2011.12.12 : 平成23年経済建設委員会

吉田(豊)委員

 舟川ダムのことで少しお聞きしたいと思います。
 まず、このダムの工事が無事終了するということで、ありがとうございます。私自身、議員になって5年目ですから、まだ少しわからないこともあって、不勉強なこともあるのですが、まずこのダムの計画がいつごろつくられたのか教えていただけますか。

村岡開発班長

 舟川ダムにつきましては、平成5年度に、先ほど梶委員からお話しのあった補助事業の採択を受けまして、それ以来建設に入ったわけですが、ダム本体の工事の契約をしましたのは18年度でございます。
 その後、順次工事を進めまして、このたび設備の整備がほぼ終了したということでございます。

吉田(豊)委員

 先ほど、部長の答弁で、まずこのダムの一番大きな目的は洪水調節だということでしたが、この地域で実際想定された、何かあったときに被害にあう、あるいはこのダムの効果としての下流の流域人口はどれぐらいを想定しておられたのですか。

村岡開発班長

 申しわけありません。手元に資料を十分持ち合わせておりませんので、人口まではお答えできません。

吉田(豊)委員

 聞き方がよくなかったです。エリアでお答えいただければいいです。

村岡開発班長

 洪水を防御します主なエリアとしましては、下流にあります舟見地内でございます。ダムの下流にバーデン明日という温泉施設がありますけれども、それより下流の部分から小川という川に合流するまでの間が防御される区間です。

吉田(豊)委員

 バーデン明日と言われて、私もあそこの川の近辺が、どういう言葉が正しいのかわかりませんけれども、土砂崩れの危険な区域に該当しているのを見たことがありますので、なるほどと思ったのです。
 先ほど梶委員は、これは小規模ダムだとおっしゃったのですが、私はダムについては、何が大中小かわからないものですから、写真を見る限りはかなり大きいと思いました。
 これは、写真の車があるところ、コンクリートの基礎のところからですと、高さは39メートルか40メートルぐらいのものと認識したのですけれど、それで合っていますか。

村岡開発班長

 資料にお示ししておりますように、右側の断面図の一番右のほうに49.8と書いてございます。これがダムの高さでして、基礎の地盤からダムの天端までの高さでございますので、写真にあります車からであれば、おおむねその数字で合っていると思います。

吉田(豊)委員

 それと、耐用年数というものがダムにあるかどうかですけれども、このダムの耐用年数はどれぐらいを想定しているのでしょうか。

村岡開発班長

 ダムを計画する際には、背後にためます容量を考慮して器をつくりますけれども、その際に、やはり川ですので上流からどうしても土砂が流れ込むことになります。そういう土砂の堆積を見込んで容量を考えた場合に、通常は100年間の土砂がたまっても、必要な容量に影響がないような器を確保しております。そういう意味では100年を見込んだ施設ということでございます。

吉田(豊)委員

 もう1回確認しますけど、100年というのはその構造物自身が、特にメンテナンスもなく100年もつという意味なのですか。

村岡開発班長

 ダムは、多くはコンクリートないしは石なり土を盛り立てたものでつくられておりますが、それ自身のメンテナンスが不要ということではなくて、必要なメンテナンスを行っていけば、十分もつということでつくっております。実際に国内にありますダムで、1900年代初めごろにできて、まだ現役でしっかり働いているダムもございますし、県内でも、庄川の小牧ダムのように、昭和の初め頃につくられ、80数年たっているものもございます。
 そのように、耐用年数的に問題があるものではないと思っております。

吉田(豊)委員

 この舟川ダムの試験湛水を始めるということですけれども、現時点で、既に水や土砂がある程度のところまでたまっていて、そこから、もう1つ上の満水時のところまで上げるという認識で合っているのでしょうか。

村岡開発班長

 資料の図にはお示ししてございませんけれども、ダムの中に、そういう水を抜くための水路が設置してございます。その水路の底が図にありますほぼ256.0メートル付近ということでございます。今はその位置に水面がありますので、今回水路をふさいで、そこをとめるところから作業が始まります。それによって、順次水が上がっていくことになります。

吉田(豊)委員

 でき上がったことについて細かく聞いてしまって、大変失礼な部分もあったと思うのですけれども、このダムについて今お聞きしたかったのは、きょうの各委員の皆さんの質問もそうだったのですけれども、災害への対応についてです。やはり3月11日の震災が起こったあとで、いろいろな自然災害に対してどのように対応すべきかという考え方が、今大きく変わってきているのではないかと私自身も思っております。
 そして、単純に言うと「減災」という言葉になるのですか、今までは減災じゃなくて、ほとんど滅災──こういう言葉はないと思いますけれども、災害は全くなしという形だったのではないかと思うのです。でも、これを減災という方向で考えていこうと。そうしたときに、たまたまダムというものは目立ちますから、今の政権にとっては1つの対象になったということかもしれません。  それで、今後、こういうさまざまな問題について対応していくときに、単純に今は政権がひっくり返っているからということを言うのではなくて、今はいろいろ不安定で、国との関係がわからない状況であるからこそ、やはり県としても、自分たち独自で今こそ本当に、さまざまな世界の先進例ですとか、それから富山に似たような地域の対応ですとか、そういうことを考えるタイミングじゃないかと思います。
 それで、県の土木部では、例えばこういうダムそのものについての機能をまず明らかにしていくところから、どういう方法が一番いいのかということをぜひ考えていただきたいのですけれども、こういうことを今やっていらっしゃる部署は、あるのですか。

牧田土木部長

 すみません。少し質問の趣旨が……。

吉田(豊)委員

 すみません。いろいろしゃべり過ぎました。
 例えば、ダムの機能が洪水調節だとしたときに、洪水調節についてはダムという方法をとるのか、あるいはそれ以外のダムに類似する方法をとるのか。それからそういうものが富山県に導入できるかできないか。ダムが水の流れをとめるということは、だれもがわかっているわけです。ダムの底に土砂を流下させるような技法を取り入れるなど、いろいろなことをやっていらっしゃるのもわかるのですけれども、今、減災という考え方が世の中でクローズアップされているわけで、これについて改めて、私は力を入れていただきたいと思うのですけれども、どうでしょうか。

牧田土木部長

 先ほどもお話ししましたように、改めて3月11日以降でということではございませんが、河川の整備をどうするかという際に、ダムによるのか、河道改修によるのかといったことを決めます基本的な方針、河川整備基本方針を、各界の方々のいろいろな意見を聴いて、それぞれの河川ごとにつくります。
 したがいまして、土地利用、予算の問題などもいろいろ当然出てくると思いますが、そこで洪水調節のためのダムが必要ということであればそのダムを計画します。その際、やはりB/Cという問題にもなってくるわけでございまして、それぞれの河川において、その地域に最もあった治水対策をどうするのかというところで決まっていくものと思っております。

吉田(豊)委員

 わかりました。ありがとうございます。
 きょうは大体予告編みたいなものです。終わらせていただきます。ありがとうございます。