお聞きしながら検討してまいりたいと考えております。

質問者:吉田委員

 新しいものをつくるときに、あれもこれも要求するというのは、私はよくないことだと思っております。けれども、特にこの水難のことについては、やはり力点を置くに値する現状ではないかというふうにも思っておりますので、ぜひ積極的な御検討をお願いしたいと思います。
 それでは最後の問題に行きます。県産米の再認識ということで質問いたします。
 実りの秋を迎えておりまして、それは食の秋でもあります。米がおいしいということはすごいことでありまして、私も小さな豆腐屋をやっておりますが、毎日食べている豆腐が、新米と一緒に食べると数段グレードアップしたやに感じるというくらいに米のパワーというのはすごいものであります。ある日本料理家に言わせますと、日本料理の真髄は米にあると。それ以外のものは、すべて米のうまさを感じるために存在するのだと、ここまで言い切る方もおられるくらいに、やはり私たち日本人の食の原点は米にあるのではないかと、こう思うところであります。
 私は、6月の議会以降、特に自民党議員会の若手議員の一人として、観光を振興する条例ということで勉強をさせていただいておりました。その中で、観光という観点において一つ大事なことは、やはりこれからの観光は自分たちの地域のよさを感じるところ、そしてそれを強く持っているところこそが観光の面でも生き残って、勝ち組になるだろう、そういう結論を私自身強く得たところであります。
 そういう意味で、富山という私たちの地域を考えたときに、食べ物の面で、あるいはいろいろな富山の名産ということを考えても、やはり富山の米というものを外すわけにはいかないし、私は、これを中心に据えるというのはいい戦略ではないかと、こういうふうに思うところであります。
 まず初めに、県内で消費される米のうち、県産米の比率がどの程度あるのか。非常に統計が取りにくい部分ではあると思いますが、柴田農林水産部長にお聞きいたします。

回答者:柴田農林水産部長

 県内で消費されます米のうち、県産米の比率でございますが、既存の統計的な数値がございませんので、ある意味、推計するしかないというふうに考えております。そこで、県全体の米の消費量から県外から移入した量を引いたものが県内産の米の消費量だろうと、こういうふうにみなしまして推計してみたところでございます。
 まず、県全体の米の消費量でございますが、国民1人当たりの米の年間消費量が、玄米換算で67.3キログラムとなってございます。これに県全体の人口を掛けまして出てくるのが約7万5,000トンというふうに見込まれるところでございます。このうち県外産の移入量は約8,000トンというふうに見込まれますので、県内産の米の消費量は6万7,000トンということになります。これを県全体の米の消費量7万5,000トンで割りますと、大体90%程度ではないかというふうに推察しております。

質問者:吉田委員

 この90%という数字を高いと見ればいいのか、そうでないというふうに見ればいいのか、私自身も考えなくちゃいけないなと思うところでありますが、そういう90%という数字を県民の方が認識しているかどうかとなると、非常に疑問だなと思いますし、そして毎日食べている米が富山県のどういう米なのかということを感じている人も少ないのではないかなと、こういうふうに思うところであります。
 富山県の米、コシヒカリは、私たちは非常に自負するところでありますけれども、米というもので忘れがちになるのは、新米ができてから1年間のサイクルの食べ物でありますので、米自体が生ものと言えばいいか、食べ物だからやっぱり劣化するんだよというところが頭から抜け落ちがちなわけであります。新米を食べると本当においしいというのは、やっぱり新米はおいしいんであって、時間がたつとおいしくなくなってしまっているというのが現状なわけであります。
 やっぱり富山県の米を自慢するのであれば、どういうふうにして富山の米の品質を維持していくのか。そして、そのおいしいものをいかに最終ユーザーまで届けるのかという努力を、年間を通じて、あるいはさまざまな方法で私たち県民は知っていなくてはいけないし、努力しなくちゃいけないと、こういうふうに思うわけであります。
 県産米の品質保持についての県側の現状認識について、引き続き農林水産部長にお聞きいたします。

回答者:柴田農林水産部長

 お米は年に1回しか収穫できませんので、これを年間を通じまして、消費者の皆さんにおいしく食べていただくということが大事でございまして、そうしますと、日数の経過に伴いまして、品質がどうしても劣化しがちになってまいります。品質を極力保持できる貯蔵方法をとることが大変大事だというふうに思っております。
 具体的には、玄米ではなくて、もみすり前のもみの状態で保存することや、玄米で貯蔵する場合でも10度程度の低温で貯蔵することが効果的であるというふうに考えております。
 このため県といたしましては、もみの状態で貯蔵ができ、また乾燥、調整、貯蔵を大きなロットで、低コストに行うことができますカントリーエレベーターの整備に支援してきているところでございます。これまで12農協、27施設が設置されておりまして、玄米換算で合計約6万6,000トン、本県の米の生産量22万トンといたしますと、約3割を貯蔵できる能力を有しております。また、玄米での貯蔵ということになりますが、10度程度の低温で玄米を保管できる倉庫につきましても農協などで整備されてきておりまして、20年3月現在で玄米換算で13万トン、本県の米の生産量の約6割を保存できる能力を有しております。
 このように本県では、品質保持のための施設がおおむね整えられてきておりますが、このような施設というのは、均一に品質がよく、食味もよいという富山米の評価を定着させるのに大きく貢献している施設でございますので、今後とも、県といたしましてはカントリーエレベーター、あるいは30キロの袋じゃなくて、大きい1トン単位の梱包などで出荷できる低温倉庫、こういったようなものをより効率的、効果的に整備しまして、高品質な米を計画的に貯蔵できる施設を進めてまいりたいというふうに考えております。

質問者:吉田委員

 ありがとうございます。
 米の品質保持に努力するということ、それから米のよさを感じるために、私はもう一つの方法として、食べるときにやっぱりいろいろな食べ方、そして食べて感じることが一番私たちが富山の米を自慢すること、県産米の再認識につながるのではないかなと思うんです。
 例えば、同じコシヒカリでも玄米で食べてみる、あるいは5分づき、7分づきで全然味の感覚が違います。そういうことをいろいろ試してみたりすることで、米のことが各家庭でも話題に上ったりする。例えば玄米というのは、カレーに意外とあったりとか、それから同じコシヒカリでも山のほうでつくった米、海側でつくった米、それぞれ生産者の皆さんは、おらとこのはうまいがだぞと自慢されるわけです。そうしたら、やっぱり食べ比べてみて、お互いのよいところを知って、そして富山県の中でもそれぞれが自分のところの県産米を自慢していく、こういうような考え方は非常に生産的で、富山の米の認識を深めるのに役立つのではないかと思うところであります。
 県民が県産米のよさを知って、誇りを持つというところまでは非常に大きな言葉でありますけれども、米に愛情を持つ、そういうところに行き着くことが私は非常に重要だと思います。この考えについて知事のお考えをお聞きしたいと思います。

回答者:石井知事

 富山米をなるべくおいしくしようということで、かねてから流水客土工法を取り入れたり、また最近でも温暖化の影響もありますので、高温に強いてんたかくやてんこもりを開発したり、またコシヒカリについては田植え時期の繰り下げ、これも本当に熱心にやってもらっていますし、また安全・安心な米づくりということで、最近は地力を高めるクロタラリアなんかの作物投入とか、いろんな努力をされております。
 私は、富山県の農家の方がこうして頑張られてきた結果、できるお米、富山米は、個人的には魚沼産のコシヒカリにも負けないすばらしい米だと思っておりまして、せんだっても農協の皆さんから御要請がありましたので、名古屋で富山米の速達フェアというのがありましが、そこに出向きまして、私もPRの一角でやらせていただきました。
 お話のように、県民の皆さんは、それを御存じの方も多いんですけれども、まだまだ案外御存じない方もいらっしゃるので、すべての小中学校で、県産のコシヒカリを使った米飯給食を支援すると。
 また、農業団体と連携協力しまして、小中学生を対象にしまして「ごはん・お米とわたし」という作文・図画コンクールをやったり、また親子でおにぎりづくりを体験する米まつりというのも、ことしも10月に、越中とやま食の王国フェスタの中でやることにしております。
 また、県内で地産地消コマーシャルなんかの消費拡大活動もされていますが、これは農業団体がやっておられるのを、やっぱり県も応援したいと。
 それから、今後さらに富山型食生活ということで、富山米と新鮮な魚や野菜をバランスよくとるとか、また小中学校や地域で田植え、収穫などの体験、それからお米を使った料理や実体験の機会を増やすということにしたいと思います。
 また、県外では、富山米のブランド力を高めますために、首都圏や中京圏の量販店で富山米の販売PRをやる。また、東京のアンテナショップももっと活用する。また、首都圏の百貨店で、富山のうまいもんまつりでこの富山の新米などのPRをするということで、いろんな考えられることを精いっぱい努力して頑張っていきたいと思います。

質問者:吉田委員

 ありがとうございます。
 米の話題だけに、富山県人の米自慢には「まいった」と言わせてほしいなと。
 総じて、種まきの話を質問させていただきました。石井知事におかれましては、2期目の挑戦ですが、種を4年間まき続けてこられたと、そして花が咲きかけたものもあるという言葉を聞いてはおります。私たちの世代とすれば、花が咲くのは先のことで結構。どんどんどんどん、もっともっと種をまいていただいて御活躍いただきたいなと、こういうふうに思うところであります。
 私たち若い世代も、自分たちができることを実行していくという、これ以外に県をよくする方法はないなと改めて考えたところであります。どうも、ありがとうございました。